心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

今さら「魁!男塾」にハマった4つの魅力

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だ、伊達ーっ!!



そういやちゃんと読んだことがなかったなーと思って買ってみた「魁!男塾」。
気付けばあっという間に15巻まで買っていた。まあブックオフで買っているから1、2巻はまだ手に入ってないんだけれど。


いや、すげー面白いんですねこの漫画。


というわけで「魁!男塾」の魅力をお伝えしていきます。


魁!!男塾 第1巻

魁!!男塾 第1巻


異常な密度で闘い続ける男達

読んでみるとわかるのだが、とにかく闘いの場面がほとんど。ほとんど過ぎて読んでいる側としては休む暇がまるでない。

近年の格闘漫画の代表といえそうなバキシリーズだが、むしろこのシリーズは緩急がまったりしていたりする。
一度の格闘シーンは長く、その中で緩急がある。さらにはバトル以外のシーンも結構描かれている。飯食ったりとか、会話するだけの回とかも意外とあるのがバキだ。


男塾にはそんなもの必要なし!
「闘う→死ぬ」×a→「い…生きていたのかお前らーっ!!」→次の闘いへ
のひたすら繰り返し。いや、バカにしてないよ!してないしてない。
むしろバトル漫画としての純度は最高峰。最近はストーリー重視、キャラ萌え重視の漫画が多いし実際自分もストーリーで読みまくってきたわけで、ここまで単純だと逆に面白いわけで。


バトル漫画のパワーインフレを(ある種)乗り越えた方法

「ドラゴンボール」あたりが直面していたのが、敵のパワーインフレである。
「敵を倒す→次の敵はさらに強くなければならない」というスパイラルだ。時に前回倒した敵は仲間になって、そのまま新しい敵の強さを表現する咬ませ犬になったりすることもある。

「ジョジョ」はそれぞれのキャラクターの力には長所と短所があって、単純な力比べではない頭脳戦という形でパワーインフレを乗り越えた。


「テラフォーマーズ」はどうやって乗り越えているかというと、たくさんの登場人物のそれぞれの戦いをザッピングしながら話を進めることで物語全体の速度を極限まで遅くして、結果的にパワーインフレ自体の速度を下げて乗り越えてようとしている。そこにジョジョ的な知能比べのエッセンスも入るのだから、まず乗り越えているだろう。



さて、「魁!男塾」である。

これまたシンプル極まりない。
「以前敵で仲間になった奴が、新しい敵より強い」のである。それだけだ。それだけで十分なのだ。

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特にこの男の強さが異常。
元関東豪学連総長にして覇極流槍術を極めた男、伊達臣人(だておみと)。
主人公である剣桃太郎に敗れて仲間になってからは、まるで危なげなく全勝。下手すると桃より強いんじゃないかと言われていたりする。


倍々ゲームで増える仲間たち

先の伊達臣人率いる関東豪学連との闘い…
驚邏大四凶殺(きょうらだいよんきょうさつ)に挑んだ剣桃太郎富樫源次、虎丸竜次、Jの4人。

その死闘を乗り越えると、次は関東豪学連の4人を加えた8人で大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)にて、男塾3号生の8人と闘う。

それから1ヶ月後、今度は世界規模の大会天挑五輪大武會(てんちょうごりんだいぶかい)へ。1チーム16人。もちろん八連制覇にて闘いあった1号生と3号生の8×2の16人チームだ。


なんという掛け算。仲間増え過ぎてわけ分からねえ!
……とならないのが男塾の地味にすごいところ。それぞれのキャラクターに、それぞれの見せ場をきっちり作っているあたりがフツーに凄い。

いや、ぶっちゃけテラフォーマーズ読んでると「あれ?こいつ誰だっけ」ってなることありませんか?


男塾なら心配ご無用。
その個性の強さと戦闘密度の高さで、「あっ、こいつは3号生死天王のひとり、卍丸だ!」と一瞬で分かります。

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まあ、卍丸先輩は特に見た目のインパクト強いんだけどね。


「一度拳を交えた奴らは皆仲間」な、シンプルで力強い男塾ワールドがここにある。


逆に今だからこそ突き刺さる友情・勝利のジャンプ原理

昔はこれが暑苦しくてどうにもダメで、そんな中「ジョジョ」の頭脳戦にハマったわけです、私は。


今「魁!男塾」を読むに至って、この単純な友情と勝利が染み渡るというか。(男塾には努力はなくて根性がある)

仲間の死を前に、己の腕に小刀で死んだ奴の名前を刻んだり。
今にも負けそうな仲間のために、己の胸に「闘」の一文字をこれまた小刀で刻んだり。
届かないはずの遠さから、仲間のためにエールを送ったり。
仲間のために肩車を応用して橋を作ったり。

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男塾の隠れた魅力に、「闘わない塾生も男を魅せる」ところがある。
闘う主人公達のために、本当に命を賭けて道を切り開いたりする男達。
いや、まさしく男塾魂ですよ。





ま、一番恐ろしいのは、男塾全巻の中に女性キャラが4人しかいないらしいということ。

さすが女人禁制の男塾である。