心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

人生は「世界樹の迷宮」のキャラビルドに似ている

「これだけやればいい」という範囲を限定すると、意欲を起こしやすくなる - 僭越ながら
この記事にてid:sclo-aさんが紹介してくれた「オンリーワン」の人間像。大人の勉強とは、そのオンリーワンを目指すためにあるという。


主軸になる専門職(あるいは知識、技術とも言えるか)と、それに追随する形の専門能力。
その組み合わせのバリエーションで「その人だけの強み」みたいなものが生まれるよって話のようだ。


例えば私の場合は、メインの能力は「調理技術・知識」であり、サブ能力に「哲学・日本史・マンガ・ウイスキー・格闘技の知識・ゲーム」などなどが大量に並ぶ。サブ能力取りすぎだな。



新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女

新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女

とはいえ、ここまで考えてみて思いつくのはやっぱり「世界樹の迷宮」シリーズである。


世界樹の迷宮」は、一言で言うと現代版ウィザードリィといったゲーム。
様々なクラスの中から5人まででパーティを組み、謎に溢れた迷宮の踏破を目指すRPGシリーズだ。


仲間を敵の攻撃からかばうパラディン
迷宮探索に役立つ技術を持ち、弓での遠隔攻撃も可能なレンジャー。
防具は軽装だが、その類まれな剣技で刀を振るい敵を一刀両断にするブシドー。


そういった彼らをどう育てていくのかもプレイヤー次第。
レベルが上がるごとに「スキルポイント」が1ポイント手に入り、それをそれぞれの職業のスキルツリーに割り振って育成していく。

例えばブシドーなら、単純に攻撃力の数値が高まる「ATKブースト」や、通常攻撃より威力の高い攻撃「踏み袈裟」の習得と強化、さらに強力な剣技への派生元となる「上段の構え」「中段の構え」「下段の構え」などなど。


そして最も重要なのは、

「最大レベルになっても、全てのスキルをマスターするにはポイントが足りない」

ということ。逆に言うと「どのスキルを取らないか」を選択しなければならないということだ。


実にリアル人生と似ていると思わないだろうか。

才能や時間、金銭。そういったものが限られた、それぞれ「私」というクラスの元で生を受ける。
そうしてそこから学校などを通じてスキルポイントを入手すると、「世界樹の迷宮」とは異なり極めて複雑で流転的なスキルツリーの中でスキルポイントを割り振って生きていく。それが人間だ。




世界樹の迷宮III 星海の来訪者(特典なし)

世界樹の迷宮III 星海の来訪者(特典なし)

世界樹の迷宮IV 伝承の巨神

世界樹の迷宮IV 伝承の巨神

さらにこの「3、4」ではサブクラスという概念が登場した。

初めに選択したクラスに加え、サブクラスとして異なるクラスを設定できる。ただしサブクラスのスキルはメインの半分レベルまでしか習得できない、などの制限もかかる。


このサブクラスという考え方、これが冒頭で取り上げさせていただいた「オンリーワン」の考え方とまるで同じだと思った。


例えば仲間達に号令を出すことでパーティ全体のステータスを高める「プリンセス」というクラス。
難点となる本人自身の攻撃力のなさを補うために、大型弓の使いて「バリスタ」をサブクラスにする。こうして仲間の補助をしながら自身も強力なアタッカーとなる「戦うお姫様」というアイデンティティが誕生する。



我々の人生には、明確な数値としてのレベルはないし、スキルポイントもない。代わりに時間、金銭、才能、そういった厳密に数値化できない「スキルポイント」のようなものが与えられている。

私はそれを使って仕事をしながら「調理マスタリ」のスキルを高めたり、サブクラスとして「哲学の知識」「格闘ゲーム」などのスキルにも割り振りながら生きていて、そしてその割り振ることのできるポイントというのは「割り振ることができるスキル」全ての量に対してあまりにも少ない。
多分1万分の1もないくらい少ない。だって「スキューバダイビング」とか「戦闘機操縦」とか、そういうスキルも当然ながら存在しているんだもの。



自分がこれからどうなりたいのか?
何を得たいのか?そして何を捨てたいのか?
そういうことを考えながら、「人生のスキルポイント」を割り振っていかないといけないなあ……と、ふと考えた次第である。

世界樹の迷宮」と違って、人生のスキルポイントは振り直しができないしね。