ウイスキーの熟成樽といえば、バーボン樽にシェリー樽。
最近はワイン樽やラム樽など多様性が出てきていますが、それらは「ウイスキー熟成前に何に使ったのか」のお話です。
ウイスキー熟成に使う樽の木材は基本的にオーク。日本の場合はミズナラ樽が有名ですが、これも広義ではオークの一種に入ります。

という熟成樽のちょっとした小噺を枕にして、先日行きつけのバーで飲んだウイスキーが今回のテーマ。
福島市にある名店「Bar Furukawa」さんの開店10周年記念ボトルとのこと。
今回はいつものバーで、こちらを飲ませていただきました。
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今回のウイスキー、キーワードは冒頭で触れた熟成樽にあります。
日本産・スコットランド産のモルト原酒をブレンドしたワールドブレンデッドモルトで、ファーストフィル・セカンドフィルのバーボン樽を使用……というところまでは普通なんですが。
一つ、そんな中にチェスナットの新樽を使用して熟成された原酒が使われているんですね。チェスナット、つまり栗の木を用いた樽。これはかなり珍しいんじゃないかなと思います。
飲んでみると、その栗の木樽からくる味わいは芳醇。
口に含んだ直後は素直なバーボン樽の美味しさですが、そこから一気に栗樽由来のホクホクとした甘い芋系の香りと味わいが花開きます。
自分が飲んできたウイスキーの中では、これは新体験です。栗の美味しさがあるので、つまみに合わせるなら真っ当にモンブランや、和のスイーツなどは相性が良さそう。
いわゆる「甘い」ウイスキーは数多ありますが、栗由来ならではの甘さはまた角度が異なります。あとは僅かにですが、ほろ苦さのようなニュアンスも。
少し加水すると香りがさらに広がり、甘やかな栗の雰囲気が強くなりますね。度数も56%あるので、思い切ってハイボールとかにしても薄くならず、美味しい可能性があります。
新しいタイプの「甘いハイボール」が楽しめるかも……。
行きつけのバーはフルーツカクテルが人気の、女性のお客さんやバー初心者の方が多いお店なんですが。
ウイスキーは(バーとしては)比較的少なめなものの、一方でしっかり面白いボトルが揃っていて毎度新しいウイスキーと出会えます。少数精鋭的な感じかな。
マスターは丁寧な接客でありながら、自分の失敗談を交えたり面白トークもキレキレ。
やっぱり良い店だなあ……としみじみ思います。このお店に出会えたのは本当に宝物ですね。