心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

どうする家康 第8回「三河一揆でどうする!」感想

さて、三河一向一揆です。おそらく若き日の家康にとって本当に苦しかった戦いのはず。

何が苦しかったって、結構な人数の家臣が一向一揆側に付いたことです。
当時の宗教勢力の強さは本当に凄まじく、宗教儀礼によって武家・公家から得られる収入。それでいて武士には納税をしない。そして門徒は利害ではなく信仰で戦うので士気が高すぎる上にゲリラしてくる。
だからこそ織田信長は、比叡山しかり石山本願寺しかり、宗教勢力と徹底的に戦ったわけですね。当時の宗教勢力が持つ危険性に気が付いていたからでしょう。

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いきなり過去編からスタートかな?
若き日にみっちり孔子を学んでいたのに、そして今川義元からとても大事なことを学んでいたのに……一向宗に対するその姿勢は、明らかのその教えから逸脱したものになっているように思います。
まあ今川義元が言いたかったこの国の、天下の主とは「そこに生きる民」でしょうなあ……。

今のところ空誓さんの方が主人公ムーブしてるんだよなあ。
弱き民のために戦う僧侶と、弱き民から金を奪い取ろうとする家康っていうね。
あと先週は書かなかったけど、千代さん明らかに怪しいんですよね。Twitterでも先週話題になったけど、これ多分武田の間者・望月千代女だと思う。

さて、松平家臣の一部は普通に一向宗勢力にくっ付く。
そうなんですよね。本人が信者ではなくても、その身内に一向宗門徒がいたら戦いたくないよな。
そして根本的に「寺を攻撃する」という行動自体が躊躇われます。
はじめにも書いたけど、当時の宗教勢力と現在のそれとは全く違うものという認識を持って観ないとダメですね。

一向宗側、鉄砲まで用意済み。投石もしてくるし、普通に城を守るのが上手い。
この「死ねば極楽往生」という教えが圧倒的に強すぎるんですよね。金や土地のために戦うのでもない。1シーンでザッと説明されたけど、この辺りが「一向宗が軍事的に強い」全てな感じはある。
そして完全に向こうの軍師、本多正信ですねえ……。

「この国の主はわしじゃ」なんて言ってしまう家康。若さというかなんというか。
「人は城、人は石垣、人は堀……」という武田信玄の言葉が沁みますねえ。

おっ、吉良義昭と松平昌久。暗躍していたか……。
というかゴリゴリに謀反発生しているし、当時の三河は全然安定していなかったんだなあ。

家康くん疑心暗鬼モード。
半蔵が全然いねえと思ったら普通に家にいた。

うーん。千代さんの調略能力がエグすぎる。完全にこれ忍びだよ。
吉良の忍び……ではないんだよなどう考えても。三河内乱を引き起こして、内側から崩そうとする“隣国”の忍びだよね……。

今年の大河はやっぱりスーパー忍び大戦になりそうな気配がすごいのよね。なんといっても服部半蔵の動くシーンに対する力の入れ方が強いし、この辺は今後も楽しみポイントですよね。

いよいよ自ら出陣した家康。軽く闇堕ちしてない?
そして家康に当たり前のように銃を撃ち込める一向宗の軍師。
失った意識の中で、今川義元の「民全てがこの国の主である」という教えを思い出す家康。しかし今年の大河の今川義元、スーパー完成された為政者ですね。
「民に見放された時こそ、我らは死ぬのじゃ」
今の家康はその民に見放されつつある。
冒頭のあれは過去編ではなく、この瞬間の話だったんですな。

家康を守るために長吉が命を失ってしまいました。
「まだ裏切り者がいる」ということを伝えて逝去。こうなるともう誰も信じられねえ……。
いや、まあ言うてこの状況を招いたのが家康自身なんですがね。

服部半蔵が家康に伝えた「空誓の軍師」。
それは本多正信だった……。
家康の頭に向かって銃をぶっ放すことができるほどの覚悟ですからね。やっぱり今までの正信と違って、この民の側に立つ熱い想いこそが正信の本質なのかもしれない。


次回「守るべきもの」。
今回で家康の心は何かが変わったはず。
これから“民”とどうやって向き合うのか……。