今日は映画「エージェント:ライアン」を観た。
昨年観た「ホワイトハウス・ダウン」にも近いような、アメリカの王道アクション映画の系譜という感じ。いい意味で安心して観ることができる作品だった。
主人公のジャック・ライアンは貿易センタービルのテロを見て大学を辞め、軍に入隊する。
そもそもの頭の良さ、分析能力の高さも合いまって活躍していたライアンだったが、乗っていたヘリがミサイルによって撃墜され、ライアンはかなりの重傷を負ってしまい、そのまま歩くことも不自由なほどに。軍を除隊し、リハビリに励む日々。
そんな中で出会ったのが彼のリハビリをサポートしてくれる医学生キャシー。彼女のツンデレサポートのおかげで「ちくしょう」となったライアンは、歩けるようになり、そして走ることも出来るまでになる。
そしてもう一人ライアンを見ていた人間がいた。学生時代の彼の論文、軍隊時代の情報分析能力を見てライアンに目をつけたCIAの人間、ハーパー。
退院したライアンを速攻CIAに「情報分析官」としてスカウトするのだった。
ライアンは表向きはウォール街で働きながら、裏ではCIAの人間として世界の経済に目を光らせていた。
しかもキャシーとは結婚寸前。幸せである。
しかしそのタイミングで「情報分析官」としての仕事が訪れる。
ロシアのチェレヴィン社が多額の隠し口座を所有していることが発覚。同時に株価やドルの金額が異常な動きを見せる。
パイプラインの建設を巡り、ロシア政府がチェレヴィン社を利用してのアメリカ経済の崩壊を画策していたのだ。
アメリカとロシアの経済戦争は翌日に迫っているという事態に、自らロシアへと赴くことになったライアン。
襲撃を軍隊時代の経験でからくもしのぎ、上司のハーパーと再開して渡されたのは拳銃と「君はもう分析官ではない。……エージェントだ」の一言だった……。
ちょっと長くなりましたがあらすじである。
主要人物は少ないが、おかげで一人一人に気持ちを移入しやすいというか。
ジャック・ライアンは9.11によって大学を辞め、軍に入隊したほどに愛国心があり、そしてテロを憎んでいる。
そしてCIAにいることは誰にも話せない。
婚約者のキャシー。
ライアンがCIAにいることを話せないでいるが故に、浮気を疑ったりしちゃうのだが、その行動力や思い切りが、どれだけライアンを愛しているかが分かる。
上司のハーパー。ケヴィン・コスナーかっこいいね。
老練に尽きる、歴戦の男。ライアンとキャシーの問題を「夫婦の話ではなく国際問題なので全部聞く」と言い切る感じとか、CIAとはどういう場所かが分かる。
何気にスナイパーライフルでライアンの脱出路を確保するシーンとか素敵。ただの命令係じゃねえ。
敵であるヴィクトル・チェレヴィン。
あまり書くとネタバレになるが、彼もまたロシアへの愛国心故に活動していた男。ライアンとの舌戦がたまらない。
「第二次世界恐慌」にすら発展しかねないギリギリの場面での影の戦いを描いた作品。
アクションというより、ストーリー全体のスピード感やハラハラ感が良く出来ていたと思う。
「らしい」ハッピーエンドなのも良い。
クライマックスでのライアンの高速情報分析……というか推理がアツい一作でした。
嫁のキャシーも肝が座ってて、速攻CIAエージェントの妻の顔になるのもかっこ良かった。