タレント個人に罪はないというなら、最低限彼らの仕事を守るためにも事務所の名前を変えないといけなかったと思うんですけどね……。
ということでジャニーズ事務所のお話。賛否両論あると思いますが、自分の考えを書いてみます。
続々とジャニーズのタレントとの契約を見直す企業が出てきており、それに対して「タレント個人に罪はない」という文脈で批判を加えている人も散見されますが、自分としてはむしろここで契約を継続する方がおかしな話でしょうという感じで見ています。
むしろジャニーズのタレントのファンこそ、ジャニーズ事務所に対して怒りを覚えないといけないんじゃないの。企業に対してではなく。
「取引を継続すれば、私たちが人権侵害に寛容ということになる」
朝日新聞の取材に対してアサヒグループホールディングスの社長がこう答えていますが、もうこれが全てですよね。
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もちろん各企業はそれぞれのタレント個人の魅力や人気を見込んでCMなどに起用しているわけですが、その契約はタレント個人とではなく事務所としているわけです。
結局はジャニーズ事務所に帰属するわけなので、タレント個人の罪云々は関係なくジャニーズ事務所に利することになってしまうのが感情論を廃して考えた時の事実。
そうなると企業としては、契約の継続はできないというのは当然だと思うんですが……どうでしょうか。
今回企業批判をしている人、根本的にこの視点が抜け落ちていると思うんですよね。企業が取引している相手はタレント個人ではなくて事務所です。
各企業もそれぞれのタレントに対して好意的に思っていたとしても、事務所の状況を考えると契約を続けるのは難しいというのがリアルなところだと思う。
各企業ともに、タレント個人に罪がないことは十分理解した上での契約解除という判断でしょう。ここを理解できていない人が多い気がします。
個人的には、7日のジャニーズ事務所の会見の内容が決定打だったんじゃないかなあと。
事務所の名前は変えない、将来的には分からないが今はジュリー氏が取締役から降りない、突然経営経験のない東山紀之氏の社長就任、被害者への補償などに関してもそこまで突っ込んだ具体的な話は出なかった……という感じで、まあ要するに「現状あんまりこの事務所変わらなそうだし、今後も大丈夫か?」な気配があって、問題を注視していたであろう企業としては納得できる会見ではなかったのが予想できます。
ジャニーズ事務所のファンの人には申し訳ないんですけど、ちょっと内容も被害者の規模も相当酷いので、正直一回事務所解体レベルのことをしないと厳しいんじゃないのかね、と思っています。
今後も芸能活動を続けていきたい所属タレントの移籍先を、他の芸能事務所に相談したりして探す。それと同時に被害者への具体的な補償。
そういうのが済んだ後で、一旦事務所として解散。名前も変えて改めてスタート……くらいの事態なんじゃないのかね。
今回、逆にタレント起用を継続すると表明する企業もいくつか出てきているんだけど、これに関してはちょっと問題の重さを理解していない気がしますね、個人的には。
世界規模での展開をしている大きな企業は、世界レベルでの企業イメージも込みで判断します。そうなると契約打ち切り一択レベルの事実が明らかになったわけで、現在継続表明している企業はその辺の感覚が鈍いのかなと思ってしまうんですよね。グローバルな企業ほど、契約停止の判断までが早い印象があります。
もう一回書きますけど、タレントにはなんの罪がなくても契約はジャニーズ事務所と結んでいるわけですから。
むしろ即刻契約解除ではなく、次の更新をしないという形に済ませている企業は優しいまであると思っています。
と、ここまでを12日に書いていたんですよね。
13日になって色々動きがあって、契約継続を表明していた企業が一転契約継続の取りやめに動いたり。
ジャニーズ事務所はタレントの広告・番組出演料を全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしては受け取らないと発表したり(ただし1年間の期限付き)。
うーん、どうもまだ事務所側がなんとか事務所自体を守ろうとしているのが透けてしまうんよなあ。正直事務所の名前とジュリーさんの進退の部分が引っ掛かります、個人的には。
まとめると、今回の話で契約を解除している企業を批判している人はちょっとお門違いと言いますか。「タレントの人権が〜」の論調も、それ言ったらそもそも自社タレントの人権を蔑ろにしてきたのは事務所の方ですから。
自社タレントを引き続き守る意味も込みで「ジャニーズ事務所が何をできるのか」が最重要だったし、その道筋を示すはずだった会見で企業を納得させられなかったんだから、まあ今の状況もやむなしではないかなと感じます。
あと、これとは別でジャニーズ問題当事者の会の周辺もちょっときな臭いというか。正直この団体の方も結構胡散臭くなってきました。
なんだか事態が大きくなったことで、金に群がるように怪しい人も関わってきている感じがあるんですよねえ……そしてこういう団体のバックには必ずと言っていいほど顔を出してくる共産党が。うーん。