心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

どうする家康 第5回「瀬名奪還作戦」感想

ここまでの各話タイトルを見返してみて思ったんだけど、今年の大河はそういう細かいところまで含めて分かりやすさというのをテーマの一つに抱えているような気がします。タイトルは本当に、その回を分かりやすく表現しているなあと。

今週は服部半蔵の紹介的な部分もありそうな回。
半蔵といえば忍者と思われがちですが、あの人基本的には武士側よね、本来。得意武器も槍だし。
徐々に後々まで家康を支え続ける人物が登場していく過程、結構楽しいですな。

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今川との戦いを決意した元康ではあるが、実際に攻めるに攻められない状況。
なかなかややこしい状態ですなこれ。元康としては妻と子を取り戻すために戦いを決意したものの、その妻と子は実質的に今川の人質。
当然ながら真っ当に攻め込めば、順調にいったとしても妻と子の命は助からない可能性の方が高い、と。

元康家臣団もどうすればいいか分からない中、大久保忠世が口に出した名前は「本多正信」。
めちゃくちゃ評判悪すぎて笑うわ……。
うーん、とはいえ実際に出てきた本多正信、個人的にはむしろ信用できるタイプの人間ですよ。裏表がないというか、ハッキリモノを言うタイプ。
むしろ今まで自分のことをちゃんと評価してくれる人に出会えなかったことが、彼を歪めてしまっていたりする……?

服部党。かつては祖父・松平清康に仕えた集団だが、今の代の当主である服部半蔵正成は落ちぶれていました。
おっ、服部半蔵は傭兵集団としての忍びのあり方に疑問を抱えていた。金のために生きるのが嫌という、誰よりも武士であることを目指す男。
武士として忍びの仕事をする。これは実際の服部半蔵に繋がっている描き方でいいですね。
散っていた服部党の人間が一瞬で集まった。モチベーションは低いながらも、忠誠心自体はまだ高いんでしょうかね。

駿河に潜入している服部党、普通に潜入工作決めてるなあ……。やっぱり腕は落ちていない?
かと思えば海岸で酒盛りしていて、まるで獣だわ……と思いきや忍びの仕事は完全にしていてやっぱり優秀。
服部半蔵はそんな自分の部下が嫌いだったのか……。まあ「武士」からは程遠い姿ではあるもんな。これは将来この服部党の人間たちも、武士らしくなっていくのかね。

瀬名の親父が現実見えているのがいいなあ……。
実際にはこの後の関口殿の動向がはっきりしていないみたいですね。

武士としての名誉ある生き方を望んできた半蔵の忍術スキルが低下している一方、逆に生きるためになんでもしてきた服部党の者たちの忍術スキルが現役のままっていうのが悲しい対比。

大河ドラマでここまで忍者の活躍をはっきり描いているシーンを見たのは初めてかもしれない。
というか完全にカウンターを喰らって敗北した服部党。服部党の言う「金のため」が、そのまま自分達の子供や妻のためだと言うことを聞いた半蔵もこれで覚醒か。今回みたいな服部半蔵の描き方自体が結構好きなのでたまらんものがあります。一度終わってしまった人間が再び立ち上がる話は好きなんだよね……。
どこかで自分が見下していた服部党の人間こそが、実はどこかに武士らしい心を持っていた。いまだ迷いの中にいる半蔵、その目覚めは次回かな?


次回「続・瀬名奪還作戦」。
一度目の瀬名奪還作戦は失敗。
本多正信服部半蔵の放つ二の矢。それは上ノ郷城攻めに乗じて、鵜殿長照の子供を盗み出すこと。
ここは史実通りにいきそうだけど、上ノ郷城攻略戦全体をどう描いてくるのかが楽しみですね。