心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

青天を衝け 第12回「栄一の旅立ち」感想

一応今回の話は多少知っていて、というか調べてしまっていて、おそらく「そんなん無駄死にだろうが!」と自分が止めた長七郎に今週は自分が止められる栄一でしょうな。

渋沢栄一伝 (岩波文庫)

渋沢栄一伝 (岩波文庫)

母親も録画して観てるんだけど、なかなかエグい視聴をしていまして……渋沢栄一パート全部早送りして、徳川慶喜とか江戸幕府パートだけ観てるんですよね。
そんなうちの母親もそろそろ渋沢パートも観始めるでしょうか。そろそろ栄一と慶喜に接点が出てくるから……。

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「家を出て、天下の為に働きてえと思う」栄一がその天下の為にやろうとしていることが焼き討ちってのがねえ。これ嫁さんは「焼き討ち」であることを知らないから一緒に頭下げたのでは?

今明かされる父ちゃんの悲しき過去……特別悲しいってわけでもないけど。
若き日に武士を目指した親父。そんな自分の若い頃を栄一に重ねていたのかもしれません。
そういう意味でいうと、今の栄一は過去の自分のifみたいなものだしね。
今自分の娘を抱っこしたら心が揺らいでしまうって感じかな、栄一は。


結局そのまま江戸へ……。殺伐としすぎだなあ江戸。ドラマとかでは必ずこういう感じだけど、実際幕末の攘夷運動激しい頃の江戸はこうだったんですかね?
あっさり捕まった栄一に接触したのは平岡円四郎だ。やっと繋がったというか……のちに栄一と慶喜を繋ぐのは平岡さんですか。

こう客観的に観てると、志がどうだと言いながら現実にやろうとしてるのは焼き討ちってのがつくづく痛々しいと言いますか。若いねえ……。
平岡円四郎によるまさかの「お前ら武士にならねえか?」というスカウト。これは……これから焼き討ちする手前断っちまったけど、理性的に考えたら国を変える最適ルートではあったよなあこれ……。


もう「攘夷」が暴走している。
んで、その暴走した攘夷という流行病にかかっているのがまさに栄一たちというのが。
長七郎はこの尾高の暴走を止めに来たのだよなあ。
まあ希望的観測が過ぎるよね、この計画。69人で立ち上がればそれで人がどんどん立ち上がるんだ!とか。
現実をちゃんと知っているのはこの場で長七郎だけ。んでやっぱり回収するよね、自分の無駄死にを栄一が止めたことを。長七郎がこういう形で感情を吐露したの初ですね。
長七郎、システム的には同じことをしようとして失敗、たまたま生存した人間だからこそ分かるのかもしれない。突き刺さるなあ……。
平岡円四郎の「死ぬだろうなあ……」をキャンセルしたのが長七郎だよな。


まあドラマなんだけどさ。「俺が間違っていたんだ」ってはっきり言えるのはすげえことだと思うんだよ。
娘を抱いたら心が揺れるとかじゃなくて、また失うのが怖いとか自分がやろうとしていることによって合わせる顔がないとかそういう理由だったのがまた。要するに逃げてたってことだよなあ。
今週、長七郎も栄一も心理描写とかたっぷりで普通にグッときますな。んでこれは栄一くんの勘当キャンセルっすか?


親父の「物の道理は踏み外すなよ」はシンプルだけど非常に重要です。こんなもんはいつの時代も普遍的に大事なことだけど、結構平気で踏み外す人うじゃうじゃいるからね……。
親父マジで親父……。今週感動ポイント多いな……。

ここにきて徳川慶喜パートだよ。
慶喜は京へ。それに付き添う円四郎も京へ。そして渋沢栄一も京へ……。
この流れは……京で武士になるんだな?


なんか色んな意味で区切りになるような回でしたね今週。第一部完みたいな。
旅立つ栄一。淡々と染物をして家を守る親父。一瞬の対比だったけどこれまたちょっとグッときた。


長七郎の「狐がいたのだ」がめちゃくちゃ怖いんですけど。彼には何が見えていたのか。
次回「栄一、京の都へ」。
もう長七郎が捕まった方が気になって仕方ねえ予告だよ。


〜追記〜
「狐がいたのだ」についてTwitterで皆さんの考え方を読んでいたんだけど、あの焼き討ち計画が「攘夷という病=狐」に化かされていたのだ、みたいな解釈が多いみたいです。
ただ次回予告の京の町と思われるシーンで狐面の集団が映ったこと、何より「狐がいたのだ」と発した長七郎の表情がめちゃくちゃ危うい感じだったことを考えると、むしろ次回以降の伏線って感じが強いのが個人的な感想なんだよなあ。