心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

どうする家康 第9回「守るべきもの」感想

まずは本題に入る前に……。
正直自分も潜在的に意識しないようにはしていたんだろうけど、ついに前回の放送後にTwitterで「#どうする家康反省会」というハッシュタグがトレンド入りし、結構な温度で今年の大河の批判が繰り広げられているのを見て向き合わざるを得ないなあ、と思ったことがありまして。

今年の大河、昨年が非常に良かった反動もあってかストーリーや演出がめちゃくちゃ荒く見えるんですよ。
前回とかそうですが、自分の主君である家康が狙撃されて倒れた後、周囲に家臣が一人もいない(長吉はいましたけど)という普通にあり得ないことが発生している。単純に歴史考証だったりが適当な感じも多少感じます。
家康が一向一揆に対してここまで厳しく当たるに至るまでの経緯もすごく雑で、視聴者としては「なぜ寺に潜入して、空誓さんと直接会話までして現実突き付けられた上で攻撃してんの?」という感じで、家康に感情移入ができない。これが若さ故の過ちとして意図的な演出だとしたら、それをもう少し演出してくれないとダメな気もするんですがね。
……うーん、これ大丈夫かな?家康以外の登場人物を観るためにここ数話を観ている気がしている。

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本多正信に哀しき過去……。
幼き頃、武士によって大切な人達を失ったんですね。
民のためにならない主君ならば必要ないってことですか。
表向きは飄々としつつ、本当は強い信念を持っている今年の正信のあり方はすごく好きですね、やっぱり。

うーん、松平昌久と吉良さんもまた千代さんに利用されているのが。状況は思ったより複雑ですね。

家康家臣団も流石に厳しい状態。終わりが見えない戦いは士気が下がる。これは今のロシア軍にも言えそう。
家康がこの局面に至って思考停止。まあ誰も信用できないできないモードですからねこれ。

「主君が家臣を信じなければ、家臣は主君を信じません」
あるいは……。
「少しでも謀反の疑いがある家臣はことごとく斬れ」
爺さんが示した過酷な2択。松平家康は家臣を信じることを選択した。
そしてこれが家康の生涯における基本的な考え方でもあるよな。武田が滅んだ後にその旧臣を自分の家臣に組み入れるしね。

8年前の正信。
これは鬱ですわ……。幼き日に攫われた女の子が、遊女となって寺社町にいた。
絶望的な人生の中で、最後に救いを求めたのは仏様だった。本多正信の戦いの理由が重いわ……。

うーむ……。
じゃあ空誓様、家康が侵略してくるとなった時に戦わない選択肢があったのかというとない気はするんだよな。
素直に税金払うルートを選択すると、結局それまでのような民の暮らしは守れないわけだし。

三河一向一揆は和議によって終了。
三河の国から全体としての被害はかなり甚大なんじゃないかと思うんですが……。
この時の家康もまた「一度謀反を起こした家臣すら信じる」ことを選ぶ。

本多正信、根本的に「自分が間違ったことをした」とは思っていない。
「過ちを犯したのは、殿だから」
貧しい世界で生きる民の心はお前は分からない。
この時の本多正信、言っていることが完全に今川義元の教えのそれ。
一方、それには戦いの途中でとっくに気が付いていた家康だけど……それでもやるしかなかったんだね。

別れ際に正信最後のプレゼント。寺を取り潰す理由をプレゼントとして提供するんかい……。
この別れ方して、やがて重臣として戻ってくるんだもんなあ……。帰ってきた正信がどうやって再び家臣に戻るのか楽しみですわ。
再会した家康が、過ちを背負いながら進む中でちゃんと成長した様子を見て再評価するんですかね。

守るべきものを攻撃した家康。
実際、歴史的には三河一向一揆によって家康は成長したんだろうなあ……感はあるんだよな。
この時の家康、年齢としては21歳とかそのくらいのはず。これからの長い戦いの人生において、一つのターニングポイントではあったんじゃないかと思います。

やっぱり千代、武田信玄お抱えの忍びじゃねえか!!
そんな望月千代による松平家康の評価は「信長に才覚は遠く及ばず、肝も超小さいけど、本人がそれを理解している」と。
こういう人間が一番強いんだよな。自分の能力を正しく理解できている人間は成長できる。ソクラテスの「無知の知」に似た感じがあるな。

今回はがっつり本多正信が主役でしたね。
やっぱりいいですなあ、松山ケンイチの正信……。

次回「側室をどうする!」
おーう、瀬名さんが「殿の側室になってくれ」っていうのは良いですね。
ドラマ的にはどうも正室は側室に対して攻撃的になりがちですが、本来の形は多分これだから。家を守るために側室を抱えるのは普通の時代だし、正室と側室がめっちゃ仲良いみたいな平和な世界が見たかったりします。