心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

プーチンの当初の思惑とロシアの現在を考察してみる

少なからず日本にも影響があるのもあり、素人ながらに注視し続けないといけないと思いながら状況は見ていましたが、ついに徴兵っぽいことがロシア国内で始まる事態になってしまいました。ウクライナの人だけでなく、ロシア国民も被害者だなあと。

自分の考えている限りだと、まず間違いなくプーチンが描いていた予定と現在とは大きく異なっていると思う。
だからこそここからプーチンが何をするのかがもう分からないのが真の恐怖です。これまでのプーチンの思考は一応説明できる範疇なんだけど、今の実質負けた状態、かつ振り上げた拳を下ろすことができないという追い詰められた状態……。
ちょっと第二次大戦に負ける直前の日本と似たような何かを感じるんだよな。ただしロシアには当時の日本と違い核と資源があるから、指導者の理性が吹っ飛んだ時に本当に恐ろしいのよ。負けを認める以外の選択肢が最後に残ってしまっている。

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短期で決着をつける予定だったと思う

大枠としてのイメージはクリミア併合の戦略の延長だったと思うんですよ。ルガンスク・ドネツクという親ロシアエリアをまず引き入れて、その後ウクライナそのものに手を伸ばすっていうのはクリミア併合の時にも似た動きがあった。
クリミアにはそもそも親ロシア派の人が多く住んでいて、下準備として政治工作などを行う。その後一気に軍隊を介入させて事実上制圧、その上でクリミアで選挙を行いロシアに併合されることに賛成させる。クリミアに関しては、事実としてはクリミアの住民がそれを望んでクリミアが併合されています。
ウクライナでも大筋では同じことをしたかったんじゃないかな、というのが自分の考え。

地政学の観点から言うと、ロシアがウクライナ自体を滅ぼしその土地をロシアにしてしまっては意味がなく、おそらく戦争を有利な状態で講和に持ち込み降伏させ、ロシアの従属国にすることで西側諸国との緩衝帯にしたかったはず。
なので軍隊を介入させて制圧したとしても、ウクライナという国家自体を解体することは考えていないと思われる。

つい先日ついに徴兵っぽいことをし始めたロシア。ここから考えてもそもそも長期戦ができる用意はロシアになかったと考えられる。侵攻に踏み切ったのは、その時の軍備で足りると思ったから踏み切ったんだろうし。
長くても数ヶ月くらいで、ルガンスク・ドネツクを取っ掛かりに一度ウクライナを制圧、政府を親ロシア派に入れ替えてロシア従属国にする……ってところだったんじゃないのかな、と。

戦争は終わらせ方が一番難しい

自分の考える限りでは、ウクライナが徹底抗戦に至った時点でロシア側の目的は果たせなくなったので、その意味ではだいぶ前の時点でロシアは負けている。
ロシアの勝利条件は「ウクライナの従属国化」なので、それが不可能だとほぼ確定した時点で戦争を続ける理由がもうないんですよ。

そもそも戦争はやっている当事者はただひたすらコストを吐き続ける政策です(敢えて政策と書く)。ロシアもウクライナも、ずっと赤字を垂れ流しながら戦っているはず。
ウクライナの場合負けたら終わってしまうのでやるしかないんだけど、ロシアの視点からすると現状は本当にただの浪費に近い。でもここまでに使ってしまったコストを考えた時、何も成果を挙げられないまま終了……とはできないのが人間のサガというか。ビジネスにおける損切りできない思考は、こういうところでも共通だと思う。

ちなみにプーチンはこれを防衛戦争かのように話しているけど、プーチンの視点で見るとこれはある種正しいんですよね。
NATOを実質的なアメリカの組織として解釈すると、ウクライナNATO加入はロシアからすると極めて恐怖感を煽ります。ウクライナNATO加入をアメリカの間接的な侵略ととらえているから、プーチン側からすれば「防衛」ということになる。ロシア側の視点でロシア擁護する人は多分この観点で話をしていると思うんだけど、直接軍隊で侵攻している事実の前ではね……という感じがあります。
そういう地政学的なプレッシャーで暴発したのかな?とも思う今回のウクライナ侵攻。緩衝地帯がなくなることを極端に恐れる傾向がありますから、ロシアのような国家は。