心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【FGO】ナウイ・ミクトランクリア後感想(ネタバレあり)

間にウマ娘の2周年が挟まったりしたので遅ればせながらですが、2部7章をようやくクリアしまして。
個人的にはここまでの第2部の中で一番面白かったです。
アヴァロン・ル・フェもたしかに面白かったけど、2部全体のストーリーの本筋からは外れた内容がメインになっていた。

それと比べると7章「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」では、本当の敵が明らかになったり、他にも地球白紙化の仕組みやら何やらが一気に開示されたことで、ストーリー自体に大きな進展があったことが大きい。
やっぱり考察好きというか、その世界観の設定とかにテンションが上がる人間としてはこの辺すごく大きいんですよね。
とはいえそういう観点を抜きにしても、ナウイ・ミクトラン自体の世界観がすごく良かったんだよな。そしてキャラクター、BGM。何よりORT……。

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世界観とBGM

ナウイ・ミクトランの世界は、外宇宙から隕石の乗って飛来した『神』マィヤによって人類ではなく恐竜が選ばれた世界。文明のトップはディノスという知性ある恐竜たち。
6600万年前に宇宙生命体・ORTの飛来を感知すると、マィヤは地上のエネルギーを集め広大な地底世界ミクトランを創造、そこに生物たちを退避させた。ORTはそのミクトランに落下し、最下層まで到達するもののそこで活動を停止。
600万年前のORT再活動においては、当時ミクトランで繁栄していた人類によるカーン王国の王・カマソッソが国民全てを犠牲にしてORTの心臓を抜き取り、活動を停止させて勝利。
……という感じで、簡略化しすぎて伝わらないと思うんだけど過去一で壮大で、過去一で敵も強大。

主人公たちが空想樹を切除しなくても近い未来に絶滅することが決まっている世界、ミクトラン。
大自然豊かな命溢れる大地でありながら、どこか退廃的な雰囲気も漂わせる。そして主人公たち自身の長い旅路もいよいよ終わりに近付いていることも感じさせるような、ナウイ・ミクトランのマップBGMは本当に美しい。

というか7章は特にBGMが良かったように思う。終盤ORTが活動開始してからの、絶望的な状況の中でORTを止めるための戦いに入った時のオルト・シバルバーマップBGM。

他にも戦闘BGMは全て名曲だったし、特にカマソッソ戦とか非常にエモいやつでしたね……。
そして最後の最後、ORTとの戦いにも決着をつけた上でのデイビット&テスカトリポカ戦。ここに来てアコースティックギターベースのBGM持ってくるのはズルいんだよな……いろんなしがらみ抜きにしての純粋な戦いって感じで。

キャラクター

登場人物もみんなキャラが立っていて良かったですな。
主人公たちカルデア一行の協力者として、最後まで共に進んでくれたディノスのテペウさん。最後の最後にとんでもねえ活躍をします……音だけでしか分からないんだけど。
まさかまさかの記憶喪失から味方となり、自分の正体に気がついた後も悩みながら、最後はカルデアの仲間として戦ってくれるU-オルガマリー。
ニトクリスを中心に、ミクトラン攻略のために召喚されたキングプロテア・紅閻魔・エレシュキガルの4人も素晴らしいご活躍。……紅閻魔・オルタはいずれ実装されるのかな?
今回は全面協力してくれるコヤンスカヤも。なんかあれだなあ、コヤンスカヤに関しては登場するたびに自分の中でどんどん株が上がってきてますね。
実はあなたが過去に心臓抜き取っていなかったら、ORTを倒せていなかったんじゃないの?な真の勇者王カマソッソ。
そしてナウイ・ミクトラン異聞帯の王ククルカン。完成した種族ゆえに成長もなく、ゆえに神話もなかったディノスが支配するミクトラン。絶滅する寸前の世界で、ククルカンが最初にして最後の神話となる。
他にもヴクブだったりイシュキックだったり、まあいいキャラが多かったです。

