どうもバカルディ社の経営戦略により、アバフェルディの日本販売が終了するらしい。
ということでアバフェルディ12年、16年、21年の国内販売をしていたサッポロビールから、終売の発表がありました。
まあこれ、いわゆる正規輸入がなくなるってことでしょうね。
ちゃんと酒屋さんとか探せば、今後も並行輸入品を見つけること自体はできると思うので……まあそこまで心配しなくても良いような気もします。値段が今後どうなるか分からないけど、バーとかに行けば飲めると思いますしね。
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このアバフェルディ、昨年末に某YouTuberが「品薄が続く山崎に似ているウイスキー」として紹介したことが発端なのか、Amazonなどでの販売価格が突如跳ね上がっていました。
当時は自分もちょっとそれについて書いていましたが。
バーで「◯◯に似ているウイスキー」みたいな感じでマスターが提案してくれるものとは話が違うと思っていて、バーの場合その似ている中でも違いを見つけるのが楽しいわけですよ。というか、そういう楽しみ方のためにお店側も提案していると思いますし。
「山崎はなかなか手に入らないので、代わりにアバフェルディはどう?」という文脈だとちょっと嫌な気持ちになるんですよね。件のYouTuberがどういう文脈で動画発信したのかは分からないんですが、似ているウイスキーとして紹介した以上は逆説的にその両者の違い、特にアバフェルディ独自の魅力についても触れていないといけないのかなと。……動画ではその辺触れていたんですかね?
似ているとしても「山崎よりアバフェルディの方が若干麦感はありますね」みたいな感じで違いを楽しまないと、なんというかアバフェルディに失礼かなと思ってしまうのです。
……とまあ、ちょっと話が逸れましたけど。
結局そのYouTubeの動画の後から値段が高騰していたアバフェルディ。そのまま終売ということになってしまいました。
もしかしてバカルディ社なりアバフェルディ蒸留所なりの関係者が、あの動画の話を見聞きして「山崎の代わりだぁ?」みたいになった……みたいな話を一瞬想像したけど流石に考えすぎか。
でも自分がアバフェルディの関係者なら、自分が関わっているウイスキーを「別の品薄ウイスキーの代わり」として紹介されたら気分は良くないかなあとは思いました。
アバフェルディはアバフェルディとして美味いウイスキーであって、山崎は山崎でまた美味いウイスキーである。
こういう部分はちゃんと持った上で、ウイスキーを楽しみたいと。
現実的な話をすると、アバフェルディは人気のあるブレンデッドウイスキー・デュワーズのメインキーモルトのはずですから、シングルモルト・アバフェルディの生産量を減らし、その分をデュワーズの増産に回す……みたいなことなのかなとは思います。
日本人がデュワーズとアバフェルディのどちらを飲んでいるのか、要するに日本という販路において「どちらの方が売れるか」というビジネスの観点で言えば、どう考えてもデュワーズだろうしね。
色々な樽でフィニッシュをかけたバレルスムースというシリーズもどんどん増えていますし、まあそういうことなのかなと思っています。