心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

麒麟がくる 第四十回「松永久秀の平蜘蛛」感想

さあ今週は松永久秀が時代を去ると思われるが、やっぱりこの死も明智光秀本能寺の変に至るトリガーの一つになるんだろうなという。
「なぜ松永久秀は謀反を起こしたのか」がそのまま明智光秀にも影響するのだろう。

松永久秀 歪められた戦国の“梟雄"の実像

松永久秀 歪められた戦国の“梟雄"の実像

  • 発売日: 2017/04/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

近年の研究で松永久秀の評価も良い方向に変わっているっぽくて、その辺も地味に反映されていた今年の松永久秀。その最期を見ていきましょう。

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さあドラマ開幕から早速松永久秀本願寺攻めの陣から離脱です。今回オープニングすぐ流れましたね。

光秀、奥さんが亡くなって何処か心に穴が空いたんだろうな。それまであまり喋らなかった光秀が娘に話しかけるようになったのは、それを埋めてる部分もあるんじゃないかなあ……とか思ったりして。
そんな穏やかムードから、伊呂波太夫からのお手紙を見てシリアスモードへと。

帝が信長の行く末を案じている。要するにそろそろ信長が何考えてるか分からねえってところですか。
伊呂波太夫を介して会ったのは松永久秀その人でした。
「今日は飲みます!飲まずにはおられん!」
麒麟の光秀くん、割と酒癖悪め設定ですね。

秀吉に対する信長の仕打ちに対して、松永久秀は秀吉側の立場に……柴田勝家の扱い酷くない?あの人優秀だと思いますけれども……。
能力で人を取り立てると思ってた信長、秀吉や自分自身への扱いは実際のところ能力じゃなくて家柄じゃね?だったらワシ本願寺側に寝返るわ……と。松永久秀はどうしても大和が欲しいんだね。

さあ平蜘蛛出てきました。「ぜってえ信長には渡さねえ!でも光秀には渡してもいいよ」。
友情というかなんというか。もうそれ以上にはなっている気はするが。
今年の大河、松永久秀がここまで大きな役割を持つとは思わなかったよな……。今年の平蜘蛛は爆死の火薬入れじゃなくて、光秀と久秀の友情の証みたいなアイテムだな。


おっ、細川忠興出てきた。たまちゃんの未来の旦那さんやね。
忠興とガラシャのエピソードもなかなかなものがあるけど、まあ大河にできるほどたっぷりできるかというとむずいよね。

静かに自分の集めた茶器に火をつける松永久秀
燃える茶器を背に家臣の前で腹を切る久秀。……吉田鋼太郎さんの演技壮絶っすねえ……。
そしてやっぱりというか、信貴山城攻めもそれ自体のシーンはほぼなしでしたな。


久しぶりの帰蝶様です。もうドラマ自体も終盤だし振り返ってみると、ほとんど帰蝶様が織田信長を動かしてたな中盤くらいまでは。
信長くんは何に泣いているのか……というと、個人的に考える限りは極端な話「思い通りにいかないから」が全部じゃないかなあと。
久秀が自分に従ってくれなかった。欲しかった茶器が燃えてしまった。色んな個別の理由はあるが、全部要するに「自分の思った通りにならないから」かなあと思います。少しセンシティブな話かもしれないけど、織田信長アスペルガーであったり自閉症であったりしたのではないかみたいな説がある。ちょっとそれを思い出すシーンだった。


……信長、これどこまで知ってんすかねえ?もう光秀に平蜘蛛が譲られることまで知ってるんじゃねえのこれ……って知ってたわやっぱ。
織田信長に対して嘘をつく」ってだけでめちゃくちゃ緊張感あるなオイ。
久秀も帰蝶も帝も、信長から離れていく。そして今回信長に嘘をついたことで、光秀もまたそれらの一人として警戒されるようになってしまったんじゃないかな。

大局的に見れば、細川忠興とたまの縁組は悪くないんだよね。ドラマ的にも光秀と細川藤孝の仲の良さを考えれば、特に反対する理由もないと思います……結婚する当人の意思を考慮しなければ、だけど。

平蜘蛛に関して少し調べたら、信貴山城と共に焼失した説も、その破片を集めて修復し、そして現存しているという説もあるみたいで。ちょっと夢あるな。
光秀にとってこの平蜘蛛、松永久秀が「これはわしじゃ」と言った通り「松永久秀」だったんだよね。茶器ではなく「松永久秀」だった。だから信長に知ってますと言えなかった。
平蜘蛛を所有するものには覚悟がいる。強い意志と美しい心がいる。なんか聖剣エクスカリバー感あるな。

うーん、光秀も信長もそろそろ互いに、決定的に心が離れてきている気がする。終わりに向かって松永久秀が大きな布石になりました。


次回「月にのぼる者」。
予告で言っていた「月に閉じ込められた」というニュアンスからは、いい意味ではないんですかね。