心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

雑に流行に乗る人が増えるとつまらなくなると思う

「猫ミーム」に「好きな◯◯発表ドラゴン」に、現在は「連続テレビ小説テロップ画像」ですかね。
これらはTwitterニコニコ動画TikTokなどで流行している(していた)、ネットミームです。

今ではすっかり見る専門になり、一切ツイートをすることは無くなったTwitter。一方でタイムラインには、現在連続テレビ小説ネタが定期的に流れてくるようになって若干食傷気味。

先に言いたいことを書いてしまうと、こういうネットミームに多くの人が群がった結果として大喜利としてのレベル全体が下がって、そのミーム自体が面白く無くなっていくんだよなあって。

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これの露骨に酷かったのが「猫ミーム」だと思います。
これはいくつかの猫の動画を交えながら、日常起きた面白かったことなどを紹介するもの……らしいんですが、これが割と動画としても作るのが簡単だったのでしょう、中身がスッカスカの動画も大量に増えてしまいました。
例えば友人とラーメンを食べに行った話とか。そこでなにか特殊なことが起きるならまだしも、「友人に勧められた食べ方をしたらすげえ美味かった」みたいな、ぶっちゃけた話特に何も起きていない話を数分の動画にしてアップしていたりするわけですな。
例えばラーメンの味を語るとかする場合、数分の短い動画に猫ミームのエッセンスを交えることで、むしろそのラーメンの味に対する話が薄まって伝わらなかったりします。猫ミーム自体がその場合伝えたいことに対するノイズになる、みたいな。

この手のものって素材自体はインターネット上でいとも簡単に手に入る上、動画としても簡単に作れるので参入障壁も低い。
結果として本当に問われるのは、その人自身の持っているセンスや経験値になってくると思うんですが……参入障壁が低いせいで、流行っているから猫ミーム動画を作って再生数稼ごう、みたいな層もそれなりにいたんじゃないかなあと。
忌憚のない言い方をすると、その結果として少なくとも日本では猫ミームは廃れつつあります。圧倒的に中身の薄い内容の作品が多くなってしまったからですかね。


これがもっと簡略化されているのが「好きな◯◯発表ドラゴン」や「連続テレビ小説テロップ」かなあと。
これらはもはや動画編集技術すら必要なく、横を向いたシンプルで可愛いドラゴンのイラストを用意するか、画像に「連続テレビ小説」のテロップを重ねる加工をするだけで作れます。

ドラゴンの方はそこまで見ませんが、現在進行形で連続テレビ小説テロップの画像はやたら見かける印象。ぶっちゃけ見かけるものの8割くらいは別に面白くない。
雑に映画のワンシーンとかに「連続テレビ小説」の文字を被せる画像が乱立されている段階に入っていて、このくらい単純に作れてしまうほど「どの画像にテロップを被せるのか」というセンスみたいなものが純度を増して問われることになります。一緒に文字のツイートすらしなかったりするから、画像一本で勝負する大喜利のような構造になっているので……少し考えれば分かるんだけど、画像一枚だけで見た人を唸らせるのはかなり難しい大喜利の構造だと思うんですね。猫ミームどころじゃない難易度だと思います。
それを分かっていない人ほど安易に踏み込んで、お笑いでいうサムいという状態が発生している感じがあります。

当然ながらきっかけになった人のツイートが面白かったから発生したミームなんですが、それは「連続テレビ小説」というテロップが面白かったのではなくて、それと画像を組み合わせた始まりの人のセンスが面白かったという話なのであって……。
もっと根本的なことを言うと、始まりの人のやつはそのテロップを重ねることで「本当に朝ドラっぽく見えるじゃん!」というタイプの面白さだったと思うんですよ。笑えるタイプの面白さではなくて、ウィット方面の面白さだった。
現在はそういうことではなくて、むしろ全然連続性が見えないような画像に重ねて面白がってる人が多いですからね。そのアングルになったらもう面白くないんですよ。


「流行に乗ったものをツイートすると、多くの人に見てもらえそう」みたいなところが、承認欲求とマッチしてしまっているのかもしれません。
でもこうやって多くの人が群がることで、そのネットミームの寿命は短くなっていくんだよなあ……。