もう自分は引退してしまったので、今回の炎上について書くのもどうかと思ったんですが……色々スマホゲームも遊んできたなりに思うことも多々あった事案なので、ちょっと書いてみようかなと思います。
今回の一見、同じようなことをやらかして終了したソシャゲは過去にもありますし、これから他のスマホゲームでも起きる可能性は全然ある事象ですから。お勉強というか、広い意味でソシャゲ全般における問題として備忘録的に残しておこうかなと思います。
さて、3.5周年のタイミングで何が行われて炎上したのか。
・バトル中に連続行動ができる「オーバードライブ」の仕様変更(弱体化方面で)
・ダメージ計算式の変更により、既存キャラの与ダメージが大体下がる影響を受けた
・これまでの最高レアの上の「SSレゾナンス」を実装
現在進行形で遊んでいたわけではないので細かいところまでは分かりませんが、大きくこの3つ。
ここに加えてそれらの説明不足だったり、仕様変更が発表の数時間後という唐突さだったりがコンボになっていた感じでしょうか。
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なんだかとんでもねえ炎上をしていたので、Twitterでも珍しくヘブバンが話題に上がるほどになっていたと記憶しています。
はじめに挙げた3つ、現在のヘブバンを考えると確かに必要な処置ではあるんですが……そもそもが「それをこんな事態になるまで放置していたのは開発・運営でしょうよ」としか思えないのでねえ。
ぶっちゃけ自分がヘブバンを引退した理由が直撃しているのですね。
バトルの仕様変更2種
ダメージ計算式の変更
ヘブバンというゲームの戦闘を端的に表現すると「とにかくアタッカーに多種のバフをかけて、一撃で敵を葬るゲーム」です。
言葉が悪いんですが仕様変更前のヘブバンのダメージ計算式は本当に頭が悪い仕様で、別種のバフは全て乗算されて計算されていました。
例えば、攻撃力アップ・火属性ダメージアップ・クリティカルダメージアップ……みたいなものがそれぞれ掛け算されていくので、指数関数的に爆発的にダメージが伸びる。
ガチでやっている人だと平気で1億ダメージとか出せていたらしいです。無課金でやってた自分でも1000万は出せていた記憶がありますね。
今回これが乗算ではなく加算方式になったので、まあ馬鹿げたダメージは簡単には出せなくなりました。
こうなると不満が出てくるのは当然で、これまで乗算の仕様ゆえに「新しい種類のバフ持ちキャラクターだ!」ということで戦力アップになるためガチャが回っていたようなキャラもたくさんいたはずです。
そのように引いてきたキャラが、加算方式になることでその価値を大きく下げる結果に。
一番ダメなのがこのダメージ計算式の変更が唐突に発表当日に敢行されたことで、当然ですが事前にこうなることを知っていればガチャを引くかどうかの判断が変わっていたでしょう。
要するにプレイヤー側からすれば、これから弱体化されることを知らされずに「仕様変更前なら超強い」キャラを引かされていたという構造になってしまいます。ぶっちゃけ集金目的だと邪推されても仕方がないんだよな。
オーバードライブの仕様変更
オーバードライブの仕様変更に関しても基本的な話はダメージ計算式変更と同様。
オーバードライブゲージが溜まると、ゲージを消費することで敵のターンに割り込んで追加ターンを得られます。
ここからが問題で、その追加ターン中でもオーバードライブゲージは溜まるんですね。そして運営はそれを認識していました。
認識していて「オーバードライブゲージ回収率が高くて強いですよ!」という感じで売り込んでいたキャラもいました。
そういうキャラをどんどん実装した結果、ついに無限オーバードライブが成立する状態になってしまいました。
ここに至って「無限オーバードライブは問題なので、一度オーバードライブを発動すると連続発動できないようにします」と発表したことでプレイヤー側の不満が爆発。
結果一回の戦闘におけるオーバードライブ使用回数自体に制限を設けることで、連続でオーバードライブはできるが無限はできない、という形で落ち着くことになった……というのが顛末でしょうか。
ダメージ計算式が乗算だったのもそうですが、ヘブバンの戦闘システムを考えているチームが適当すぎるんですよね。
