心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「スノーピアサー」 感想

本日2本目の映画は「スノーピアサー」。一日2本観るとさすがに疲れるね。


f:id:hiza10ji:20140219162526j:plain


これはかなり面白い作品でございましたよ。メッセージ性の強い、考えさせられる作品だった本作。


人という人種の咎、そして列車内という閉鎖空間でのサスペンスアクション、ストーリーの伏線、そして黒幕……。
撃オススメです。

あらすじ……というか世界観

2014年、人類は地球温暖化を人工的に止めるため、「CWー7」という冷却剤を世界中の空から散布した。
結果は地球全体の急激な超氷河期化。全ての生命体は死に絶えた。北斗の拳より酷い被害だと思う。

ただそうなることを見越していた男が一人いた。ウィルフォード産業のトップ、ウィルフォードその人である。
彼は永久に動き続けるエンジン、その中だけで水や食料、それどころか麻薬のようなものまで時給自足が可能な列車と、それを走らせる線路を構築した。

「CWー7」散布の直後、ウィルフォードの予想通りになった地球。金持ち、普通の運賃を払える者、無銭乗車の者。大きく分けてこの3種の人類を、それぞれ前列、真ん中、最後尾地帯に振り分けて乗り込ませた。

2031年。凍土を突き破り、一年をかけて地球を一周する人類最後の生存列車「スノーピアサー」が走り出して17年。
先の車両に住む人々に監視され、刃向かえばいとも簡単に殺される。そんな人権など意味を持たない最後尾で17年間生きてきた男、カーティス。
完全なる上下社会であるこの列車の中で、彼は最後尾の虐げられた者たちをまとめ、クーデターを起こそうとしていた……。


感想とかいろいろ

時間的には少し長く感じるような作品。
なんだけど、観終わったあとに思うのは「これだけのメッセージ性とか要素を詰め込んだのだからこのくらいはあるか」ってな具合。


実はカーティスは物凄い闇を抱えていて、それでずっと「俺はリーダーにはなれない」とか言いながらゴネるんだが、最後尾車輌の長老的存在のギリアムが「お前しかいない」と言い続ける。
実はこれも伏線だったりして、終盤のいろんな謎が解けていくのが本当にアドレナリン。


カーティスの過去、彼に従う若き青年エドガーの出生、カーティスを導く老人ギリアムの腕が失われた理由、列車のセキュリティプログラマーである麻薬中毒の男の真実、前列車両が最後尾から子供を連れ去るワケ、そして列車の主ウィルフォードの思惑……。

明かされなかったのは「このエンジン、何が燃料で動いてるの?」くらいのもので、たっぷり敷かれた物語のレールは、互いに絡み合いながら一つの終着駅にたどり着く。
列車だけに。

……うまいこと言った風にドヤってみました。



物語としては「乗ったら出ることができないノアの方舟」っていう感じ。

それは生物は繁殖はするが、それを養うだけの大地は存在しないということを意味する。


作中のカーティスは絶望の中で闘い続けるが、最後に残されたのは小さな小さな希望。


繰り返しになるが、色々と考えさせられるいい作品だった。