田沼意知が斬られたことに端を発する、二つの仇討。
一つは意知の父、意次による「意知が目指した政治を実行する」ことによる仇討。
もう一つは意知と結ばれるはずだった花魁・誰袖の笑顔を取り戻す、蔦重なりの仇討です。
正直なところ、いよいよ一橋治済に正面から宣戦布告をした田沼意次編のほうが盛り上がってきた感はあるんですが……。
今回のタイトルからすると、蔦重の仇討がメインでしょうかね。
スポンサーリンク
火山噴火からの大不況、その原因が田沼ということになるのが実に昔の思考というかなんというか。
手拭いに描かれた男を使った、超絶笑える黄表紙を作りたい。
そんな話し合いの席に、鶴屋さんが登場。ということで鶴屋さん、自分のお抱えである山東京伝を貸すのでその作品を担当させる宣言。
それが売れれば山東京伝の名が売れる、そうなると過去作も売れて鶴屋がウハウハ……ということですね。
一方でその京伝先生がどうにも乗り気ではない様子……えっ、今回は蔦重&山東京伝のタッグがメイン?
一方で田沼意次のもとに、松前藩の勘定帳が届きました。
「表」と「裏」の2種類が届きます。当然ながらこの2種類に数値が異なるのなら、それこそが松前藩の抜荷の証拠となる。
生前、田沼意知が仕掛けていた作がここに結実した。
一方で松前藩主が一橋治済に手紙を出すが……。
さて、山東京伝の作品がひとまず完成。
どうも京伝先生、世の中をリサーチできてないというか、読む人のほとんどが素人であるということを理解しきれないというか。
根本的に、ヘラヘラしているけど、実はプライドかなり高いっぽいですね、京伝先生。
鶴屋さんが完全に仲間になってるの頼もしすぎるねえ……。
そんな鶴屋さんから、佐野政言の人となりを聞いて何かヒントを得た蔦重。
いいなあ、これ最高にいいなあ。
かっこつけたい山東京伝を助けるのが、かつてある意味で京伝に助けてもらった春町先生という構図が最高だよ……。
努力しているのを見せるのが恥ずかしいが、実は見えないところで血の滲むような苦しみの中で作品を生み出していた。春町先生と同じタイプの人間でした。
全然笑えない佐野政言の全てを反転させる。
それがヒントとなり、京伝先生もやる気爆発。もりもりと作品への熱意が湧き立ち、筆が乗りまくるぜ。
田沼意次、ついに将軍様へ松前藩の抜荷の証拠を……というところに一橋治済が登場!!このタイミングでかァ……!?
蝦夷の上知、一橋としてはむしろ歓迎する様子。松前藩のことは切り捨てたか。まあ手紙読んでから投げ捨ててたしな。
蔦重の「敵討」、ここに完成。
バカな道楽息子が、大金はたいて女にモテモテになりたい!ということで色々やるけれど、全然そんな浮き名が全然上手く流れない……そんな物語。
浮き名は立たないが、バカな奴がいるっていうちょっとした名前が流れるという。
劇中劇としてこの辺がたっぷり描かれましたね、今回。
誰袖ちゃんが笑ってくれてよかったな……。
これにて蔦重の「仇討」は成功ですね。
さらにこの黄表紙が大ヒットしたことで、世の中の話題は佐野大明神から仇木屋艶二郎へと代わり、これもまた一つの「仇討」なのかも。
そんな黄表紙『江戸生艶気蒲焼』を読んだ意次も、蔦重なりの「仇討」を受けて自身の覚悟を改めて決めた様子です。
次回「人まね歌麿」。
山東京伝の次は歌麿の出番。そういや未だ歌麿は歌麿オリジナルの画風を発揮してませんから、その辺の覚醒とかも描かれるのでしょうか。
