心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【キン肉マン】サイコマンの考察

キン肉マンの完璧超人始祖編を改めて読み返してみて、突然ですがサイコマンについて色々考えが深まったので書いてみる。

完璧・拾式、サイコマン。
他の始祖達との設定の比較や、作中での行動などから考えると……サイコマンという人物を読み解く一つのキーワードが出てくるんですよ。

それは「劣等感」なのではないかと思うのです。

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始祖の中で最も低い超人強度・産まれ持った特殊能力のなさ・完璧超人として不必要な感情

サイコマンの超人強度は1000万パワーで、これはキン肉マン全体でも比較的低めな完璧超人始祖達の強度の中でも最も低い数値である。

そして低い数値を補うような能力を持つわけでもない……敢えて言うと握力くらいでしょうか。だからこそマグネットパワーに固執した面もあるのではないか。
例えばペインマンは超人強度は低いが、代わりに全身が緩衝材で包まれたような肉体を持ち柔軟性もすごい。シングマンのように地球外の金属で出来た恐ろしい強度の肉体を持つわけでもなく、ゴールドマンはザ・マンを越えようとする中でダイヤモンドパワーを習得。
戦闘力以外でも自分と同じように特別な力を持たないシルバーマンに関しては「敬意」を抱くように、完璧超人としての人間性の部分で自身は劣っていると考えている。
「少しでも他の始祖達と並べるような力を持ちたい」みたいな結果、マグネットパワーの研究に没頭していったというのはどうだろう。この辺はなんだかブロッケンJr.に似ていると思う。……イグニシォンドレスはアレ、サイコマンの能力なのか服にギミックがあるのかよく分かりません。

ジャスティスマンと仲の悪いサイコマンだが、それは完璧超人として理想的な感情に左右されない理性をジャスティスマンが体現しているから。
自分のなりたい姿でもあるジャスティスマン。完璧超人として最もそれらしいジャスティスマンが裏切った時にサイコマンが激昂するのも、頷ける。

完璧超人の思想からすると程遠いが故にシルバーマンは友情を示した

シルバーマンはサイコマンとの試合後に、自分と違ってサイコマンならば本当の正義超人になれたのかもしれないと言った。
それは完璧超人として不必要な「感情」の力を、始祖の中でサイコマンが最も強く持っていたからだと考えられる。そしてそれはシルバーマンが目指すものに近い力でもあったわけで。

この辺が始祖達の少し切ない部分かなあと思っていて、ゴールドマンやシルバーマンは自分たちが理想とした正義・悪魔超人に自身がなるには“完璧超人すぎた”し、逆にサイコマンは金銀兄弟が求める新たな超人の姿に始祖内で最も近しい素質を持ちながら“より完全な完璧超人であること”を目指してしまった。

ペインマンやジャスティスマンのように、正義・悪魔超人との戦いの中で金銀兄弟が育てた超人達の成長を認め、理解した始祖達。
カラスマンも「内心では下等超人を認めたがっていた迷いがザ・ニンジャ戦の敗因」とサイコマンに推察されていたりする。
戦いの結果をそのまま受け入れるような姿勢、これこそ完璧超人らしい姿勢。感情ではなく「実際に戦って負けた」とか「テリーマンとの戦いの中でシルバーマンの目指した力を垣間見た」とか、この辺をそのまま受け入れることができる点。……そうなるとサンシャインに負けちまったシングマンあたりも感情パワー目覚めそうっすね……。

不完全故に誰よりも完璧であろうとした男

サイコマンは自分が始祖として不完全であるが故に、誰よりも完璧超人であろうとしたしその掟を守ろうとし続けた。不完全な自分を始祖に取り立ててくれた感謝を、消滅直前にザ・マンに伝えているし。

金銀兄弟の離反、ザ・マンの暴走。全部分かった上で、それでもなお守ろうとしていたのは、サイコマン自身が完璧超人始祖として不適格だという自覚があったからじゃないかと思うのである。

……なんだか思いついたことダラダラ書いただけなのでまとまりないし、同じようなこと考えている人は結構いそうな内容ですね。
現在3階のバカがサタン様をボコボコにしてますが、個人的に好きな始祖挙げろと言われたらペインマンとサイコマンの2人になるかなあ。