心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

べらぼう 第26回「三人の女」感想

今回は現在の日本ともリンクする、米不足の問題も描かれます。

火山噴火の影響を考えるに、米の不作は簡単に想像できます。
灰が降り続ける間は日光は遮断され、田んぼにも当選灰が積もるので凶作は火山噴火の時点で確定ですね。自然災害の怖いところ。

そして今回のタイトル「三人の女」。その三人とは……?

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開幕セリフが「米が、ない?」から。
うーむ、この状況で老中レベルが呑気にしているのがヤバい。そしてその感じ、今の日本政府ともちょっとリンクしちゃうのがねえ……。

さて、日本橋に進出した蔦重でしたが、こっちも米不足です。
交友関係が本作りの重要なポイントでもある蔦重としても、なかなかお客さんにご飯を出すのはやめられな……ってここにきて蔦重の母ちゃん登場!?
これは今回の「三人の女」、ていさん・誰袖・蔦重ママってこと……?
しかし自分は吉原に自分の子供を捨てといて、その子供が成長して成功したところでまた顔を出すのは普通にクズ人間系ムーブだと思うんですけど。

ていさんの仲介で母ちゃんは一緒に暮らすことに。
「人の懐に入るのがめちゃくちゃ上手え」蔦重ママ、この能力、完全に蔦重に受け継がれてるな……。

そんな蔦重ママ、つよさん。蔦重の店に来たお客さんにサービスで髪結い。
その間に蔦重は商品の売り込みを行う……。
さらにそんな様子を見ていたていさんが、その売り文句を誰でもできるようにカタログのようなものを作ってはどうかと提案。
うーむ、素晴らしい連携プレーです。
トリックスター的なつよさんのおかげで、蔦重とていさんの関係も進展。
なんか蔦重ママ大活躍すぎる……。

一方の田沼意知
米不足による倹約、そして意知自身に若年寄就任の話が出てきていることで、今後の吉原通いはちょっと控えめモードに……。

ここで「本来米はあるけど、高く売るために出し渋っている」ということを推察。
幕府のお達し通りの価格で販売している店は大行列。とはいえこれをやっている米屋も大赤字だろうなあ……。

大田南畝とそんな米屋の様子を見ていた蔦重、閃きます。
狂歌集を出版してめでたい雰囲気を作り上げて、米の価格を下げる作戦だ。
マインド寄りすぎますが、実際に蔦重たちにできることはこれしかないよな。

それをやっている最中に、田沼意知が「米の値段を下げる方法はないか?」と相談しにきました。
その流れで「仲間なんてもんはぶっつぶれればいいと思ってました」と言った蔦重の言葉に閃く意知である。
……これ、多分米商人同士の組合ぶっ壊そうとしてるよね?

ていさんはきっちり耕書堂の商品系図カタログを完成させ、その足でお寺……ですかね?これは出家しようとしていたのか?
ていさん、蔦重や歌麿、蔦重ママの人付き合い能力に、自分自身に対する自信を喪失していた。
ここで「吉原一の花魁を張れるような」が出てくるのはちょっと刺さるな。ここで瀬川が一瞬出てくるけど、蔦重はそれには全然揺れることなく、今はていさんだけを見ているというのがまたよかったですね。

蔦重、強え……。
「利者と呼ばれた俺が、唯一女房の目利きに失敗したことになるじゃん」は結構キレキレのプロポーズですね……。今回は本当の意味で夫婦になったってことですか。
そして静かに蔦重の知らぬところで失恋した歌麿。明確にセリフでそういうことを言わせるのではなく、ここまでの所作などで同性愛を匂わせてきたのがいいですね。「生まれ変わったら女になりたいからさ」のセリフが切ないのだ。

米の株仲間を廃止せよ。
米商売の自由化をすれば、競争原理によって価格は下がる。
この提案で難局を切り抜けた田沼親子。実際当時、どの程度効果があったんですかね。現代でいういわゆる談合みたいなことをさせない政策だったんでしょうけど、逆に一般の人がどのくらい米を販売できるくらい所有していたのかちょっと気になりますね……。


振り返ると「三人の女」は誰だったのか。
ていさん、蔦重ママの2人はほぼ確定かなと思うけど、3人目は誰袖というには今週の出番は少なかったので、ていさんのセリフの中に出てきた「吉原一の花魁を張れる」女性=瀬川でしょうか。
それともやっぱり「千代女」を自身の作品で名乗った、歌麿の女心が3人目なのかな。


次回「願わくば花の下にて春死なん」。
これは……いよいよ田沼意知が危ないやつ?そしてここでもまた一橋治済が暗躍するんですか?