心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

どうする家康 第11回「信玄との密約」感想

先日書きましたが、おそらく今回で今年の大河視聴は最後になると思われます。
一応今日の回まで見ようと思ったのは、今回が曳馬城攻防戦だからですね。女城主・お田鶴の回だと思われるので。

ところでなんですが。
今年の大河では「引間城」表記で、実際この呼び方もあるようなんだけど……「曳馬城」表記の方が一般的じゃないのかな?近年の研究で変わったんですかね。

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とりあえず三河平定。
松平家が源氏の末裔である正当性がないと、朝廷から官位をもらえません。
ということで必死こいて史料探し……。
へえ……「得川」という源氏の血筋があったんですな。源氏の正当性があっても、さらに金が必要!
……でまあスムーズに、三河守・徳川家康が誕生しました。
官位をもらうのは「民のため」。民のために金を使うと。

時は10年前。
瀬名と田鶴さんの仲良し時代……なんだけど、10年前だと子役の時代でもいいんじゃないの?
この椿の花、何かしらのキーワードっぽいですな。
仲直りしたい瀬名。
しかし田鶴さんはとっくに覚悟を決めておりました。この人は完全に今川に忠誠度100なのね。

織田信長、上洛宣言。
そういや足利義輝、既に死んでましたね。織田信長足利義昭の援護で忙しい。
そうなると武田信玄の今川領進出を防ぐのは、徳川家康のお仕事ってことですな。

なかなか引間城を巡る状況は複雑ですな。
まず武田に狙われている。それを防ぐために徳川は先手を打って引間城を抑えたい。
だけどその引間城主・田鶴さんは別の想いを持って立っていますからね……。

自身が出家していて頭を丸めているから、それを利用して会談そのものが奇襲の武田信玄
完全に格の違いを見せつけてますねえ……。今川領に関しては、互いに切り取った分をそのまま入手すると。この出来高制システムだと、早い者勝ちだからやるしかないと。
このシーン、信玄が出てきてから信玄しか喋ってないのが良いですね。

そして場面が変わるとすぐに信玄の今川侵攻開始。
マジで1話の中に詰め込みすぎなんよなあ……。

引間城のお田鶴様、ジャンヌ・ダルク感ありますね。
なんか誰よりも武士やってますねこの女性。今川を裏切ってまで「生き残ること」なんてさらさら考えてないと思われるので、瀬名さんがそういうアプローチの手紙を書いたところで通らないんだよなあ。

そういや武田信玄、侵略した土地では当たり前のように略奪を認めていたそうですな。
その略奪自体をある種の報酬としていたようで、これ初めて読んだ時に勝手に人格者・武田信玄として構築していたイメージを考え直すハメになったのは……少し前の話。
戦で攻める時の基本ではあるんですよね、うん。攻めた先で物資を補給するのは効率良いんだよなあ……。モラル的にはともかく。

そういやこの田鶴さんの今川への、信仰に近い忠誠心はなんなんだろう。
手紙で過去の楽しかった頃を書き連ねていても、それが“今”この絶望的な状況になってもなお心を曲げない理由としてはなんか弱いんですよね。一応分からなくはないんだけど。そもそもその回想シーンの部分、ここまでの本編で多少触れとけよっていう。
いっそこれなら、明確に今川氏真への恋慕とかに話を確定させてしまっていただいた方が分かりやすいんだけど。今回の話に至るまでの過程で、田鶴さんの心理描写があまりなかったので気持ちが汲み取りきれない。
「あの頃の幸せな日々を取り戻す」としても、それは今川義元が亡くなり、後釜の今川氏真があれでは無理なのよね……。

お田鶴様、自ら城に火を放ち打って出る。
椿に憧れるのは「世に流されず、己を貫いているから」。
この理由もあんまりよく分からんなあ。「今川を裏切ること=世に流されること」だとしたら、思考回路が安直過ぎませんかねえ……。


次回「氏真」。
次回はここにきてやっと氏真の掘り下げが行われるっぽくて多少面白そうなんだけど、はじめに書いたように多分見ないかなあ……。

自分の中では最後になりそうだし、色々書こうかな。
今回の話でもそうだったけど、一つのコンテンツに対して処理が早過ぎるんですよ。
今回の1話だけで何が起きたかというと、家康が徳川に改姓、三河守の叙任を受け、信長は上洛。今川領侵攻を目論む信玄と家康が出会うと、直後に信玄は今川侵攻を開始。反応するように徳川も今川攻略を開始。信玄は駿府城を攻略、家康も引間城を落とした。
うん、詰め込みすぎなのよねこれは。じゃあ先週の側室選び回を丸ごとカットして、そちらで信玄との密約+田鶴さんが絶対徳川につかないぞっていう仕込み。そして今回を武田信玄による今川領侵攻+引間城攻略とかでよかったのでは?と。

こればっかりは今回の脚本家の方法論なのでもはや修正できないと思います。1話1話で起承転結が完結するタイプのドラマの名手に大河ドラマの脚本を書かせるとこうなるってことなんでしょうね。
根本的な話として、45分の中で起承転結済ませようとするやり方と大河ドラマの相性がやっぱり悪過ぎると思います、自分はね。