心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

宮城県知事選挙2025を振り返る

本当は火曜日には書き上げてアップしたかったんですが、仕事が中途半端に忙しかったりちょっとしたトラブルがあったりで書き進まず。普段ならブログ定休日ですが、水曜日に投稿します。

6期目の知事を目指す村井嘉浩氏と、参政党の支援を受け参戦してきた和田政宗氏の一騎打ちとなった今回の宮城県知事選挙。
20時の段階で当確が出ない接戦の末、僅かに得票数で勝った村井さんが6期目の当選となりました。

なんでしょうね……。
今回の選挙、個人的には参政党のせいでおかしなことになっていた気がします。
あの政党、真面目に警戒しないといけないと思うんだけど……まあその辺も含めて色々考察というか、思ったり考えたりしたことを書いてみます。

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勝ったからこそ反省して欲しい村井知事

今回勝利した村井知事ですが、これをもって「これまでの県政が評価された」なんて認識は絶対に持たないで欲しいなあというのが本音。
本当にこれまでの県政が評価されているなら、今回接戦になんてならずに圧勝していないと筋が通りません。

投票した有権者の中には「まず20年続けてるのが長すぎるので身を引いて欲しいが、今回の対抗馬である和田政宗陣営がアレすぎるので仕方なく村井」だった人もそれなりにいると思われ、もう少しまともな人が立候補していたら迷わずそちらに投票していたと思います。
何より得票数が僅差であったことを考えると、普通に村井知事が負けていた可能性はあるという現実。ここは本気で理解していてほしい。

次と知事選にも立候補するのかは今のところ分かりませんが、仮に立候補するとして今回の任期で県民の民意に沿う形である程度成果を出せないと次はないぞ、という条件付きの当選だと思います。

得票分布

地域ごとの得票数を見ると実に分かりやすくて、仙台市は和田氏が優勢、他の地域は村井氏優勢。
年代ごとのデータもこれまた分かりやすく、若年層ほど和田氏への投票率が高いという結果になっていました。

都市部である仙台市は自然と若者が多い傾向が考えられるため、上記の2つのデータは非常に納得のいくところではあります。
やはりTwitterYouTubeなど、デジタルメディアに接する機会が多い人ほど和田政宗氏へ投票していた印象。
ですがここには落とし穴というか、問題点というか……そういうものが潜んでいると思います。ということで次の項目。

参政党とデジタルメディア

参政党は個人的な解釈として「思想が右側のれいわ新撰組」でしかなくて、つまり支持者の民度の低さが同じレベルという認識です。

だから選挙数日前あたりから、Twitterで「和田政宗に投票しよう」「村井はこういう悪い政策を進めているんだ」というような投稿が明らかに増えていたように感じています。
そう、このTwitterなどで敵対勢力にネガティブキャンペーンを仕掛けるやり方。今も高市政権に対して一部野党の支持者が繰り返しているそれです。だから自分は「思想が右側のれいわ」だと思っているんですよね、参政党。

この中にはデマも含まれているとされており、村井知事はそれに対しての対策を発表していますね。
実際に一つの争点となった土葬の問題も、各自治体の首長が首を縦に振らなかったので村井知事は白紙撤回。システム上これに関しては村井知事がどうやっても改めて土葬を推進することは限りなく不可能なんですが、ここに関して「再選したらどうせまた土葬の再考をするぞ」なんて焚き付けている人は多かった印象です。
「土葬を考えるような人」であるのは事実ですが「土葬推進をまたしようとする」のは、現実問題としてさすがに難しいかと。議事録にも白紙撤回したことが残っているようですし。

この辺を加味して考えると、よく「若者はデジタルメディアから情報を得る能力が長けている」という話になりがちですがそれは間違いであることが分かってきます。
「デジタルメディアの中から、自分の思想に近い情報だけを取捨選択する」が正確。というかそういったデジタルメディアは、閲覧している人の傾向から興味のあるものを優先して表示するようにされているからなあ……。

一度「村井はダメ、和田はいいぞ」という情報を得てしまうと、そのデジタルメディアは同じような投稿を優先して表示するようになります。いわゆるエコーチェンバーが発生しやすいのがデジタルメディアで、若者はそのシステムの中で情報を集めてしまうので……ということですね。

例えば意図的に和田陣営の問題点を探せば、和田氏の掲げていた各種政策の実現可能性を精査している記事なども出てきます。
それを読めば分かりますが、仮にできたら素晴らしいことを列挙していますが、一方で現在の宮城県財政を踏まえると不可能なことばかり。強引に推し進めようものならあっという間に財政破綻するような内容であることが分かります。

他にも宮城の地元新聞である河北新報は、基本的にはやや村井県政に対して批判的なスタンスであるにも関わらず和田陣営の流布しているデマなどもきちんと報道しており、正しい報道の姿を感じました。全国新聞社やテレビ局などは見習ってください。

つまりデジタルメディアで情報収集すると……前提として和田政宗支持者が活発に情報発信しており、それがエコーチェンバー的に優先して目に入るので和田有利・村井不利になるような情報が集中するようになり、両陣営の情報が平等に入ってくるわけではないということです。
もちろん自分もSNSなどから多くの情報を得ていましたが、だからこそ意図的に逆側からの情報を自分から取りに行かないとダメなんですよね。ここがデジタルメディア使用時の注意点だと思います。

若い年代の投票、本当にフラットに情報を集めた結果の選択だったのかはいささか問題な気がします。逆に高齢者には「特に何も考えずに村井」みたいな部分もありそうで、それはそれで問題ですけどね。

期日前投票のリスク

最後にちょっと思った、期日前投票に潜むリスクの話。

日曜日の投票日当時が迫るに連れて、先に書いたようにTwitterなどのメディアで和田政宗氏を支持する参政党支持者による投稿は増加・激化していきました。 
この様子って投票日直前ならではのものなんですよね。

ということで実際Twitterかなんかで見たのが「期日前投票和田政宗氏に投票したが、今の状況を見て後悔している」というニュアンスの発信。
直前になってヒートアップした結果、主に和田政宗氏を支持する層が行きすぎた暴走気味の発信をしていて、ここまで見ていたら和田氏には投票しなかったのに……ということですね。

こういうことがあるから、可能であれば期日前ではなくちゃんと当日に投票するべきだなあと思いました。
投票自体しない人よりは遥かにマシですが、当日に用事があって……などではなく面倒だから期日前、みたいな人は、投票した後で後悔する可能性も高まるのかなあと。