心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

青天を衝け 第16回「恩人暗殺」感想

今週は内容的にはすごく重い回になるはず。

史実ではどうなのか分からないけど、少なくとも本作において、平岡円四郎がいなければ渋沢栄一はとっくに終わってたはず。
そんな人物を失う時、渋沢栄一にも徳川慶喜にも重大なダメージがあるわけで……。

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この栄一たちの「昔の仲間を集める」がスムーズに行くと思ってるのがやばくねえ?自分たちは今そんな仲間たちを裏切ってるポジションだと思うんですがそれは。

「侍は、米も金も生むことができねえ」
これを侍である平岡円四郎が言うんだからかっこいいのよ。侍であるというプライドに縛られたりせず、ちゃんと現実の中で侍している男。
しかしオープニング前に既に遺言っぽいやりとりたっぷりやっちまったなあ。「お前はお前らしく生きろ」とかさ。侍である前に渋沢栄一であるのだと。

このタイミングで水戸騒乱。
藤田東湖の息子の暴走で随分ややこしいことになっているようで。水戸藩の内乱が起きてたんだね、この時期。
単純に「天狗党」ってかっけえ名前ですな。
大義もなく規律もない。まあ尾高の家がいくら攘夷思想でも、これに同調はできんわな。
つーか結果的に尾高の男みんないなくなってしまいましたよ。なんも知らないお母さんからしたら、攘夷という思想のせいで……感はあるかも。

おっ!池田屋事件
新撰組というと個人的にその剣術に興味があって、突きが主体だったから室内戦で強かったとか読み聞きした記憶がある。刀を振り回せない狭い場所、それこそ池田屋事件などで活躍したのはそういうこととかなんとか。
んで土方強ェ!!天然理心流だっけ?

水戸藩としては慶喜への信頼は絶対。
だから一橋がおかしなことすると、慶喜へ変なこと吹き込んでる平岡円四郎が悪ってことになるんですね。

……よく一橋家臣という立場でかつての攘夷仲間をスカウトしに行けたねしかし。
普通にこの場で斬り捨てられてもおかしくないよねこれ。
一橋を倒して攘夷を成すのではなく、一橋と共に攘夷を成すという論理を説明しろよ……まあ説明しても納得しないだろうけど。
というか本当にこの場に来るまで予想できなかったの?栄一は。楽天的すぎるというか、自分たちが何してるのか客観的に分かってないというか。

親父がのお手紙で「今帰ってくるのはマジでヤバいよ」っていう。
ちょっと今週の栄一が終始らしくねえなあ。割と理論的に動ける人だったと思うんですが、どうしても家に帰りてえとか昔の仲間をそのままスカウトできると思ってたりとか。

徳川慶喜、自分への評価めちゃ低いっすね。
ずっと父親から期待され、その後も周囲の人から常に期待され。
「謹厳実直に天子様をお支えしたい」が、できそうでできないことだから。それがなんだかできそうってだけで輝きよ、慶喜


今年の大河さあ、井伊直弼の時もそうだったけど人が死ぬシーンをめちゃくちゃ重厚に描いてくるよね。普段軽いノリのパートも多いからこそすげえ心に突き刺さってくる。
水戸藩の暴走した奴らによって命を奪われた平岡。徳川慶喜の出自も込みで考えた時に、これ感情も理性もわけわからんことになってそう。


次回「篤太夫、涙の帰京」。
西郷さんが武装してたり、栄一が奥さんと再開できてたり、次回もかなり盛り沢山なシリアス回になりそう。
死して後、栄一に何を遺すのか。