今週の目玉は、タイトルにも入っている通りやはり喜多川歌麿でしょう。
予告の感じだと歌麿=唐丸なんだけど、はたしてどうなるか……。
『見徳一炊夢』という作品は、朋誠堂喜三二による黄表紙作品。
金持ちの息子が親の金を盗み「夢」を買い、それで栄華の旅を続けて70歳になった頃に家に戻ると没落していた……というのが全部実は夢で、蕎麦の出前が届くまでの間の「一炊の夢」だったというお話だそうで。
やはりベースになっているのは中国の古事、邯鄲の夢なんだろうなあと強く思わせるお話です。
この手の栄枯盛衰というか、諸行無常みたいなお話は世界中にあるもんなんですかね?
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様々な画風を見事にコピーする謎の絵師、北川豊章。そしてその正体を唐丸だと断定気味の蔦重。
会いに行った豊章の姿は、唐丸に似ても似付かぬものでした。あっさりだったなここの展開。
また10冊の青本を出版しようとする蔦重、喜三二にそれをオーダー。
さすがに無理やろ……という喜三二に、女郎屋への「居続け」を報酬に提案。特別なお客さんだけがこうやって女郎屋への連泊が許されていたんですな。これは知らなかった。
そして豊章、蔦重が賭場で見た姿は表の姿。
実際に絵を描いている別の人間がいる可能性に、二人羽織を見たことから思い至ります。ゴーストライターみたいな感じ?
直接会いに向かった蔦重と出会った若者は捨吉。蔦重は唐丸だと断定して話しかけますが、当の捨吉は本当に覚えがない様子……?
これは、川に流された時に今回はマジで記憶を失ったやつか?
蔦重に対して、けんもほろろな捨吉である。
「人別」……これに関してはナレーションで説明がありましたね。戸籍のようなものだそうで、捨吉にはそれがないという。
喜三二さんの「筆」が立たなくなってしまいました。
この辺隠語を使ってるけど、ゴリゴリの下ネタですなあ。
ここから重たい話にリンクするのは上手いですね。この仕事を自ら望むものの中には、それを自分への罰だと捉えている人間がいると。
そして今の捨吉もそうなのではないか……ということですか。
喜三二の下の筆の話で大蛇が暴れ回る夢はひでぇ。
でもそれで話を思い付いた喜三二である。これはまさしく『見徳一炊夢』を閃いたっぽいな。
なんかもう捨吉、まさに死を求めている感じですね。というかやっぱり完全に唐丸だったか。
今明かされる唐丸の過去。そもそも産まれることを母親に望まれない誕生だった。
妖怪画家・鳥山石燕が幼き唐丸の師だったわけですか。
妖怪なんで見えないから、とりあえず石燕先生の絵を写していた。そしてそれがコピー能力の源泉か!
結局はあの火事の日に母親を見捨てたこと、そしてそもそも自分が産まれたこと。
めちゃくちゃ背負ってるなあ、唐丸……。こんなもん他の人間には分からない苦しみですからね。自分の中で負の感情が増幅していくだけだもんなあ。
「俺はお前を助ける」
蔦重、そもそもあと火事の時に既に唐丸のことを助けていたしな。
人別も取ってきて、新しい「雄助」という名前を得た唐丸の新しい人生が始まる。
画号は「歌麿」です。
そうかぁ……蔦重も唐丸と別れた後の人生に色々思うことはあったんだな。
瀬川も平賀源内も助けられなかったということに苦しんでいたんですね、蔦重。だからこそ唐丸は助けてやりたいのだ。
喜三二の作品も完成。“息子”の具合も良くなったようですよ。
んで、いよいよ鱗形屋さんが店を畳むとか。
次回「鱗の置き土産」。
鱗の旦那、ここが最後の出番になっちまうのか……?
