何がきっかけだったか覚えていないんだけど、海王星が発見されるまでの経緯をどこかで聞いたか見たかして非常に面白かったのでちょっと紹介したいと思います。
この星、観測ではなく計算によって発見された星なんですね。ある意味では天文学ではなく、数学によってその存在が予言された星とも言えるかもしれない。
ここから書くことは、ぶっちゃけWikipedia「海王星の発見」の項目をなぞっていくだけになってしまうと思いますが……一つお付き合いください。
スポンサーリンク
1781年、ウィリアム・ハーシェルによって天王星が発見されました。
その後ニュートンによる万有引力を使いつつ、天体力学の分野は発展していきましたが、その中で天王星の軌道が「万有引力では説明できない」ことが判明。まあ要するに計算が合わないと。
そこで「天王星のさらに外周に惑星があって、その星の引力も影響しているのでは?」と考える天文学者が出てくると、その惑星の位置を計算し始めました。
フランスのユルバン・ルヴェリエは計算した結果を、ベルリン天文台のヨハン・ゴットフリート・ガレに郵送。
すぐに観測を始めると、1時間も経たないうちにルヴェリエの計算した位置に惑星が観測されたのです。
これが「海王星」と呼ばれる惑星の発見経緯。
まあルヴェリエ以外にも計算していた人がいたので、誰が一番初めに見つけたのか……みたいな論争が起きたようですが。
要するに海王星は、それを観測したことで発見されたわけではない。
天王星の軌道を見た際、数学的に「この位置にこういう軌道で動いている惑星がないと説明ができなくない?」という計算と仮定が与えられ、その通りの位置を観測してみたら本当に星が存在した……というものなんですね。
なんだか学問の進歩を感じるエピソードというか、やっぱり学問というのは複数の分野に跨っている方が面白いなあと思ったりというか。
当然ながらただひたすら天体観測をするだけでは見つけることができなかったと思われます。海王星についての計算をしたルヴェリエも天文学者ではありますが、星の軌道を計算できるくらいに数学の知識もあったからこその予測と発見なわけでして。天体観測に数学や物理学だったりと色々な分野の協力によって、はじめて海王星は発見されたんだろうなあと思うと結構素敵な話です。