心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

伊藤商店で朝ラーメン

平日は6:45にアラームをセットして起きているんですが、この前の日曜日はそれより遥かに早い6時頃にバキッと目覚めてしまい、二度寝するようなテンションでもありません。
普通にお腹も空いているし、涼しくなってきてちょっと行動力も増加中。

ということで朝から駅前に出撃、仙台朝市でラーメンを食べてみました。いわゆる「朝ラー」ってやつですな。

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夜は居酒屋・ぼんてん漁港となる店舗ですが、朝〜昼の間はラーメン屋・伊藤商店となるお店。朝は7時から営業していて、自分が入店したのは7時をわずかに過ぎたくらいの開店したばかりのはずですが既にお客さんが5人ほど。
店内は基本的に居酒屋なので、テーブルには飲み放題用のセルフサーバーが備え付け。カウンター席に座ったので、目の前には焼酎やリキュール類の瓶が並んでいました。

今回食べたのは「朝ラー」600円。
見た目通りのスッキリとした味わい。ですが、むしろ味としてはしっかり。個人的には朝から食べると「気持ちしょっぱいかな?」と思うくらいです。
結構ダシは複雑なんでしょうかね、これ。魚介全開かと思いきや節系が強く主張するわけでもなく、なんか他の動物系のダシも入っているのか。少し貝っぽいニュアンスも個人的には感じましたが……どうなんでしょうか?かなり美味しかったですが、ラーメンのダシ素人からはその実態が掴みきれません。かなりこだわってるんやろなあ……。

麺は加水量の多い太めのちぢれ麺。この辺は元来朝ラーメン文化のある喜多方ラーメンの流れでしょうか。
滑らかな舌触りのいい麺、スープとの相性も良好です。

写真では海苔の背後に隠れていますが、具材は海苔・ほうれん草の他にもメンマ・ネギ・チャーシューが入っています。
このチャーシューが美味い。小ぶりですが分厚く食べ応えがあり、それでいて柔らかいので食べやすいです。これは良いチャーシュー。
あと意外とほうれん草がいい仕事をします。先に書いたように「朝食べるにしてはわずかにしょっぱい?」くらいの感覚だったので、そこに箸休め的に入るほうれん草が助かる。

ボリュームも結構あって、朝というか昼ごはんで食べても普通に満たされるレベル。
これで600円なら大満足も大満足。昨今の原材料費高騰の煽りを受け閉店ラッシュが続いているらしいラーメン屋業界。そもそも値上げも仕方ない中での、朝限定とはいえこのラーメンが600円は安すぎませんか……というクオリティと量です。
うーん、美味かった。これは下手すると平日も、仕事前にラーメン1杯とかありますよね。


ちょっと余談として、ラーメン業界について思うことを少々。前述の通り、現在ラーメン屋の閉店が続いているようです。
世間の人々の給料が上がっているわけでもないのに、電気代や物価上昇の煽りを受けてラーメンの単価を上げざるを得ない状況。仙台でも1杯1000円前後のラーメンは散見されるようになった感はありますが、そもそもラーメン店という業態が薄利多売のモデルだと思っているので……単価を上げたら客足が遠のいて潰れてしまうという、割と今の状況は詰みに近い感じだと思っているんですよね、残念ながら。
まあ前提として、そんな社会情勢のせいってのはそれはそうなんですが。なぜうちの政府はここまで意地になって減税しないんですかね。うちの政府っていうか財務省だとは思うんですが。

まあそれとは別の話として、そもそもラーメン屋さんが多すぎる気もするんですよ。Googleマップで「ラーメン屋」で検索かけるだけで、結構な密度でラーメン屋が存在していることがよく分かります。
店主がラーメン屋やりたいという思いで開いたならそれはもう仕方がないですが、ラーメン屋で社会的に成功しようと思って開いたなら飛び込む海がレッドオーシャンすぎる。あまりにライバルが多すぎるので、オープン前から相当ガチで戦略立ててから仕掛けないと他のラーメン屋さんに勝つことなんてほとんどないでしょ、これ。
ラーメン屋で「ビジネス的に」成功できるの、本当に一握りだと思いますよ。

一方で1000円を超えるようなラーメンでも、人気を博し成功しているタイプのラーメン屋さんも確かにあります。
ここまでくると単純に「その金額を払うだけのラーメンが出てくる」という納得感が全てで(これはラーメンそのものだけではなく、店内の雰囲気とかサービスとか総合的にね)、すごく雑に言うと「その金額取るだけのラーメン屋じゃない」から閉店となったラーメン屋さんもそれなりにあるんじゃないかなって。遅かれ早かれ……なお店が、現在の物価上昇でその終焉が早まっただけなラーメン屋もないとは言えない気がします。
我々一般人からすればラーメン屋さんの経営的な内情は可視化されませんから。ラーメン屋も厳しいでしょうが、そこで食べるお客さんも厳しくなりつつあるのが現在です。根源的にはラーメンに限らず、値段に見合うだけ美味くて居心地良ければ食うってだけで。
「高くても食べる」って結構すごいことなんだよね。

この辺はここ1年強でしょうか、色々とバーを巡って思うことでもあります。
ただでさえ単価の高いバー。お酒のクオリティだけではなくチャームのクオリティ、お店の雰囲気、マスターの人柄など総合的に感じて、トータルで作られるそのバーという空間と、それに支払った金額とで割と(潜在的に)シビアに見ることになります。
当然ラーメンの場合そこまでシビアにはなりませんが、それでも一般人が普段の食事として1食1000円近く支払ってラーメン1杯を食べるわけです。決して安くはないんですよね、普通の感覚で1000円という金額は。
「そもそも日本は外食産業の価格が安すぎる」という論法も事実だとは思いますが、釣り合うように収入が増えるように景気回復が起きていないんだからそれを語っても意味はない気がします。取ってつけたように最低賃金を上げるような話をしていますが、ただ最低賃金上げるだけだと雇う側が厳しくなって結局破綻するっていうのは韓国で過去に実証済みで、過去に何度かこのブログでも「ただ最低賃金を上げるだけの危険性」については何度か触れてきています。

ラーメン屋さんの生存戦略としては、頑張って物価高に対応して商品価格の上がり幅を抑えるか、逆に高額でも食べた人が納得するラーメンを提供するかで二極化していくイメージ。
前者ができるのは大手のチェーン店みたいに企業として体力がある場合だけだし、後者はマジで美味いラーメンを提供しているようなお店だけ。
ビジネス的な意味でもこだわり的な意味でも、どちらにも振り切れないようなラーメン屋さんとかは保たなくて閉店……みたいな流れかなあと。正直まだ閉店ラッシュは続くんじゃないかなと思っています、ちょっと悲しいですけどね。