心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「バカと無知」は自戒を込めて多くの人が読んだ方がいい

ここまで丁寧にダニング=クルーガー効果について書籍内で説明されると、なかなかやべえ空気感が出る……ベストセラー「バカと無知」を今更ながらご紹介。

この本を読んで「自分は大丈夫か……?」と不安になるような人は多分大丈夫で、読んだ時に自分は当てはまらないと思って笑い飛ばすような人は多分重症じゃないでしょうかね。
改めて自己客観する能力の重要性を感じましたな。

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まずダニング=クルーガー効果について簡単に書きます。
これは「頭が悪い人は自分の能力を過大評価する傾向がある」というもの。すごく辛辣に書くと、バカはバカなので自分の能力を正しく評価することができない。加えて人間は社会的動物なため役に立たない個体はグループから追い出されるため、生存本能やら何やらが絡んで実際の低い能力よりも高く見積もる……的なものです。
人生の悲哀を感じますね(朝昇)。

逆に賢い人は自分の能力を低く見る傾向があって、これまた社会的動物が故の現象。
突出した能力を持っている人間は集団内で注目されます。それはリーダーシップとして発揮されたり、周囲から頼られる存在になる効果もある一方で敵を産みやすい。それこそ先に書いた頭の悪いグループからは、関係が拗れるとわけわからん攻撃を受ける可能性もあります。
「能ある鷹は爪を隠す」ってやつっス(鯱山十蔵)。

ダニング=クルーガー効果自体は知っていても、今回紹介する「バカと無知」のように分かりやすく、かつはっきりとその効果について説明されていると実に突き刺さります。
刃牙の登場人物・ゲバルのように「虚勢を張らず威嚇をしない」「かといって思い上がってもいない」ような人間性に少しでも近付いていかないといかんなあ、と思うわけです。正直なところ、自分はやや思い上がる傾向があるので要注意。

ダニング=クルーガー効果に絞って今回は感想を書いたけど、他にも人間が人間でいるゆえに発生する問題点なども取り上げられています。
中には刺激的な内容もあって、どこか優生思想的な部分も見え隠れして読む人によっては少し気分が悪くなるかもしれない。

それでも前提として、この本で書かれていることを頭に入れておくだけで生きるのは楽になるんじゃないかなあ……感はあります。
ある種「まあ人間ですからね、仕方ないですね」みたいな感じで、諦念できるかなと。世の中に対する視座がちょっとだけ高くなって、普段イライラしがちな人とかは少し穏やかになれる可能性はありますね。
ダニング=クルーガー効果だって、根本的な話をしてしまうとそもそも人間は「そういうもの」だと受け入れるしかないわけで。

ボリュームもそこまで多くなく、比較的読みやすい新書だと思います。
書かれている内容はそこそこ辛辣ですが、一回は読んでおいた方がいいかな、と思う本ですね。