心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

べらぼう 第43回「裏切りの恋歌」感想

今年の大河ドラマ、もちろん意図的にそういう脚本なんでしょうけど主人公のことを素直に好きになれないように描いていて、その辺は前回の歌麿に対する扱い方で特に顕著かなと思います。

耕書堂が大きくなるにつれて「商人として天才的な才覚を持つ人物」ではあれど、一方で「作家の気持ちが分からない人物」でもあることはしつこいくらいに描写されてきました。

結果、今回は歌麿側の我慢にも限界が訪れての決別でしょうか。
ここまで来て、兄弟とまで呼んでいる弟の「絵師としての気持ち」を理解できないの、本当に蔦重お前さぁ……という感じ。
ぶっちゃけ今作の蔦重は無意識で自己中し続けている嫌いなタイプのキャラクターですが、だからこそ容赦なく良い点・悪い点をガッツリ描いてくるからこそ今年は面白いですよね。

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歌麿、花魁を鮮やかに描き出すが……これが蔦重の元で最後の仕事だって覚悟して描いていると思うと、なかなか複雑ですね。

蔦重は定信治世の中で沈みゆく吉原をなんとかしたいと再び奮い立っているのかな。
自分が仕掛けた町娘ブーム、むしろそれが吉原衰退の原因の一端だったりしないですかね?コスパとか幕府から目を付けられてる度合いとか、諸々考えた時に町人が町の茶屋に積極的に行くようになる気がするんだけどな……。


一方幕府編。
ロシアが近づくこの状況に、松平定信は将軍補佐を辞めつつ大老になろうとしている。
何より将軍様が政治も分からんしやる気もないので、もう定信がこのまま政治やってくれよっていうスタンス。
松平定信の「この国を私に守らせてくださいませ」を東照大権現に願うのはすごい自我の強さだなあ。自分なら守れると思っているってことだもんね。
ロシアの船は江戸には入れず、長崎で対応する作戦だ。

うーん。
歌麿側が蔦重との決別を決意した後で、こうやって蔦重の良いところだったり、やっぱり蔦重は歌麿の才覚を評価してはいるところだったり、そして吉原の人たちからも期待されていたりとか……歌麿の心が揺れそうな展開です。
今回のカメラワーク、いいですね。合間合間に細かく歌麿の表情をアップ目に映すこの感じよ。

歌麿の違和感に気が付くことができない蔦重。
逆に歌麿の違和感に一撃で気が付くおていさん。
なんで蔦重はこうなんでしょうか……。

今回セリフのないところが重要っぽい気がしますね。
お面を選ぶだけの一橋治済のシーンにしっかり時間を取ったりとか。これはなんの暗喩なんだろうか。

鱗形屋からの話で、間接的に歌麿の覚悟を聞いてしまった蔦重である。
「西村屋と仕事するわけねえよな?」という尋ね方がもうダメなんだよね、蔦重。自分の下で仕事し続けて当然というスタンスなのが終わってます。

歌麿が女性を目で追っていたのは、女性を探している
のではなく「恋心」そのものを描いていた。
ここまでしっかり歌麿の同性愛をストーリーとして組み込んできたの強いよな、今回。それをいかにも「配慮して組み込みましたよ!」ではなくてちゃんとストーリー上必要な形で描いているのは見事だと思います。

「お前のためお前のためって言いながら、俺の欲しいものは一つもくれないんだ」
ずっと視聴者が思っていたことをついに言語化して伝える歌麿です。マジでそれすぎる。
ここまではっきり言わないと気が付くことができない蔦重。ここまできて決別確定してから、初めて置き手紙で感謝することになる蔦重。
本当に心の機微が理解できない人よね、今作の蔦重。

あっ……蔦重の子供は早産なのか……。というかおていさんも危ないやつ……。

本当に驕り高ぶり切っていますね、松平定信
大老就任が内定しているつもりで職を辞したら、将軍様から「お疲れ様でした、そのまま休んでね」で終了してしまった定信。
完全に周囲の人望がないという自分の弱点、理解できていないのが本当になあ。この辺もまた蔦重と定信が
一橋治済の暗躍を示唆していたんですね、あのお面選びのシーン。「そろそろ定信から首を挿げ替えるか……」という意味でのお面選びだったわけか。

失脚させられた定信……そしてここで再び手袋出てくるんかい!


次回「空飛ぶ源内」。
ここで急展開、平賀源内の話が再び。
その遺志を継いだ人間が登場って感じですかね。
あと予告の感じ、蔦重の子供はダメだったっぽいか……。