心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第16回「華の影」感想

前回の予告からすると、今回はまひろさんが疫病に罹患、道長がそこに駆けつけて……そしてそんな様子を道長の妻・倫子さんが感覚的に察知して……みたいな感じで、どうも昼ドラみたいな気配が漂っていますが。

最終的にこの二人の関係性をどう着地させるのかというのは、作品全体の一つのテーマなような気もしています。
今のところは、結局お互いにその気持ちを捨てきれないまま生きている感じ。『源氏物語』という形でまひろの気持ちは残るのだろうけど、道長の気持ちはどうなっていくのでしょうか。

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そういや前回、さわさんのメンタルが破壊されていましたね。
正直まひろさん、これだけでは意味が分からんよなあ……。「なんか分からんけど傷付けてしまった」くらいの感じでしょ、これは。

自分の話になりますが「日記を書くことで……」のくだり。
こうやって日々ブログを書いていると、実感として納得できる部分がかなり強いです。
自分の場合は日々の自分の日常を綴る部分としては、食事やゲームなどがメインですが……。それでもそうやって自分の体験を言語化することで整理される部分も多く、頭や心が少しスッキリするんですよね。
基本的にあんまり悩み事などがない人間なので、真の意味での「日記を書いて心を癒す」概念は分からない部分がありますが。

成長した帝、若い貴族を招いてちょっとした会を開きます。
将来的に自分を支えてくれる人間との交流を深めている、みたいな感じかな。

この「香炉峰の雪」のエピソード、清少納言の『枕草子』内でも書かれている有名なものだそうですね。
庭に降りてみんなで雪遊び。こういうところは帝は変わりませんな。

……なんか今日、雅な帝の暮らしパート多めですね。
兼家が世を去って、束の間の平和……みたいなことなんでしょうか。
女院となった詮子。どうもこうなると世の中とはずれ始めているのはむしろ彰子側でしょうね……。
この話を聞く限りだと、個人的には新しい在り方の方が素敵ではあります。が、一方で帝の神格という絶対的な格式も存在した時代でしょうからねえ。難しいところです……というか、実際にあんな風に、思いっきり帝と顔を合わせて宴会みたいなことはあったんですかね?

雅な暮らしという表面と、一方で内裏内で頻発する放火事件という裏面。さらに蔓延する疫病。
よく見るパターンですが、統治者は豪華で優美な暮らしをする一方で、その下の民たちは苦しむという形式。
というか、道隆はなぜ疫病対策をせずに無視していたのか……。まあこの人「藤原の家」のことしか考えていないからアレですけど。
民がどうとか全く考えていないし、帝も何もしないでただ傀儡していて欲しいってことなんだろうね、うん。

うーむ。
この疫病編、コロナ禍を彷彿とさせます。
現代と違って医療が全くない時代だから、同じ病だとしても致死率が全然違ったのでしょうね。
結構ガッツリ踏み込んでいて、なかなか観ていて辛いなこれ。人がこうやって最も簡単に命を失っていく世界。
前半の雅な帝の生活を多めに見せてきたのは、反動でこのキツさを見せつけるためだったか……。

道隆くん、クズすぎない?「放火対策が優先」というか、その対策と疫病対策は並行して行えるだろうよ……。
覚醒した道兼が超絶カッコいいですね。「俺が代わりに悲田院へ行く。汚れ仕事は俺の役目だ」ですか。
でもそれはそうと道長悲田院に来ちゃうっていう。

まひろさんも発症してしまいました。タイミング良く道長がそこにいたけど……道兼くんはどうしたんでしょうか。道長の代わりに道隆と戦うのか?
こんな形で再開する道長とまひろ。
なるほどなあ……。これ、まひろさんはまだ「生まれてきた意味」に至っていなくて、さわさんの一件なんかもありどこか自暴自棄的になり、目の前の人を助ける的な意味でインスタントな「生まれてきた意味」を埋めていたのかもしれませんね。

倫子さんのセンサーが鋭すぎる!
道長の心にもう一人女性があることを察知しつつ、それを「うふふっ」で済ませているのが怖いです。

今回を振り返ると「華の影」というタイトルは秀逸でしたね。実に雅な内裏内の「華」と、放火や疫病という「影」ですか。


次回「うつろい」。
おっと……これは早くも道隆がヤバそう?
道兼と道長がタッグを組んだことで、三兄弟の中で長兄が孤立。疫病を放置した罰が当たって道隆が病に罹るのでしょうか。