心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

べらぼう 第38回「地本問屋仲間事之始」感想

タイトル通り、今回は地本問屋たちがちゃんと組織化する話でしょうか。

しかし前回のお話、振り返るとかなりシナリオがよくできていました。
蔦重と松平定信。完全に敵対する関係にありながら、それぞれがそれぞれのやり方に強く固執しすぎて味方を失っていくという「似たもの同士」として描かれており、非常に印象的な展開だったように思います。
前回は山東京伝と仲違いしてしまった蔦重。予告では再会していましたが、和解できるのか……?

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「ふんどしに抗わないとダメだろ」と言う蔦重。
ですが、ここで山東京伝は「抗わなくても面白い本を作れる」ことを証明しちゃったからなあ。
鶴屋さんに協力を仰ぐ蔦重ですが、鶴屋さんもちくりと毒を吐いていましたね。随分蔦重も偉くなって変わっちまったもんです。
この辺を変に綺麗に描かず、歪んでしまった蔦重もちゃんと描くのがいいよな、今年。

おや……。歌麿の妻であるおきよさん、命に関わるレベルの梅毒に冒されていました。
歌麿と出会うまでの間の人生が、ここで不幸として襲うのはなかなか残酷です。

倹約しすぎて町の治安が悪化。
これを「狙い通り」という松平定信は、そうやって暴れ回る人間こそが田沼病に冒されているとして、それを更生する施設を作ることを長谷川平蔵に命じます。

鶴屋さんの取り計らいで、山東京伝と蔦重の面会が実現。
ここに鶴屋さんという第三者いるからなんとかなると思ったけど……ダメでしたね。
「しくじったのは蔦重さんじゃねえですか」
先週から京伝先生が強い。
なんか妙な気持ちを抱えてここ数週間観ていたけど、蔦重が自分の責任と向き合わずに周囲にその責任を押し付けていたからかもしれない。
蔦重が掲げた松平定信への戦いの犠牲になってるんだよな、本に関わった人間が次々と。

うげえ……黄表紙・浮世絵などがそもそも規制をかけてきたか。
これ焚書坑儒では?その原因はもちろん蔦重ですね。

ふーむ……蔦重、とりあえず自分の責任で出版業界全ての危機を招いたことを認めた上で、大量の草稿を用意。「新しい本を出版したいなら奉行所に指図を求めよ」という命令を逆手にとり、その奉行所の仕事をパンクさせる作戦だ。
ここであのへらへらした山東京伝が覚悟を決めたことで、否定的だった場は一気に協力体制。

そうだったそうだった。
長谷川平蔵と蔦重は良好な関係でした。こっちに話を通すのは賢いな蔦重。
将軍のいる江戸故のプライドがある。後から入ってきた上方の本に負けてはいけないのだ!という定信のプライドを上手く逆撫でして、地本問屋による株仲間を作ることを許可しました。
株仲間の自分たちで内容しっかり改めてね……ということで、事実上ルールをある程度守れば自由に出版可能って言質を取り付けた感じかな。

ああ……歌麿、壊れてしまいました。
キツいなあこれ……。このドラマ、歌麿にだけ特別に残酷すぎるだろ。
歌麿の人生が過酷すぎますね……。

ちょっと今回は内容が盛りだくさんすぎて、リアルタイム視聴しながら感想を書いていく自分のやり方だと書きたいのに書き漏らした感想が色々ありますね、
今回。


次回「白川の清きに住みかね身上半減」。
いよいよ蔦重、財産の半分を幕府に没収される時が来てしまいました。現在は年収の半分という説もあるみたいですけどね。
せっかく株仲間システムを構築して上手くやれそうな流れを作ったのに、結局松平定信には許されないのか蔦重。