心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

だから原発の代替案示してから反対しろよ

開幕からバッサリ書きますけど、考えが浅すぎるんだよね。
これが一般人ならまだいいですが、国会議員は安易に「原発は危険だからなくせ」だけ繰り返してるのはマジでしょうもないと思う。

ということで、原発の運転期間の制限が最長60年とされている規定が削除され、さらに長期間運用できる方向に。
記事タイトルを「福島事故の反省どこへ」なんて結んでいるあたり、非常に東京新聞らしい見出しだなあ……と思う。そもそも福島の事故、長期間運用し続けたことの老朽化が原因ではないと思うんですけどね。整備や補修がガバガバだったのは事実だろうけど、地震がなければそもそも事故は起きなかったと思うんですが。若干論点ずらしている印象。もちろん原発の運転期間を延長するなら、そのための整備や補修の制度もシビアにして欲しいのは事実だけどね。

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というところで、この記事を引用ツイートしていたのが共産党の山添拓議員。
「再稼働・新設・延命で原発への固執を強める岸田政権。そんな政府に追随する規制委員会。いずれも福島事故を忘れたのか」みたいなことを呟いていたんだけど……現実見てから言ってくれよとしか思えないんですよ。
再生エネルギーに力を入れたところで、日本のように天災の多い国土では安定したエネルギー供給ができません。雨が降ったら太陽光で発電はできないし、風が吹かなきゃ風力発電もできない。そして太陽光パネル脆弱性は台風等で既に明らか。
というか既に夏場、電力が逼迫して節電協力のお願いが出ていたのが日本の電力需要と供給の現実。

石炭や石油などの化石資源を用いた発電は環境への影響が大きく、その点で転換点が世界規模で起きていた頃にロシアのウクライナ侵攻が行われました。
これによって資源輸出国であるロシアからの輸出が滞り、世界規模で石炭・石油・ガスなどの値段は高騰している。
それらからの脱却を目指す中とはいえ、その過渡期においては未だに化石資源に頼っているのがリアル。自然エネルギーの開発・発展の前にウクライナ侵攻が起きたことで、その歩みは一気に後退した。自然エネルギーはまだ不十分、化石資源はロシアへの対応を考えるとこれまでよりもはるかに高騰し入手が困難になっている。これが今の世界。

この辺が分かりやすくまとまった「エネルギーの地政学」という本があるので割とおすすめ。
自然環境に配慮しつつも、ロシアが多分に絡む石炭・石油・ガスに依存しない上で安定的かつ多量のエネルギー生産を期待できる発電方法として、原子力しかないんですよ。良い悪いとは別の話としてそれしかないの、今の人類の文明レベルでは。
今の事態を招いたことを批判するなら、個人的には現政権じゃなくてロシアを批判してねって感じ。

結局「環境破壊に考慮しろ」と「安定した多量のエネルギーを生産しろ」を同時に行うには、現実問題として原子力発電を頼らざるを得ないんですよ。山脇拓議員の言う通りの果てに原発を完全に止めるとして、その頃までに代替エネルギー生産案が完成して機能していないと終わり。日本国民に「ちょいちょい停電するけど我慢してくれ」とでも言うのかね?その間に全力で核融合発電の研究進めますとか言うのでしょうか。
政権握っている自民党だって、原発の危険性くらいは認識しているに決まっているわけで。

こういうこと書くと何も考えずに原発容認しているように思われそうで怖いんだけどね。もちろん原発より安全、環境にもクリーンでありながら安定多量の発電量が確保できるシステムが生まれたら、速攻で移行しろとは思ってますよ。仙台に住んでいる人間からすると、福島原発の事故ってそれなりに身近な場所で起きたことでもありますし、感情的には色々思うこともある。その上で書いています。

一部の野党やメディアにはそこそこいるけど、代わりを考えずに「原発やめろ」って連呼しているだけでいい立場は気楽でいいですね、ほんと……。