今回の敵であるデイビット・ゼム・ヴォイド。
7章まできて秘密だらけだった彼の真実や目的などが全て明かされるとともに、非常に好きなキャラクターになりました。背負ってる過去もえぐい。
彼は彼で「救うため」の戦いをしていて、そのための手段として(そして彼にはその手段しかなかったから)ORTの復活を目論んだ……という。
なんかなあ、カドックとはまた違うタイプだけど、デイビットもまた出会い方やタイミング次第では仲間になれたんじゃないかっていう人間だったのがちょっと辛い。
テスカトリポカも初めはあんまり……だったけど、読み進めるうちにデイビットとの関係性なんかも見えてきて好きなサーヴァントの一人に。最後には戦いの神として向き合ってくれるしね。
テスカトリポカの最後の言葉からすると、本当の最後の戦いの時にはデイビットが仲間として帰ってきてくれる可能性がちょっとありそうなんだよな。そうなったらすごく嬉しい。

一人ずつ掘り下げたいくらいなんだけど、ちょっとキリがなくなるんで……でもそのくらいみんな良かったなあと思う。
本当の意味での悪人がいなかったのも、全てを読み終わった時の読後感にちょっとした爽やかさを与えていたと思う……まあラスプーチンに関しては色々思惑があった上での行動でしょうけど。

ORT

やっぱり一番はORT戦ですね。前情報として得ていた情報が16本ある体力ゲージを減らす戦いで、しかも一度倒されたサーヴァントは使えなくなるよってことで「面倒だなあ……」と思っていたんだけど、実際やることになるとストーリーの盛り上がりも相まって激アツだった。

倒されたサーヴァントはORTに捕食され「DATA LOST」になっていく。実際のゲーム内での編成画面にこうやって空白が増えていくのは、実際の操作と演出的な部分が噛み合っていて良かったです。「辛え……」って思うもの、少なからず。

デカい蜘蛛みたいな形態を倒したかと思えば「実は本体はその上の円盤でした」で第2ラウンド。
その円盤と戦う時には召喚されたサーヴァントだけならず、敵だったトラロックや原住民オセロトル、そして主人公たちと交流し当然のように絶滅を受け入れていたはずのディノスたちも立ち上がる。ディノスたちの突撃の後ORTの体力ゲージ1本割れるの本当にさあ……。
あの1ゲージが実はすごく燃える1ゲージで、事前にキングプロテアと紅閻魔が命懸けでORTに「死の概念」を付与、その上でテペウが直死の魔眼によってORTにダメージを与えている。ディノスの突撃によってORTのゲージがなくなる時、メルブラの志貴が直視の魔眼使った時と同じ音がしているんだよな……。分かる人からするとたまらないファンサービスでもある。
そして最後はU-オルガマリーが自分自身をエネルギーとしてレイプルーフを発射、ついにORTの討伐に成功する。
ナウイ・ミクトランに生きる全ての生命の戦いだったんだよね、ORT戦。

それでもまだ止まらない。
ORTは死の直前、自分が捕食していたサーヴァント情報を解析して英霊召喚のシステムを理解。直後に自分自身をサーヴァントとして召喚する。
ククルカンの協力もあってそれすら退けると、また蜘蛛型形態のORTが復活……ということで本当に絶望的でした。
設定上TYPE-MOON作品全てにおいて最強と言われる存在との戦い。それでも今回は異聞帯における存在、カマソッソによって心臓が抜き取られている、目が覚めたばかり……という感じで弱体化されまくった姿でこれだったと思うと、本来のORTどんだけヤバいんですかね……と思いました。

まだ2部の終わりが先っぽい気配

ということで「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」クリア後。
デイビットの「ORTを止めることができたなら南極へ行け」という言葉に従い、すべての始まりの地である南極のカルデアへと舞い戻る……はずが、その直前で道を阻まれました。
エクストラクラスであるルーラー・アヴェンジャー・アルターエゴを濫用した結果、人理からその道の正しさを否定されている主人公たち一行。南極への道を切り開くため、自分たちの招いた歪みを精算する旅「オーディール・コール」が始まります。

……という感じで、実質2.5部なんだろうなこれ。
それぞれのクラスに対応したストーリーとするなら最低3つだし(言及されてないエクストラクラスもありますからね、もっと増える可能性ゼロじゃない)、少なくとも今年一年はこのオーディール・コールがメインストーリーのコンテンツになるんでしょう。
正直ここまでストーリーの核心に迫ったタイミングだし、このまま行って欲しかった感もありますが……まあそのオーディール・コールにおいて何かしらの進展、あるかもしれないしね。

うーん、これは8周年の実装サーヴァントとしてU-オルガマリーが来る可能性はそこそこ高まったんじゃないかと思います。
「サーヴァントである」ということは判明したし、共闘することで縁も結んでいる。設定としては召喚できる条件は整ったかな?感。