心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【ウイスキー】アバフェルディ、山崎に似てますかね?

先日当ブログでも取り上げた、サントリーウイスキー値上げのニュース。
その影響なのか分かりませんが、先日Twitterでは「アバフェルディが山崎NAに味が似ている」という話題でちょっと話題になっていました。まあ厳密には「似ているっていう話が出てきてるけど全然似てなくない?」という話で、ですが。

値上げ後の山崎ノンエイジ、実に7000円。
今ササっとググったところ、アバフェルディ12年は4000円でお釣りがくるほどリーズナブル(直後に話題に上がったせいか、通販サイトでの値段が一気に上がってしまいましたけどね)。
これを考えると、日常的に山崎を飲んでいたような人はアバフェルディに光明を見出す気持ち、分からないでもないですが……。

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そもそも似てますか?

どうもことの発端は、ウイスキーを紹介しているYouTuber(申し訳ないことに存じ上げない方でしたが)が、アバフェルディを山崎に似たウイスキーとして取り上げたことっぽい。

個人的な見解としてはこの2つは「そもそも似ていない」と思っています。Twitterで多くの人が反応していたのと同じ見解ですね。
まずアバフェルディ。こちらの蒸留所では基本的にバーボン樽を用いて熟成させます。
一方で山崎。こちらはノンエイジの場合ワイン樽・ミズナラ樽熟成の原酒をブレンドして作られています。
根本的な話として、熟成に使われる樽が全然異なっているので、出てくるエッセンスも違います。

アバフェルディの抱えるモルティなイメージは山崎にはないし、一方で山崎の持つスパイシー感はアバフェルディには感じられません。どうもアバフェルディの「フルーティ」と、山崎の「スパイシー」がごっちゃになっているような気が……。
ミズナラ樽から来るであろう蜂蜜感、ワイン樽から来るビターさ……その辺をアバフェルディと似通ったテクスチャーとしているのかもしれませんが、味全体でいうとその辺は枝葉の部分というかなんというか。
まず口に含んだ瞬間に全然違うと思うんですけどね。
「似ている部分もある」って話ならまあ分かるんですが「似ている」って文脈で言われるとちょっと疑問符が浮かびます。

純粋にアバフェルディコスパに優れた佳酒として楽しもうや

で、個人的には「高騰する山崎の代替」みたいな感じでアバフェルディを取り上げているのだとしたらちょっとやめて欲しいかなあという感じ。


以前書いたアバフェルディ12年のテイスティングノート(というのもおこがましいですが……)がこちら。
まったり系の甘さと麦感が特徴的ですね。そしてこういったコンテンツ、山崎にはないと思うんですけど……うーん。

アバフェルディ、強い個性はないがスムースで飲みやすく、蜂蜜っぽいスイートさがあります。
何よりクセがなく、値段もお手頃なのでウイスキー初心者にも勧めやすい上、そのまま飲んでもハイボールなどにして飲んでも美味いという素敵なウイスキーなんですね。

正直熟成年数の差もあるので、あくまでも個人的な意見としてはアバフェルディ12年の方が、山崎ノンエイジよりも完成度が高いというか美味しいというか。
「山崎ノンエイジの代替品」としてではなく純粋にアバフェルディの方を積極的に選択しますね、自分なら。値段も圧倒的にお手頃ってなればもう完全にアバフェルディ

そもそも山崎は山崎だし、アバフェルディアバフェルディ。「違うもの」です。
「どうしても山崎が飲みたい」って人が仕方なく代わりにアバフェルディを購入したとして、それで満足できるかというと結構疑問です……まあその結果「アバフェルディも美味いやん!」となって、ウイスキーの見聞が広がるのならいいですがね。