心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

ウイスキーを飲み続けるとロックにしなくなる

どうも自分だけではなさそうなので、ウイスキーを本格的に飲むようになって起きた変化について書きます。
まあタイトルの通り「ロックで飲まなくなる」というお話。

氷だけを入れてウイスキーを飲むスタイル。
程よく冷えること、時間が経つにつれて氷が溶け程よく飲みやすくなる一方で、同時に水割りやソーダ割りと違ってアルコールのしっかり感も楽しめること、あとなんとなくカッコいい……みたいな感じで、とりあえずロックで飲むようなことは多かったんですが……ウイスキーをちゃんと味わうようになってから激減しました。
たまにロックで飲みたくなる時はあるんですが、結構ウイスキーの銘柄の方がその飲み方を選ぶ感じがする。

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「ロックが美味い!」というウイスキーは少ないと思う

もちろん「ロックでも美味い」ウイスキーはたくさんあるんですが、一方で突き詰めた時「ロックが一番美味い」ウイスキーはかなり少ないような気がしています。

前提として氷によってウイスキーが冷えると、基本的にはせっかくの香りが出てきにくくなります。
さらに加水は程度が過ぎるとウイスキー自体の味わいのバランスを崩しかねない上、シェリー樽系ウイスキーは加水するとゴムや硫黄のようなネガティヴな要素が顔を出す銘柄も多いです。

総合的に、ロックという飲み方が要求するバランスが実はかなり繊細だということが分かってきます。
ロックではイマイチでも、いっそハイボールのようにしっかりソーダで加水する方が美味いウイスキーも沢山あるんですよね。

ストレートやハイボールなど、他の飲み方が最適解だと分かっているようなウイスキーをわざわざロックで飲むのはもったいなく感じるようになりました。
もちろん他の人がロックで飲む分には何も言いませんけどね。

個人的にロックでおすすめウイスキー

とはいえ、数少ないながらもこれまで飲んできた中で「ロックが美味いなあ」と思ったウイスキーもいくつかありますのでご紹介。

クライヌリッシュ14年

まずイチオシしたいのがクライヌリッシュ。クライヌリッシュに関してはどんな飲み方でも美味しいですが、その中でもロックという飲み方を推したい銘柄。

オフィシャルのクライヌリッシュ14年は持っているコンテンツ量がとにかく膨大で、そのことを指して「スコッチのあらゆる要素を持っている」なんて言われることもあります。一度飲んでみると、味も香りもその通りだなあと思う。

ただし一方でその密度が高過ぎるというか。色々な要素がありすぎて、逆にストレートだと拾えなかったりするんですね。
そこでロック。時間が経つにつれてウイスキーも冷え、氷が溶けて加水されていく中で「飲み始めには隠れていた要素」が顔を出してきたりして実に楽しい。

クライヌリッシュが持つ密度を、ロックという時間変化によって温度と加水率が変化していく飲み方にすることで解きながら楽しむイメージ。コンテンツ力がめちゃくちゃ高いからこそ、ロックで1杯飲む間にスコッチの様々なエッセンスが楽しめるのがクライヌリッシュだと思います。

山崎12年

ここは賛否両論ありそうですが、個人的には山崎12年はロックをお勧めしたいところ。

やはり山崎12年、ノンエイジなどに比べると熟成年数もあるので重厚、さらに甘さも強い銘柄。シェリー樽由来の甘さと同時に、その余韻も長くどっしりとした印象。
これこそが美味さなわけですが、一方でストレートで飲むと若干甘すぎる、重たすぎると感じるのが自分。なんと言いますか、飲み疲れする感じがあります。

そこでロック。
氷が溶けて加水が進むにつれ、香りは甘さの中から花のような華やかさが出てきます。
味の方も甘さが少し抑えられると同時に、シェリー樽由来なのか微かなスパイスのような感じが顔を出してくる。

自分のようにストレートだと甘すぎると感じる人の場合、ロックにすることで飲みやすくなりつつ、さらに甘さ以外のコンテンツも出てきて楽しめるんじゃないかと思います。