なんとなく「映画観ないといけない……」という強迫観念に駆られて観たのが、2016年公開のジェーン・ドウの解剖」でした。
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2017/10/04
- メディア: Blu-ray
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検死官を営んでいる親子の元に、警察から身元不明の謎の遺体が送られてくる。
手首・足首が折れ、肺は真っ黒になるほど焼け、内臓には無数の切られた痕。だけど外傷は一切ないという奇妙な遺体。
解剖を進めてそれらの事実を見ていくに連れ、徐々に異変が起き始めて……。
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浅井ラムちゃんの映画レビューを観ていたせいか、こうやって感想を書き始めてみるとなんとなく浅井ラム的な視点になりそうで怖い。
映画全体の展開の仕方はよくまとまっていて良かった。惨殺事件の現場から見つかった身元不明の女性の遺体、それが主人公親子のところにサッと届いて(間に息子とその彼女との軽いやりとりを挟みつつ)、さあ解剖だって始まるとどんどん分かる遺体の変な状態。
導入部がテンポ良く進んでダラダラしてないので、緊張感が途切れないままストーリーに入り込める感じ。約90分という中に無駄なく収まっていたんじゃないでしょうか。
前半の解剖しながら遺体の奇妙さに怖くなるパートから一転、後半はその遺体が引き起こす怪奇現象に怖くなるホラーのテイストが変わる2段構えで盛りだくさん。といっても、後半の安置していた他の遺体が動き出す微妙なゾンビ映画の感じとかは若干「そっち系か……」と思わなくもなかったけど。
遺体は実はセイラム魔女裁判で散々拷問された本物の魔女であることが解剖と、体内から見つかった布の記述などから判明して……という感じで、終盤は思ってたより結構ファンタジー感が。日本でいうと貞子っぽいですね、真相がね。でも魔女の遺体本体は最後まで動きません。ゾンビも彼女の力によって動き出した他の遺体だし。
前半の静かな「何が起こるんだ……?」という静の恐怖と、ゾンビが出てきたりする後半の動の恐怖とが両方楽しめるしエンタメ的にも結構オススメ。
親子の関係も適度に差し込まれて、それらが遺体の起こす怪現象がトリガーになって引き出される部分もあって自然にストーリーに絡んできて違和感なし。
少なめの登場人物、狭めの世界観(今回だと親子が営む検死院だけ)で進むような映画が好きなら面白いと感じるんじゃないかと思います。
「解剖」がテーマの一つなので、内臓とか脳とかはっきり出てくるのだけは苦手な人注意です。