前回の話では、出版した作品に込めた皮肉が上手く伝わらなかったこと蔦重。
今回はそれを踏まえて、かなり踏み込んだ作品を春町先生が手がけて出版しますが……。
もう予告の時点で嫌な予感しかしていない今回のお話。
Wikipediaによると出版した本が松平定信を風刺しているとして幕府に呼び出しをくらいますが、病気を理由に出頭を拒否。そのまま病没するらしいです。
自ら命を絶ったとする説もあるという春町。ドラマ的にはどのように描くのでしょうかね。
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蔦屋さん爆売れ中。
しかし明確に、分かるように皮肉ったことで鶴屋さんは警戒しています。
一方で松平定信、こちらはこちらでやり方があまりに厳しすぎて求心力がなくなっています。
そりゃそうだ。出世するにしても何かしら得るものが増えないなら、出世なんてしたくありません。これは現代と同じですね。
「私の言うとおりにすればよいのだ。それで上手く回るようにやっているのだ」ねぇ……。これを自信を持って言い切ってしまえるのが松平定信のヤバさというか。自分のことをある種疑うことができない人間はダメだと思うんだなあ。現実と擦り合わせて修正できないってことですから。
そしてよりによって、そんな風に上手く政治が進まずイラついていたところに蔦重プロデュースの新作黄表紙が渡されるっていうね。蔦重にとってはタイミングが悪すぎるな……。
ブチギレ松平定信によって、皮肉っていた書籍に絶版
命令。鶴屋さんの考えていた悪い予想が当たってしまいましたな。
やっぱり田沼意次が特別だったんだよな。鶴屋さんの言う通りで、普通は老中が町の本屋と直接会ったりしないです。
被害は甚大。
喜三二先生は筆を折る宣言。
恋川春町の方は隠居状態。
世界の時は進むのに、日本は100年前に逆戻り。
ここまでくると、松平定信はただの倹約バカじゃないですかね。
うーん……毎週書いてますけど、今年の定信のキャラ付けだけはもう少しクレバーな人間になりませんかね?
若くしてやる気に満ち溢れているのはいいんですが、田沼が絡んだ時点で政治に見せかけて個人的な敵対心が前面に出ちゃうから、この人。
一橋治済にはそこを見抜かれていて、まんまと「蝦夷取り上げは田沼がやろうとしていたことだしなあ……」と操作されてしまうのはちょっと小物感強くないですかね?
ついに直接呼び出されてしまう春町先生。
この人、本当に良い殿様に恵まれたなあ……。「病って嘘じゃね?こっちから出向くから」と言い出す定信ですが、それからも庇おうとしてくれるというね。
喜三二先生の作家としての送別会。
こうやって喜三二作の作品や、そんな喜三二からインスピレーションを受けた作品に順番にサインを書きながら……やっぱり「筆折りません!」宣言の喜三二先生です。
まあみんなで作家を続けさせようとしていたのが上手くいきましたね。
そんな光の影に闇がある。
春町先生、一人静かに切腹。冒頭で触れた「自ら命を絶った」ルートで来たか……。
この辺は喜三二先生とのキャラクターの対比とも言えるけど、やはり春町先生は真面目すぎたんだよな。
自分が生きていると、どうやってもどこか誰かしらに迷惑がかかってしまう。
全てを丸く収めるには、春町自身が命を絶つしかない。
真面目にふざけて、自分の死の切腹までふざけた。
豆腐の角に頭をぶつけて逝去……ということにするために、わざわざ桶に豆腐を用意した上で、腹を切った。
武士としては切腹。作家としては人を笑わせるための豆腐。
さて、どうですかね。
流石に定信にも堪えるものはあったようで。自分の苛烈すぎるやり方のせいで、一人の作家が自ら命を絶った。
根本的には黄表紙好き、恋川春町ファンだったもんな……。
次回「地獄に京伝」。
結局今回の一件があっても、倹約姿勢は変わらないっぽい定信。
春町の次は山東京伝が主役ですか。あと「お前も書いてみっか」に「はい」と返事をしたのはおていさんですが、これマジでおていさんが書くの?
