心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

鎌倉殿の13人 第40回「罠と罠」感想

さて、そろそろ和田義盛との間にも溝が深まる北条。
和田義盛という人間がとても狡猾に罠を張るようなキャラクターとは思えないので、タイトルの「罠と罠」が示す2つの罠は誰のものを指すのでしょうね。北条義時と……?そもそも和田合戦に絡む罠の話ですらないのかもしれないけど。

鎌倉幕府初期は13人による合議制だった」的な話かと思えば、本作の内容は頼朝亡き後の13人の長い内乱と淘汰の物語でした。
それもいよいよ終盤戦。ほとんど敵のいなくなった北条義時の、最後のお片付けは和田義盛って感じか……。

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後鳥羽上皇自ら内裏の設計図を描くという。
この「内裏普請を幕府にやらせる」ってやつ、やっぱり強力な手段だと思います。経済ダメージを与えつつ、世間的には朝廷>幕府のパワーバランスをアピールできる。
行ってみりゃ徳川幕府のやった参勤交代も同じシステムとは言えそうですけどね。あれは武士同士のパワーバランスだけど。

うーん、なんかなあ……。
ドラマ観てると、どうも義時が「ここまで闇堕ちするまで」の間をもう少し欲しい感じがある。覚悟決めてんのは分かるんだが、ちょっと手段を選ばなさすぎて結局親の代と同じ轍を踏んでいるのがらしくないんだよなあ……。

泉親衡の乱
この首謀者がそもそも誰やねん……となると、幕府内部の分裂を工作する朝廷側のスパイ。というか、このドラマ内では完全に源仲章で確定なのね。

「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」
かつての上総広常と同じ立ち位置になってしまった和田義盛である。

「変わっちまったよなあ」と和田義盛が言ったのを見て少し思ったんだけど、これ義時の内部的には実はあまり変わってない気がしてきた。
こうやって策を練るのが上手いのは、頼朝と出会った頃から変わっていないんだよな。これに北条の世を作るという「兄上の遺言」の実現可能性が高まったことで、行動力が付随されちゃったって感じなのかなと。

今回のトリックスター(割といつもそうだけど)は三浦義村ですな。最終的に北条と和田のどちらに味方するのか、ここが和田合戦の鍵ですね……。実際そうだったみたいだけど。

もう義時は「戦争したい」んだよな。
実朝の和田義盛評が正しくて、義盛も畠山重忠と同じで、最後には合理性よりも武士としての意地とかプライドのために戦う人だから……。
義時も義時でそこまで分かってて和田義盛を挑発しているような気もする。

政子の「何に怯えているのです?」に対してのアンサーがこのシーンでは出てこないのが。
意図的に義時の内面が分からないようにし続けていると思うんだけど、これが最終回あたりに繋がる伏線になっていたらアツいですな。
和田義盛を嫌いな人などいませんよ」と言われた時に否定できなかったのは、チラッと垣間見えた義時の本心か。


次回「義盛、お前に罪はない」。
このタイトルもまた、義時の本心なんですかね。表向きには冷徹を装ってはいるが、立場抜きにして北条義時という一人の人間としては、やはり和田義盛を討ちたくはないと……。