心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

パスタの茹で方アプローチ3選

料理に関しては、相変わらずイタリアンを中心にYouTubeで動画を観ているんですが。

そうやって何人かのチャンネルを観ていると、パスタの茹で方一つ取っても全くその手法が違っていて面白いんですよ。
どれが正しくて間違っているとかではなく、それぞれがイメージするゴールが異なるのでその道筋も自然と異なっているという感じ。
これが本当に面白い。同じ材料を用意した上で、茹で方だけ変えて試してみようかなと思っています。

ということで今回は、自分が観ているYouTubeチャンネルから「異なる茹で方をするペペロンチーノ」の動画を3つ紹介してみたいなあと思います。

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小倉知巳シェフのペペロンチーノ(小倉知巳のイタリアンシェフ養成講座

まずは以前も紹介したことがある、小倉知巳シェフのチャンネルのペペロンチーノ。

小倉シェフの特徴は、ペペロンチーノに関してはギリギリまでパスタを茹でることでしょうか。
その上でパスタ全体に対する基本として、ソースを和える時は手早く短時間で。これによって、完成したパスタの温度も一般的なものよりずっと熱い状態になるでしょう。
次に紹介するペペロンチーノとは真逆の感じで、その辺りはそれぞれがイメージしている理想のペペロンチーノが全然違うからだと思います。

小倉シェフ式の場合はパスタの麺自体の味もしっかり味わうタイプかもしれない。
長めの茹で時間によって、意図的に「パスタにソースの水分を吸わせない」方法論。

イタリア人MARCOさんのペペロンチーノ(きょう何食べよ)

続けて紹介するのは、日本在住のイタリア人MARCOさんのチャンネル「きょう何食べよ」からペペロンチーノ。
これが先に紹介した小倉シェフとは全然違うアプローチになっていて、まるで別物です。

特徴的なのは、パスタをアルデンテになる3分前に茹で汁を加えたソースに移すこと。そちらで残りの3分を水分を飛ばしつつ茹でるので、小倉シェフとは正反対でパスタにソースの味が入っていくことになる。
さらにソースの中でパスタを茹でることでデンプンがソースに溶け出し、ソースの仕上がりは乳化に加えてさらにクリーミーに。
最後にもマンテカトゥーラ(フライパンを振って空気を含ませる技法)を行うため、温度も小倉シェフに比べると低いはず。

ということでやっていることを並べると結構真逆なんですよね。
小倉シェフのペペロンチーノはパスタ・ソース・オリーブオイルなどがそれぞれクリアーに出てくる印象だけど、MARCOさんの方法論では逆にそれぞれをしっかり一体化させているイメージがあります。

ゆで論ペペロンチーノ(Aosトラットリア)

最後に紹介するのは異色の茹で方。
奥田正行シェフの本「ゆで論」で紹介されている茹で方を解説している動画はいくつかあるんだけど、自分が観た中では分かりやすかったのもあってAosトラットリアさんの動画を紹介してみます。

はじめてみた時は結構大きめにカルチャーショックを受けた方法で、それは「塩分濃度2.3〜2.7%のしょっぱいお湯で茹でた後、そのパスタをお湯でゆすいで余分な塩分を抜く」というもの。さらにソースはフライパンの中では和えず、ボウルの中で軽く混ぜるだけで完成。

強い塩分濃度で茹でられたパスタは食感が変化し、弾けるような弾力を得るらしいです。
ペペロンチーノとしてみた時に、これに関してはもはや乳化なんて一切しないアプローチですね。

異なるペペロンチーノ3種類

オイルベースになるのは最後に紹介した「ゆで論ペペロンチーノ」。
一方しっかり乳化させてクリーミーに仕上げるのは「きょう何食べよ」のMARCOさん式。
小倉智巳シェフのはその間でしょうか。パスタ自体にはソースの味を入れないけれど、最後に手早くソースと合わせる過程で乳化はさせていますから。

用意するものの手間や作る難しさなどを考慮すると、個人的にはMARCOさん式が一番簡単なんじゃないかなと思います。最後はいい感じの麺の硬さになるまで、ソースの中で火を通せばいいだけだから。
ゆで論のやつも簡単ではあるけど、単純にお湯を沸かした鍋が二つ必要なのがちょっと面倒。
そして小倉シェフのやつはプロ養成講座の名に相応しく、タイトな茹で時間管理と一気にソースと絡める手際の良さが求められます。ただオイルベースと乳化ベースのいいとこ取りっぽい仕上がりにはなる印象。乳化させるといっても、その具合はサラリとして食べやすい乳化だし。

「どういうパスタを食べたいか」で茹で方を考えてもいいし、あるいはどんなソースのパスタを作るかで考えてもいいですね。気分やその日のノリで。
普段は小倉智巳シェフ式ばかり作っているので、ちょっとMARCOさん式でトロッとしたペペロンチーノ作ってみますかねえ……。