心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

麒麟がくる 第三十六回「訣別」感想

タイトルがシンプルだけどいいですね。信長と義昭の関係に完全な“訣別”が訪れる。

天皇の国史

天皇の国史

今年の大河は後半にきて、一気に天皇の出番が増えてきてますね。
並行してBSで再放送されている太平記も観ていて、まああっちは後醍醐天皇なのでめちゃくちゃ出てくるのは当然なものの……意外と戦国大河でここまで天皇が絡むの珍しい気がする。

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帝のいる部屋を廊下から眺める光秀の耳には、歌が聞こえる。
んで実澄さんの「今光秀が来ているぜ」の伝え方がニクい。「珍しい、万葉の歌を好む鳥が庭に来ている」と言い回しよ。

顔は見えないが、直接帝と言葉を交わす光秀。畏れ多すぎるぞオイ!!
明智十兵衛……その名を胸に留めおくぞよ」
こんなんされたら……義昭から離れて信長に着くかもなあ……。


さて、そんな信長。
大和国松永久秀筒井順慶の戦が発生中。
松永討伐の指示が織田・足利どちらからも出ているが、木下藤吉郎足利義昭の裏での動きを掴んでいます。ここが大事よね……実質的な足利義昭の狙いは、織田信長の力を削ぐことにあるから。
柴田勝家佐久間信盛も、主君である信長に何も言えないようなパワーバランスなんですね。だからこそはっきり言い返せる光秀の重要性が大きいんやなって……。なんか信長も変わってきたな。昔は周りの意見よく聞いていたと思うが。

そして剣術に励む足利義昭
そして接待はせずに圧倒的な剣技の差を見せつける光秀。間に回想で志の高かった頃の義昭が挟まるのが切ないな、なんか。
信長も変わったし、義昭も変わってしまった。


「武士は将軍の下で世を平らかにする」は、根本部分の「将軍は帝の下で世を平らかにする」が本来あるわけでして。
直接帝に会ってしまうと、ここに気が付いてしまうのかもしれん。「武士は帝の下で世を平らかにする」で別に問題ないというか、帝は取り替えられないが将軍は代替可能だからね……信長が自ら将軍になろうと思っても不思議じゃないわな。

しれっと坂本城できてるやないか。
帝に会ったこと。義昭が実質的に家族を人質として取ること。これらは光秀の気持ちが義昭から離れていくに十分ですねえ……。


……まあ分かっちゃいるが、残りの話数も考えると話が加速しますよね。義昭による松永討伐も、武田信玄による家康領地への侵攻も、朝倉の兵力展開も会話部分だけでガバッと進む。
うーん、三方ヶ原の戦い自体が「大敗した」の事後報告だけになるとは。


信長が義昭に出した「十七箇条意見書」、書いてあることが事実だとするとまあ義昭が悪いよねって内容ではあるんだよなあ。どこまで事実かは分からないんだけどさ。

このタイミングで「信長と戦え」と光秀に命じる義昭はあまりに非情かなあ。これは逆に光秀がパニックになって判断出来なくなるでしょう。
タイトルの「訣別」は、信長と義昭というよりも光秀と義昭でしたか……。
今週は感情揺さぶる回でした。面白かった。

次回「信長公と蘭奢待」。
光秀の想いはどうなるんすかね。なんだかんだいって義昭から完全に心が離れたわけでもないし……間に挟まった人の苦悩のマックス地点だな。