心の雑草

「げ」と申します。「旅=人生」というライフスタイルをめざして、心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「許されざる者」感想


今日は渡辺謙主演「許されざる者」の公開初日。早速観てきました。
ネタバレもちょこっとあるのでそのつもりで!

許されざる者」は、クリント・イーストウッドの同タイトルである西部劇を日本を舞台にリメイクした作品。大筋の物語もほとんど同じです。


かつて「人斬り十兵衛」として政府軍から恐れられていた釜田十兵衛(渡辺謙)は、今では蝦夷地で百姓として二人の子供と暮らしていた。
そんな時現れたのは、かつて相棒だった馬場金吾(柄本明)。女郎の顔を切り裂いた男2人に賞金がかかっていることを伝え、一緒に殺して賞金を得ようと持ちかけてくる。
3年前に死んだ、アイヌ人の妻との「不殺」の誓い。
悩みながらも、生活の困窮を前に、十兵衛は再び刀を手に取る……。



テーマは「命と罪」と理解しました。
日本映画らしい繊細な表現で、結果的にストレートに伝える以上の力強さで「命と罪」を叩きつけられました。


渡辺謙が演じる釜田十兵衛は寡黙な主人公。かつて何も考えずに人を斬り続けた男は、妻と出会い、百姓として暮らすうちに「人斬り」以外の生き方にようやく気付き、そして過去の罪を背負っている。

相棒であるひょうきんな爺さん、馬場金吾を演じるのは柄本明。かつて十兵衛の相棒だったが、実は十兵衛が怖くてたまらなかったという男。実際は自分の手を汚す覚悟はなく、結局十兵衛達と別れることになります。

アイヌとのハーフであり、十兵衛達と共に行動することになる若者、沢田五郎は柳楽優弥が熱演。5人殺したことがあるとの触れ込みで仲間に入ったが、実際は一人も殺したことはない。始めてその手で人を殺めた時、あまりにあっけない人の死を前にして戦えなくなる。

主人公組3人は、みんな影を背負って生きてきた。馬場金吾、沢田五郎の明るく振る舞うシーンにも、何か重みがある。



決してハッピーな物語ではない。
いちど家族を得て光を、幸せを得た人斬り十兵衛が、再び闇に落ちる物語である。
それだけに、ラストシーンの渡辺謙の表情が突き刺さりまくります。



「人を斬って、斬って斬って、最後には誰かに斬られて死ぬ。ただそれだけの人生だと思っていた。」
十兵衛……。



劇中で十兵衛が言った「死にたくない」の重み。
これは家族を得たから十兵衛が手に入れた感情だし、始めて「命」と正面から向き合ったシーンじゃないかと思う。

地味にいい台詞たくさんありました。うろ覚えなんで正確じゃないですが。

小池栄子演じる女郎、お梶の「もう飽き飽きだね、死んだふりして生きていくのは」
馬場金吾の「一度くらいは、お日様浴びたいからな。」
そして十兵衛が決着着けたあと、仲間に対して言う「地獄で待ってろ。」



もう一回観たい。
日本映画の力は、まだまだ衰えないです。