先週だったかな、ちょっと面白いニュースを見かけまして。
アルファ・ケンタウリ星系へ、400年かけて旅をする宇宙船「クリサリス」の開発構想があるのだとか。
壮大すぎるこの計画。
まるで漫画や映画、アニメの世界のお話ですが、そんな話を現実で構想できる程度には進歩しているんだなあ。
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宇宙船というよりコロニーですね
中心にコアがあり、その周囲を複数の層が重なるようになったマトリョーシカ的な構造。
これが回転することで遠心力を発生、これを擬似的な重力として機能させるそうです。
船内には食糧生産のための農場や、物資生産の工場、さらには公園や学校、病院などの公共施設も当然あり、それどころか森林などのバイオームごと船内に再現・維持。まさに船内がそのまま一つの都市であり、生態系です。
400年という長い長い旅路。
当然ながらその中では人間の世代交代が行われます。中には「クリサリスで生まれ、そのまま寿命を迎える」人間もたくさん出てきます。
そういった意味でも、宇宙船という枠組み以上の何かですね。
……ということで、これほとんどガンダムでいうスペースコロニーなんですよね。
形は円筒形。回転する遠心力を重力として利用。
おまけにガンダムでスペースコロニーが建造されているとされるラグランジュポイントは、地球と月の重力が釣り合う安定した地点ということで、今回紹介した宇宙船クリサリスの建造場所としても考えられています。
色々と共通点が多すぎる。富野由悠季監督の先見の名には驚かされるものがあります。
将来本当にクリサリスが建造、そしてケンタウリ星系へと旅立つ時代が来たら。
その中で誕生した初めの子供達は、DNA的には地球人ですが……誕生した場所からいえば人類が明確に認知することになる最初の宇宙人なのかもしれません。
これまたガンダムでいうところのスペースノイド。宇宙船内で生まれ育った人間は、やはり我々地球人とは考え方などが少し違ってくるのかな?
ガンダムのように、地球とクリサリスとで戦争になることはない……と思いますが、むしろクリサリス内部で人間同士の抗争が発生したりして目的地に着く前に……なんてことを考えてしまったりします。
400年って考えると普通に内部で色々な勢力が誕生、大きな衝突が起きたりしてもおかしくないだけの時間の長さ。人間の歴史を考えると、400年あれば戦争が起きない方が珍しくないですかね……という怖さがあります。それを防ぐ方法はあるんだろうか?
まあ、ともかく夢のあるお話です。
今は商用核融合炉がないのであくまでも構想段階みたいですが、ずっと先の未来ではSF作品のように、クリサリスを発端として様々な惑星へ人類が移住する世界がやってくるのかも。
クリサリスの目的地は、地球によく似た惑星だという「プロキシマ・ケンタウリb」。
その頃には「人類」ではなく「地球人」「ケンタウリ人」みたいな感じで、同じ人間でも出身惑星によって呼び名に違いがあるような時代もやってくるのかもしれません。
