前回ラストで起きた新之助一家の悲劇。
これで新之助さんは完全に覚悟決めちゃったっぽいので、今回はそのまま打ちこわし突入でしょうか。
予告の感じだと、田沼意次が再起をかけてまだ動いているみたいだったのでその辺も楽しみ。
最終的に失脚するのは分かっていますが、それでも今回の意次にはちょっと頑張ってほしい。
ドラマ的には「とにかく運命に嫌われている男」という演出がされているような田沼意次。自身の打ち立てた政策が裏目に出るような出来事ばかりが起きるし、その中にはどうしようもない天災が複数含まれるしで、客観的にアウトサイドから全体を観ている視聴者視点だとどうしても同情しちゃいますね。
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家治の最後のセリフとか色々考えると、ドラマ的には田沼意次が治済にリベンジ成功するのが綺麗な展開なんですが……現実はそうじゃないってのがなかなか重いよな。
そして蔦重。この人は現在やはり根本的に裕福側の人間だから、普通に暮らしている人の中に「困っている」「困っていない」のライン引きがおかしいというか、ぶっちゃけ幕府の人間的なのよね……。
一方幕府では「天災の原因が田沼」って普通に言ってて、この時代の感覚がよく分かります。
一橋治済は完全に田沼一派の力を削ぐべく、さらに田沼の屋敷やら何やらを没収していくスタイル。
さらにさらに「松平定信を老中にするのは若すぎねえ？」という反論を田沼意知の事例を持ってくることで、定信老中が達成。ここでも意次がやったことが裏目っていう。
大奥の意向で田沼意次の謹慎解除。オープニング前の数分間でしたが、幕府内部の政争がモリモリ描かれていてなかなか面白かったですねこの辺。
お救い米っていうのは、今でいう炊き出しみたいな感じか。
蔦重、ここで「田沼様のおかげ」とか言っちゃうのがダメすぎる。
世間的には田沼政治の時代の恩恵をモロに受け、大出世した男ってことになるのか、蔦重。
なんか今回、意図的に蔦重が長家暮らしの一般庶民の気持ちが分からない人として描かれている気がしますね……。そもそも蔦重がやっていること、今でいうと東京で成り上がった金持ち社長が田舎に行って米とか酒とか渡すの、プライド高い人からすると見下されているように見える案件ですし。
「田沼様のことが正しく伝わってねえ」みたいなこと言っていますが、これも蔦重側からの一方的な視点の押し付けっぽいし。
蔦重くん、絵師に対して注文つける時もそうですが「自分のやりたいこと」「自分の考えていること」が優先されすぎる傾向がありますね。
地道に裏の老中首座と言われるくらいになった意次、ここで仕掛けます。
一方で一橋治済の増長も酷い。「次の将軍の父」には政治的な権力はないわな、そりゃ。
「見苦しい！」なんて言われることも初めてなんじゃないですかね、治済。
田沼意次と一橋治済、完全にタイマンバトルの様相。
この辺りは実際に長いこと幕政に関わってきた意次の老獪な手腕という感じ。
将軍の周囲の人間の多くを田沼派で固めることに成功。一橋治済の影響力を削っていく。
打ちこわし、まずは大阪で発生したんですね。
そのニュースが江戸まで届き、そのまま放置していたら江戸でも打ちこわしが発生するのは必須。
越中守・松平定信すらここで懐柔しようとする意次。
あと定信は定信で、マジで江戸の民のことをあんまり考えてない感じで描かれているのがドラマ的にはちょっとね……。あまりにも田沼に対しての敵意だけで生きてる感じが。
打ちこわしを抑えるような読売の頒布をする耕書堂ですが……結局20日に出ると言っていたのに米が出ない。
ああっ！新之助さんの目の色が変わってしまったぞ。
「田沼の手先」って言われてしまいました。
あとついに一橋治済が自ら変装して現場にいたの怖すぎるわ。
新之助の言う米を巡る論理、蔦重には論理的に反論できないだろうなあ……。正しいっちゃ正しいし、これ。
そしてそのような資本主義的社会に傾けたのは、たしかに田沼意次だったりする。
ここで平賀源内か。「わがままに生きることを、自由に生きるってんだ」か。
打ちこわしやるなら「逮捕者なし・死者なし」でやってくれと。
命の取り合いではなく、江戸の華たる「喧嘩」としての打ちこわしです。
新之助の魂の言葉を布に描き、それを幟として掲げて打ちこわしに向かう。ここで平賀源内の「書で世を変える」が効いてくるの良いね……。
そして蔦重も参加するんかい！
次回「打壊演太女功徳」。
結局打ちこわし、死者が出てしまうっぽくて鬱展開が内定。
