心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

鎌倉殿の13人 第20回「帰ってきた義経」感想

義経は奥州に「帰る」ってことですかね。頼朝はそんな帰った義経に対する討伐命令を無情にも出す……と。

仙台に住んでいるくらいだと、車や電車で日帰り平泉旅行は割と容易な範疇なので何度か中尊寺金色堂は見に行ったことがあります。
やっぱすごいんですよね、実物生で見るとね、ちっちゃいんだけど。昔の東北はとにかく金が産出したようで、それは奈良の大仏の金メッキにも利用されたとかしないとか……当時の奥州藤原氏の栄華の証左であると同時に、清衡・基衡・秀衡の三代に渡って建立された寺院群は時間を超えて全ての生あるものを救いたいという願いも込められているようです。

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義経、平泉へ帰還。
秀衡爺ちゃんが義経を誉めてくれて涙を流しているが、この動きは鎌倉からするとまずいんですねえ……奥州がそっくり鎌倉の敵対勢力化する可能性があるし、まあ頼朝ならそのように見るでしょう。

大姫デカくなってる!なんか年月の経過の速さがスッと入ってこないんだよな……。セミの抜け殻がトラウマです。
一方、ドラマ的にはあっという間に秀衡が他界。そんな秀衡の遺言は、源義経を軍事部門のトップにするというものでした。
秀衡自身に鎌倉侵攻の意志があったってのが大きいですかね。こうなると義経はその遺志を継いで、鎌倉と戦う流れは自然。

頼朝は義時に平泉行ってもいいよ、とは言ったが「義経を生かして戻すな」と厳命。
秀衡の息子兄弟を仲違いさせ、その片方に義経を討たせる。その義経を討ったことを理由にして鎌倉が奥州藤原氏を討つ。
頼朝はサクッと説明したけど、すげえ調略ですねコレ。義時に同行する善児でめちゃくちゃ怖くなりましたね……。

義経くんは平和な暮らしをしているしもう戦う気もない……が、平泉に手を出したら絶対許さないぞ、だそうで。
「寝首を掻くのは造作もねえことで」いちいち怖いんだよ善児……。

うーん、静御前はどうしたいんだろうな、これは。
本当に自分のお腹の中の子供の生存を考えるなら、ひっそり生きてた方がよかった方がしますけど。
産まれた子が……っていうなら正体明かさなけりゃいいのに。ちょっとこの辺の静御前のムーブがよく分からないんですよね……。
なんつーか変にプライド高すぎて自ら退路絶ってません?納得いかないというか理解できないんですけど。義経の「正体を隠せ」って言葉よりもプライドの方が優先されるものなんでしょうか。それで産まれてくる子供が消されるって分かってるのに?実在始末されるし。

うーん、静御前エピソードすら利用して義経の鎌倉に対するヘイトを高めた上で、藤原の兄弟仲を裂いた上で藤原泰衡を調略。しれっと善児がアサシン能力発動しましたね。今回は善児がボディーガードしてますね……。
義時が淡々と言う「種は蒔いた」が怖い。

……なんやろなあこの感じ。
義経の正妻・里といい静御前といい、なんかどっちもろくでもねえっつーか……。
僕が男だからそういう女心の機微を理解できないだけなんですかね?この辺はなんか珍しくこのドラマでもやもやしますわ。

最後の最後になって義経が賢くなりました。自分の「信じすぎる」弱点も理解した上で、自らの首で奥州藤原氏が守れるならと義時の策に乗った義経
義経の考える鎌倉攻略の戦術が遺言のように託されたけど……これいつか頼朝撃破のために利用される伏線っすか……?

今年の大河の良いところは、頼朝も義経もどちらかが悪として描かれないことなんだよね。
すれ違いだったり立場ゆえにそうしなくてはいけないってことで敵対することになるけど、お互いに兄弟としての愛情はあった。
義経の首を前にして泣き崩れる頼朝は、そういう関係性を表していたなあと思います。「帰ってきた義経」というタイトルの本当の回収が首だけで鎌倉に帰ったことなのが本当に切ない。


次回「仏の眼差し」。
とりあえずこれから奥州合戦、同時にそろそろ頼朝が征夷大将軍に就任するための動きが始まるって感じですかね。
ともかく菅田将暉演じる義経、振り返ってみると非常に良いキャラクターしてましたね。サイコ戦闘狂かと思いきや、戦うことでしか自分を表現できない哀しき男でした……。