心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

中東には住所の概念がないらしい

先月だったか、Twitterで見かけて面白かった話を思い出したので書いてみます。

中東、ドバイなんかは特にはっきりそうなんですが、住所がありません。
これは文化や社会のレベル的な問題ではなく、そもそもが定住しない砂漠の遊牧民がルーツになる人が多い国家だと、根本的に「住所という概念」がないのだとか。

スポンサーリンク


これが結構面白い。
手紙や郵送物が直接送れないんですね。
で、どうするかというと郵便局とか勤務先に郵送されて、それを自分で受け取りに行くらしい。
Amazonで注文した品をコンビニで受け取る、あのシステムに近い感じでしょうか。日本の場合とこのシステムが存在する意味合いが全然異なる気がするけどね。

まだ手紙や郵送物ならいい。
直接人を招く場合にどうするかというと、住所がないので「○○(目立つ建物名)の向かい側」みたいな感じで伝えるらしいです。名刺なんかにもそういう書き方をされているとか。
これは大変ですよ。例えば「ヨークベニマルの向かい」とか言われても、候補となる建物が1個じゃない。結局はちょっとしらみ潰しのように一軒ずつ当たるハメになる……例で出したヨークベニマル、思ったより展開していると都道府県少なかったんですね。そっちにちょっと驚いちゃった。

こちらの感覚からすると、住所がないというのがただ不便にしか感じない。
今からでも地番の割り当てとかするような話は出てきたりしないのかな?と思ったりしたんですが、ドバイほど発展した街でもそれでなんとかなってしまっている以上「問題ない」という感覚なのかもしれませんね。
何より今からドバイの街全体に住所を割り振ることの方が地獄の業務になりそう。


遊牧民をルーツに持つ民族は住所の概念が希薄……ということで、ふと思い出してモンゴルについても調べてみた。
やはりというか、モンゴルも住所がありませんでした。首都であるウランバートルですら、住所どころかほとんどの通りに名前もないのだとか。
都市部ならまだマシな方で、今も草原にゲルで暮らすような人宛ての手紙や荷物は、配達員が人づてに聞きながら届けるそうで……モンゴルの郵便局員の仕事ハードすぎない?

で、どうやら2016年にイギリスのwhat3words社が英単語3つを組み合わせたもので、地球上全ての場所に住所を設定したのだそうです。
まず地球を3メートル四方の区画に分割。合計57兆個の区画ごとに、英単語3つで構成された住所を割り当てたとのこと。
それこそドバイやモンゴルにおいては便利そうで、実際にモンゴルでは郵便配達に活用されているっぽい?他にも国連や赤十字、面白いところだとメルセデス・ベンツのカーナビにも使われているみたいですよ。


ただ一方で、思ったほど浸透していない気もします。というか自分もこうやって調べるまで知らなかったし。
まあ単純に、日本のように初めから住所があるような国なら必要性は薄いってことでしょうね。3メートル四方に区切った住所よりも正確な住所が既にあるわけだから。
「おおよそでいいから、素早く住所を特定したい」みたいな場合には強い気がします。それこそ国連の人道支援とか。緊急事態にとりあえず3×3メートル以内まで目的地を絞れるのは有効な気がします。