全部乗算にしてたらそのうち馬鹿げたダメージになるのははじめから明らかだし、オーバードライブゲージに関わるスキル持ちのキャラを何も考えずに実装しまくったらそのうち無限オーバードライブに辿り着くことも予想できたはずです。
要するに数値の面をまともに考えずに無計画にインフレさせていった結果、自分たちで手に負えなくなったので弱体化かけますっていうのが今回のお話。要するに「そもそもおかしかった」のであって、はじめからヘブバン側がまともにバトルを考えて作っておけよって話でしかないわけでして。
ダメージ計算式もオーバードライブも、仕様変更前の環境で強いからガチャを引いていた人がいるはずです。というか回ったガチャというのはそういうキャラが実装された時のガチャのはず。
それら全てが今回の仕様変更で弱体化されたわけですから、炎上しないわけがない。簡単に言えば後出しですからね、これ。
SSレゾナンスの実装
ここまで書いてきた話と連動するのが、おそらくこれまでのSSレアを超えるSSレゾナンスの実装。
インフレに次ぐインフレの行き着く先で、おそらく敵の強さの方をこれ以上高めることがプログラム的に難しくなったのかなというのが考えられます。
そうなると今度は「手持ちのキャラで全コンテンツがクリアできるので、ガチャを回す必要がない」という状況が発生したことが予想できます。
要するに売り上げが伸びない状況になっていた。
根本的に今回の全ては、この「売り上げが落ちてきている」ということをなんとかしたくて起きたことだと思います。
戦闘面ではプレイヤー側がダメージを出しにくいようにして、ガチャではこれまでより強めのSSレゾナンスを実装することで、とにかくヘブバンのマネタイズ要素である課金をさせたかったということに尽きるのではないかと。「新環境で強いキャラクター」としてSSレゾナンスを実装してきたのは予想できる話です。
なんか謝罪放送では「プレイヤーの熱量が下がってきている」なんて言ってましたが、熱量を課金額に入れ替えても意味が通ってしまうのがね……。
ちなみに自分がヘブバンを引退した理由は「インフレが酷すぎる上に、バフを重ねて高火力を重ねるのが基本最適解の戦略性の薄いゲーム性」にありました。
正直、今更そこを直そうとしてもやる気は戻ってきませんし……というかインフレを是正したところで、戦略性の薄いゲーム性自体は改善しませんからね。
敵の体力ゲージを数本に分割したり、一撃で与えられるダメージに回数性の上限を設けたりということもしていましたが、これらは戦略性ではなくてプレイヤー側への嫌がらせに近いと個人的には思っていますので。戦略というのは「スキルの組み合わせなどでそれらを無視したりできる」ということを指すと思っているので(個人の感想です)。
売り上げを伸ばすための施策だったんだろうけど
結局、今回の仕様変更を擁護している人って「ストーリーをメインに遊んでいて、バトルをガチってない客層」になると思うんですよ。
その人たちにとってバトルの仕様変更はそこまで影響がありませんし、つまり課金額としては少ない層。
逆に今回の仕様変更に不満が爆発したのはスコアアタックなどバトルのエンドコンテンツまで遊んでいて、それらをクリアするために強いキャラをガチャで引く層、つまり課金額が多い層です。これまでお金を使ってきたからこそ、その恩恵が小さくなるようなバランス調整は腹に据えかねるということです。
今回の各種変更は、低迷化しているヘブバンの売り上げを伸ばしたいと言うのが本音でしょう。
ただしそのやり方があまりに露骨すぎて、むしろここから売り上げが伸びる可能性は下がった。それどころか寿命としては運営自ら短くしたという感じがします。
結局ストーリー更新の速度が……
「熱量」の話だと、本当の根本から言ってしまえば「ストーリー更新頻度を上げる」でほぼ解決すると思います。これはライトプレイヤーと廃課金者も同じです。ストーリーこそがヘブバンの要諦。
ヘブバンは本当にメインストーリーの更新が遅く、4章からは4章が前半・後半に分かれ、5章は前・中・後編の3つに分かれ、5章の中編がpart1とpart2に分割されて実装されたりとめちゃくちゃなことになってきており、しかも最新のものだと間が1年くらい空いたりします。
