心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

ベーシックインカムのお勉強

いちいちこうやって批判的に取り上げるあたり、我ながら前澤さんのこと好きじゃねえんだろうなあ……。
とはいえこうして「ベーシックインカム」という言葉自体が一気に知名度が上がったあたりはお見事かな。安易に賛成している人もいて自分で調べようぜ〜とも思うけど。
「良い話系の場合は負の側面まで調べる」これが基本ですよ。

ってことでZOZOの創業者の前澤友作さん、今度はTwitterにて「100万円を1000人にプレゼントする」というお年玉企画をやっていますね。
前も同じような「100万円受け取れる人を選別してプレゼントする」企画やってたけど、今回は完全ランダム選出とはいえやっぱりこのやり方は個人的にちょっとなあ……。

これについての追記として、前澤さんがこの企画をベーシックインカムの実験だとしているんだけど……ベーシックインカムはなんとなくレベルの知識だったので、具体的にどういうシステムで、どういうメリットとどういう問題点があるのかを調べてみたんですな。

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ベーシックインカム(basic income)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策。

ベーシックインカム - Wikipedia

はい、お馴染みWikipediaさんから引用させていただきました。

まず「すべての国民に対して」ってのが国政として重要なポイントだと思うんで、前澤さんの1000人にプレゼントの時点でベーシックインカムの実験になってるのか分からないけどね。受け取れた当人がちゃんと意識すればミクロな実験ができるかもしれませんが、前澤さんの「毎月83000円もらえる(=年間約100万円)」の実験にもならないよね、100万円一発で貰えたら。真面目に考えると将来のリスクのために貯金するか、大きな買い物ポンとする人が多いと思うんだが。
「貴族の施し」と形容している人がいて頷いてしまった。基本前澤さんのやるプレゼント系の企画は「貴族の施し」だと思います。あるいは道楽かな。
あと1000人が100万円を受け取った程度で社会的なベーシックインカムの実験にもならないわけで。日本の人口を考えたらちょっと当たりやすいかわりに金額安い宝くじレベルでしかないと思うんだけど……。これに関しては「海外で特定の地域に限定的にベーシックインカムの実験しているよ」という人もいるんだけど、じゃあ「日本国内のTwitterを見てリツイートした人の中からランダムで選ばれた1000人」はその特定の地域と呼べるんかね?とか考えちゃう。
さらに同じ人が数年単位で受給され続けないとこれまたベーシックインカムの実験にならないと思うんですけどね。
総合的に「ベーシックインカムの実験です」って言わなければよかったんじゃないかと思う。普通のお年玉企画としてやればいいじゃないの。


個人的な感情が先走って前菜が長くなりましたが、ベーシックインカムについて。
具体的に言うと「全国民に毎月5万円配布します(半永久的に)」みたいなシステム。金額はとりあえず5万円と書きましたが、ここは政策次第の数値が入るでしょう。仮に5万として、予算組むとしたら5万円×12ヶ月×1億2000万人。結構とんでもない金額じゃないのか……。
で、これを導入しようとした場合「ベーシックインカムのための予算」を何処かから工面しないといけなくなるわけで、その費用のために増税をしない場合は各種社会保障が削られてベーシックインカムの費用に充てられるらしいです。つまり社会保障ベーシックインカムに置き換わるだけであって、そうなると年金や生活保護を受けないと暮らせないような方々が終わってしまう。
ベーシックインカムは全国民に平等に支給されるので、この状態で社会保障が縮小すると格差社会がさらに進んでしまいますねえ……。

MMT理論をベースにして費用を捻出できるという論もあるけど、そのMMT理論が実際の成功例のない理論だし、全然詳しくない自分ですら「そんなに思い通りにインフレ率とかコントロールできるものなの?」とは思うので……。


ベーシックインカムMMTも考え方自体は素敵な効果を提供しようとするんだけど、それらは現実に行おうとした場合のデメリットや成功する可能性の低さに目を瞑った場合なんだよな。
机上の空論とまでは言わないが、少なくとも今の日本においては不可能に近いんじゃないかと思います、残念だけど。