心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第18回「岐路」感想

「おごれる者たち」「華の影」「うつろい」「岐路」。
兼家が亡くなったあとの各話タイトルを並べてみましたが、なかなか意味深。兼家という絶対的な柱を失った藤原家が、権力だけを兼家から引き継ぎながらも少しずつ壊れていっているのを感じさせます。

今回は「岐路」。
道隆も世を去り、次の関白は道兼となります。
しかしその道兼もあえなく倒れる……はず。ここが藤原家の「岐路」ってことなんですかね。

スポンサーリンク


宣孝さん、4年ぶりに帰還。うーん、服装が偉くなっていますな。
そして今回のドラマ、一気に時間が飛ぶ作りになっていますね。まひろさんも普通にお酒が飲める年齢ですか……。
太宰府勤務の宣孝さん、宋の国のお土産がたっぷり。科挙の話はたしかにまひろ的には良いシステムに見えるでしょうね。

道隆の他界後、10日間関白不在。
というか伊周が本気で、次の関白に自分がなる予定でいるのがちょっと理解に苦しむんだよなあこれ。
公家全体のパワーバランスとかまで考えると、現実的に無理だろ。
定子さんには「もっと人望を得ろ」とか言われてしまう始末。兼家に関しては絶対的な権力と謀略でその人望をカバーしていたけど、その息子の道隆のさらに息子の伊周とかなんの力もないから……。

関白・藤原道兼が誕生。
マジで道長のおかげで完全に覚醒しましたね、道兼。めちゃくちゃ善政敷きそう……と思ったら既に早速体調やべえじゃん。
民のためを想う当代の帝を考えると、道兼は相性良いんですが……もうご挨拶の直後に倒れてしまうのは厳しすぎる……。

道兼は疫病で終了ですか……。まさか今回のお話開始15分で世を去るとは。
やっぱりここまでの話全部を振り返ると、本当に悲しい人です、道兼。
若さゆえの衝動から人を殺めてしまい、その弱みを握られたことでずっと父の代わりに汚れ仕事をさせられ続け、やっと父の呪縛から解き放たれたかと思ったら、すぐにその命を終える……。
序盤は歴代大河ドラマでもトップクラスにやべえ奴だと思っていたけど、物語が進むにつれてその境遇のキツさが徐々に掘り下げられていき……という感じで、いつしか一番好きなキャラクターになっていましたね。

んでまた伊周が謎。なぜ道兼がいなくなっただけで自分だと思うんだろうか。
どう考えても道長がそこにいるじゃないですか。

おそらく初めて、まひろが道兼のために弾く琵琶。
あとサラッとすごいことナレーションで言われていましたが、この後軒並み公卿が亡くなっていたのか。おそらく疫病だと思いますが、凄まじい……。

関白になる野心が全然ない道長と、対比的に早速人心を取り込もうとする伊周。
帝としても伊周を次の関白にすること自体はもう了承していて、周囲も次は伊周だろうなあ……という感じ。
……ここから道長が逆転勝利すんの?

清少納言から現在の政治情勢を伝えられるまひろ。
よく考えたら出世欲がない道長、これだとまひろとの約束である「世界を変える」が果たせないと思うんですが。

うーん、詮子のタイミングはマジでギリギリでしたね。翌日には伊周を関白にすることを宣言する予定だった!
逆説的に我欲がない道長が、正しい政治を行える関白たり得る資質を持つってことですか、これは……。
なんかここで詮子が、自分が母親であることを振りかざして説得しようとするのあんまり良くないっすねえこれ……。

とはいえこの説得が効いていたんでしょうか。帝、まさかの道長を指名。ここがタイトルの「岐路」かな。
定子さん強えなぁ……。激昂する伊周の言葉を黙って耐え忍ぶ。
「皇子を産め!」を連呼するの、伊周は末期の道隆に似てきたなあ……。
あとこれ、定子さんとしては本心から帝を愛しているからなんとも。政略の道具として利用されるだけの立場にちょっと反発心もあるんだろうなあ。

右大臣・藤原道長が誕生です。関白になるのは自ら辞退。
面白いことに、道兼が倒れてから右大臣になるまでの間、道長自身がほとんど出てきてないのがまた。
右大臣になったことで、まひろとの約束を思い出したというか思い返す道長
「あんまりなりたくねえなあ」と思っていながらも、この流れとなると運命を信じてしまうかもしれません。

約束の場所で再会するまひろと道長ですが、ここでまひろは語る言葉はないとして黙って去る。むむ……ここの互いの心理がちょっと難しい。

次回「放たれた矢」。
これは……もしかして次回は長徳の変だな?早速伊周が左遷させられることになりつつ、しばらく出ていなかった花山天皇法皇となって久しぶりに登場です。
あとなんか、まひろさんもいよいよ参内かな?