金曜の夜は友人ともつ焼きを食べた後、別れてから「もう少し飲みたいなあ……」と思いGoogle検索をかけると、その時いた場所から近くにバーを見つけまして。
「こんなところにバーがあったのか……」という感じで、少し奥まったところにあるエレベーターに乗り、カウンターだけの隠れ家的なバーにお邪魔してきました。
少し口を付けた後の写真ですが、ジンフィズ。
初めて行くバーはジンフィズがマイルールになりつつある。作り手さんのスタイルが如実に出るカクテルなので、飲んでいて本当に楽しいですね。
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今回のバーのジンフィズは、しっかりジンの強さを際立たせたようなパワフルな一杯。
甘さは控えめで、ドシンとジンのアルコール感と、穏やかなレモンの酸味で飲ませてくるタイプ。
使っているジンもタンカレーやゴードンなどのメジャー所ではなく、ちょっと遠目の位置でカクテルメイクされていたため何かは分からないんですが、他のバーのジンフィズではあまり見かけないボトルだったように思います。
こちらは内装もかなりオーセンティックな感じ。マスターさんは気さくな方で楽しく飲めますが、お店のムードや作るお酒のコンセプトはしっかりとした正統派だと感じました。しっかりと「お酒」を楽しむ場である、というのがジンフィズの味にも出ているのかもしれません。
自分の行きつけのバーのジンフィズは、甘さのしっかりあるホッとするタイプ。
こちらもまた、マスターの考えるお店のコンセプトがその味には滲み出ているというか。しっかり着飾って気合いを入れていくようなバーではないけれど、日常からちょっぴり離れられる特別感もあるそんな空気感のバー。自分の中ではオーセンティックとカジュアルの中間にあるようなお店。
まずは1杯目に注文して、まったり飲みながらマスターと談笑して癒される……そんなシチュエーションにふさわしい、甘さのあるジンフィズです。
アエル近くのホテルバー「J-Lounge」のジンフィズは、レモンの酸味を活かした味わい。
これは個人的にはやや酸味が強すぎるのであまり得意ではなかったんですが、ここもお店の在り方を考えるとこの味になるだろうなあというのが想像できるんですね。
メニューには結構しっかりとしたフードメニューも並んでいて、いわゆるバーのおつまみ以外にもパスタやピザ、サラダなど、ちゃんと食事が取れるお店。実際に自分が数度行った際は、毎回常連さんっぽい人が来てはほぼ確実に夕食も兼ねて飲んでいました。
そう、ここまで想像するとイメージできるのが「食事に合うジンフィズ」というスタイル。
アルコール感はそこまで押し出さず、そして甘さを控えた上でレモンの酸味を出したさっぱりした一杯。言い方は悪いかもしれませんが、食事に合わせるビールやレモンサワーっぽいベクトルで考えるジンフィズとなると、この「酸味をしっかり効かせたジンフィズ」という形がよく合うと思います。
むしろここに行くときは、何かフードと合わせてジンフィズを頼むと途端に美味しく感じそう。オイリーなパスタなんかと合わせると、さっぱりしてすごく相性が良さそう。
そして東口に静かに構えるバーのジンフィズも、以前頂きました。
こちらのジンフィズは、綺麗にバランスを考えて作られた一杯。これはマスター自身から聞いたのでまず間違いないと思いますが、カクテルを作る際にはそれぞれの材料がちゃんと感じられるバランスを考えているとか。
ジンのジュニパーベリーの香り、レモンの酸味、シュガーシロップの甘さ、そしてソーダの弾ける感覚。たしかに全てが感じられるジンフィズだったように思います。
ジン・レモン・シュガーシロップ・ソーダ。
材料は同じでも、使うジンやそれぞれの材料の割合によって、作り出されるジンフィズは千差万別。同じカクテルなのに、お店によってまるで違う表情を見せます。
作り手の技術が試されるとかなんとか言いますが、そこに関してはどこのお店もプロですからね。
技術が試されるとかいう偉そうな話ではなく、作り手さんのカクテルやバーに対する哲学のようなものが出てくるカクテルだと思います。だからこそはじめてのお店ではジンフィズを頼んで、バーの雰囲気とバーテンダーさんとの会話、そしてジンフィズの味わいの三位一体の世界が最高に楽しいんですよね。