心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

鎌倉殿の13人 第42回「夢のゆくえ」感想

もうタイトルがちょっと悲しい意味にしか見えないというね。
源実朝の「夢」。歴史的にはそれは成就しないどころか、実朝は悲劇的な最期を迎えることも視聴者側としては知っているのがまあ辛い。

夢は所詮夢、みたいな結末を迎えるわけだけど、そこに至るまでに主人公・北条義時がめちゃくちゃ悪なのが。
残りの話数もあとわずか。「義時がなぜここまでするのか」は徐々に作中で明らかになるのかどうか……。

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上皇様は代々源氏将軍の夢に介入する能力を持っているのか。「私だよ、上皇様だよ!」は自分で言う言葉じゃねえと思うんですが……。
「北条から鎌倉を取り戻す」ために、北条泰時を召喚する実朝。うーん、これ自体は割と鋭い一手という感じはあるけど、義時の神経逆撫でするよなあ……。

能動的に政治に介入していく源実朝
覚醒した実朝に合わせて、泰時も覚醒。

というかここまで執権ではなかったのね、義時。
結局実朝や泰時なりに色々考えて頑張ってはみても、長いこと場数と経験を積んできた義時からすれば甘すぎる政治判断ってことですね。
「周りの者にもっとしっかりしろって言ってんだよ」は、義時なりの泰時への叱咤ってところか。

頼朝と結ばれた時点で、人並みの人生を望むべくもない、ですか。
ここにきて北条政子も覚醒……するのかな?

この実朝による宋へ向かう船建造、実際に完成させはしたものの海に浮かぶことはなく、そのまま浜で朽ちたとか。
どうも陳和卿の考える船の設計図がガバガバというか、実際に浮かぶ船を建造した経験なさそうな感じだなあ……。

まあこんな船作り、御家人からすりゃ「なんですかこの出費」って話だよな。
徳とか、想いとか。それこそ「夢」。
正直自分も御家人側の立場なら、船の建造は止めて欲しいと思うかなと。

船を作るのか、その建造を止めるのか。
それを決めるのは政子。やはりここにきて政子の覚醒が描かれそう。

この船が八田殿にとっても「夢」だったのが切ないな、これ。
設計図をちょっと書き換えることで、重すぎる船は出航すること能わず。これは義時くんの計略が狡猾ですねえ……。この書き換えるだけで目的を達するやつ、古畑任三郎石坂浩二が真犯人の回を思い出しますな。

「鎌倉殿は武士の頂に立つ者」って北条義時が言ってんのが本当にコイツ……感がある。
その武士の頂を蔑ろにしているのが北条義時じゃねえかよっていうね。
覚醒した北条政子北条泰時が義時を潰しにかかる。

後鳥羽上皇からの計略なのは事実だけど、ドラマの展開の限り源実朝をそれに引っ張られることになる要因を作ったのは義時にしか見えないんだよねえ……。


次回「資格と死角」。
将軍たるサーティフィケーションと、その次の将軍の決める政争の中のブラインドスポット……って感じかな。
船で宋へ渡るという「夢」は潰えたが、まだ実朝は折れてはいない。それを支える政子と泰時がいる……。
そんな中で、背後で真に鎌倉を守るべく仲章との戦いに挑む義時って感じでしょうかね。