メインストーリーの更新頻度が遅すぎて、熱量なんて維持できないでしょうという感じです。
これは自分がヘブバンを引退した理由その2でもあります。ストーリー更新が遅いと言われるFGOどころではないくらい遅いのですね。
代わりに毎月イベントストーリーを配信していましたが、今度はこれも簡略化された「スナップイベント」というものが入るようになってきていました。要するにイベントストーリーすら作る余力がなくなりつつあるという状態だったんですよね。
これがメインストーリーの開発に注力するためという話ならよかったんですが、結局メインストーリー5章後編のリリースは今年の年末らしいです。5章中編part2がリリースされたのは今年の2月らしいので、結局10ヶ月くらいプレイヤーは待たされることになるわけですね。
そして「これ以上の頻度でストーリー更新はできない」と運営側が発表してしまったのが痛い。
ストーリーの演出やらに時間かけるくらいなら、そこは簡略化していいからストーリー更新頻度上げてくれという声もまあまあ見かけます。自分もこっち派で、実際FGOのような紙芝居でも全然面白いわけですから。
正直すでに八方塞がりだった感
ストーリーの更新はこれ以上の頻度では期待できない。
バトルに関することは仕様変更しなければこのままインフレし続けて破綻する(個人的にはずっと前の段階で破綻してましたが)し、今回プレイヤー側に事前に時間を設けたり説明せずに仕様変更したことで炎上した。
この辺を考えると、あらゆる面で遅きに失したと言う感想になります。
もっと早い段階でバトルシステムの問題性と向き合っていれば、ここまで悪化する前に食い止めることができたはずなのに……とか色々思ってしまうのですね。
結局、ここから売り上げが伸びるってことはないのではないかと思われます。
今回の一件で今まで課金して遊んでいた人も一旦課金はやめて様子見に移った人は多いでしょうし、3.5周年のタイミングで色々新情報なり、遊びやすくなるアップデートも行われたようですが……失った信頼の方があまりにも大きいイメージ。
せめてメインストーリー完結までは走り切って欲しいところですが、そこまで保つのか。
普通ならそこまではやるだろうと思うんですが、ヘブバンの場合そのメインストーリーの更新が先述のようにあまりにも遅いためそれすら心配になる感じです。
自分は一応アカウント自体は残してあるので、ストーリー完結したらそのタイミングでメインストーリーだけやってもいいかな……というのが現在の立ち位置なんですが、それは果たして達成されるのかな……。
今回の一件、マジで他のソシャゲは肝に銘じておいて欲しいものがありますね。
プレイヤーに不利な調整を入れるなら、それを行う前にちゃんと説明をする。その上で調整後にプレイヤーから不満が出るような課金コンテンツはなるべく控える……とかですかね。
今回の全ては運営側のこれまでのミスと都合によって行われている調整であり、プレイヤー側がなぜかそれで不利益を被っている構造に見える(プレイヤーのことを基本考えていない)ので、こういうのだけは絶対ダメですよという反面教師だと思いました。
追記
こうして大炎上しながらも、戦闘バランスについては大筋でナーフと呼んでいい調整が入ったヘブバン。
ここからはインフレさせないように、丁寧にやっていくんだろうな……と思っていました。ここまで大炎上したのに、ここからまたインフレさせたら意味分かりませんからね。
と思っていたら。
直後の3.5周年で実装されるユニゾン朝倉可憐、こいつがすでにバカみたいな強さの性能になっており、個人的には直前で行われたバランス調整は一体何だったんですかね?という状態です。
申し訳ないけど、プレイヤー舐めてんのかな……と思わざるを得ないですね。
本当に数値的な部分、何も考えてないんだなあと思ってしまう内容。案の定SSレゾナンスキャラが乱発されていて、思いっきり課金してくださいねという気配が強いのもすごいですね。
一回ナーフされたという事実がある以上、ナーフ直後から速攻強いキャラ出してきてインフレ再開。こうなったらまたどこかでナーフされる可能性がある……という感じで、もし自分だったら今後も遊ぶ可能性があるとしても課金だけはできないですね、これ。
