個人的な見解としては、YouTubeに挙げなくても私人逮捕はできますからね。わざわざYouTubeにアップしているという時点で動機が不純。
ということで「私人逮捕系YouTuber」のお話。
先日逮捕されたことに続き、違うYouTuberも収益化が停止、何を思ったのか私人逮捕活動継続のためにクラウドファンディングを募集し始めていて頭がクラクラしています。
別にほとんどの人が、そのYouTuberに私人逮捕を続けることを望んでいるわけでもないと思うんですけどね。
というか、そもそも本当に正義のためにやってるならYouTubeに動画上げて金稼ぎするなよっていう。結局金と、人から注目されたいっていう欲求が見え見えなのが嫌なんですよね。
誰にも言わず、動画撮影も投稿もせず黙ってやってればいい。
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私人逮捕をエンタメとして消費するなよ
まずは「私人逮捕」についてWikipediaさんで軽く読んでみます。
私人逮捕を行うには次の条件を満たす必要がある。
1. 犯人が現行犯人、準現行犯人であること(刑事訴訟法212条)
2. 30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、「当分の間」、2万円)以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合(刑法では、過失傷害罪・侮辱罪)は、犯人の住居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合(刑事訴訟法217条)。条件に該当しないにもかかわらず逮捕した場合は、逮捕・監禁罪(刑法220条前段)に問われ得る。
まあざっくりいうと、その場で犯人が確定している状態かつ逃亡する可能性がある場合……という感じになるでしょうか。
たしかにこの場に警察官などがいない場合、私人逮捕の必要性はあるかもしれませんが……。
まあ問題は、それに対するYouTuber本人達の扱い方かなと。あの人達、手段と目的とがおかしくなっていると思うんですね。
「私人逮捕するため」にカメラを回して、駅やら何やらをウロウロしているってことでしょう?
この時点でおかしな話。本来私人逮捕が行われる場面なんて緊急性が高いはずなので、カメラが回ってるのが異常なんですよね。
そもそも私人逮捕は緊急事態における「手段」であって、そのためにカメラ持って外を出歩くのがおかしい。
迷惑系YouTuberと同種な気がします。
私人逮捕の動画で味を占めると、どんどん過激になっていくというか。
自分たちの行動を正当化するように色々反論しているようですが、ほぼ全部「カメラ回す必要ないだろ」で済みますし。クラウドファンディングについても「自費でやれ」とバッサリ言われているようですし。
犯罪者を逮捕するという正義感をある種の盾にして、その裏にある本音である再生数稼ぎ、ひいては金稼ぎの部分を誤魔化して美化しているのが気持ち悪さの原因ですかね。
再生数やお金を稼ぐという行為自体は何の問題もありませんが、その手段として私人逮捕を選び、あまつさえ「正義」を利用しているという構造が非常によろしくない。
……とまあここまで文章を書いたところで、そのクラウドファンディングをしていたYouTuberが逮捕されるという出来事が起きました。笑っていいのかこれは……。
経緯としては「ネット掲示板でやり取りしていた相手に覚醒剤を持ってくるように要求→事前に110番通報しておき、持ってきたところを現行犯で逮捕する」
という、なんというか囮捜査みたいなことをしようとしていたみたいですね。そもそも囮捜査、警察官の中でも専門で対策担当の人しかやっちゃいけないっぽいんですが……当然私人がやっていいわけないっていうね。私人逮捕とか言っていますが、最低限法律とか調べてからやったら?という感じ。
結局そうやって薬物を持ってくるように要求してしまったことで、これが教唆の罪に問われているそうです。
うん、もう目的が「私人逮捕すること」になっているのでこういうことまでしてしまう。そのために犯罪行為を起こさせようとしているのだから、もうどうしようもないです。
もう周囲の声とかも聞こえないし、客観的に自分のことを見ることもできないんでしょうね。