心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第15回「おごれる者たち」感想

おごれる藤原、久しからず……ということでしょうか。
今作に関しては、藤原家というよりも道隆・道兼のおごりですか。道長に関してはその兄達の失態を見て、自身の政治を為すのでしょうし。

ここまでを見ていると、どちらかというと藤原兼家という個人の突出した能力によってここまで発展した印象のある藤原家。
その権力を受け継いだだけの道隆、それなりに強かでもありますが父には遠く及びません。そういうところの勘違いがまずい事態を引き起こしそうです。

スポンサーリンク


そういや、道隆はどうやって帝の信用をゲットしたんでしょうか。先週のラストではすんなり帝が道隆の提案を受け入れていたけど、そうなった過程は描かれていませんし。

道兼くん、奥方にも捨てられた結果すがることのできる人間がいなくなりましたか。
道兼も「おごれる者」かと思っていたけど、すでにそのおごりは先週の段階で崩れ去り……それどころか精神が崩壊していますね……。
欲しいものが摂政の首になってしまっているのは末期ですなあ。つまり兄である道隆の首を要求するのかよ。
思えばまひろの母親をその手にかけた時から、こうして道長に救済の道を与えられるまでの人生全てが操り人形だったと思うと……道兼の人生は普通に地獄だわ、これ。

2年後にはなんとか立ち直った道兼も、再び内裏でのお仕事。
道隆の身内贔屓が露骨過ぎて、逆にセンスがないですね。間接的に自分の味方を減らす結果を招いていることには気が付いていないのかな。
この辺は兼家、なんだかんだで上手くギリギリを突いていたんでしょうね。

一方まひろさんの家では良いニュース。あんなに学問苦手だと言っていた弟がいい感じに出世し始めましたよ。

ききょうさん、急にだいぶ大出世じゃない?中宮様の話し相手ってすごいのでは……んで何気にまひろさんとききょうさんの交流も密度上がってきましたね。
弟もききょうさんも自分の道を歩み始めるのを見ていると、まひろとしても焦るよなあ……。

清少納言」の名付け親、定子の一存によって決まったのか!
こうやって慎ましくしている定子さんですが、本質は明るい面白女性ですからね。どう考えても清少納言と相性が良いっていう。
この二人の交流で、内裏全体の文化レベルもじわっと上がっていくのかな。

道長、もはや関白となった兄・道隆とバチバチじゃないですか……。この辺は亡き父・兼家が見切っていた通りかもしれませんね。
うーん、これは。今回の「おごれる者たち」は道隆とその子供である伊周の二人を指していたのかな。

願い事を言ってから弓を射るようになった途端、弓の精度が著しく低下する伊周。
一方で願い事を賭けて射るようになった道長が精度が上がる。
この演出なかなかエグいですねえ……。我々はこれからの未来を知っているので、この未来の暗喩がまた。
道長の方が勝利するわけですからね。
調べてみると、道長にとって一番の政敵となるのがこの伊周らしいです。これはこれからの展開が楽しみ。
ここで左大臣が逝去するのが、より道隆の暴走を加速させるのかな。

なんか為時さん優しくなったよな。まひろも大人になってきて、お互いにお互いの苦労が理解できるようになってきたような。

石山寺蜻蛉日記の作者に出会うとかいう、なかなか強い展開ですね。
紫式部は、この石山寺源氏物語の着想を得たのだそうで。
「兼家との日々を日記にすることで、己の悲しみを救った」という言葉は、まひろにとってめちゃくちゃデカい金言な気がしますね。
これは道長との交流を「源氏物語」として書くことへの重要なトリガーになりそう。

道綱のせいでさわさんが……!
というちょっとしたらコメディ展開からの、疫病が流行している……という次回への導入で終了。


次回「華の影」。
予告の感じだとまひろも疫病に罹るっぽいですが、それよりも覚醒した道兼の「汚れ仕事は俺の役目だ」が。
自分の意志でその手を汚す決断をする道兼、ここにきてついにカッコいい展開なのか?