こちらを読ませて頂いて思い出したことを。
学生時代のことだ。
私はキリスト教系の大学に通っていて、自然にその周囲にはキリスト教徒が多かった……のかな?
登下校の際にたまーに声をかけられるわけだ。
「貴方は神を信じていますか?」
……なんて、ステレオタイプな切り出しはあまりなかったように思うが。
通ってはいたが別に信仰心があったわけではない。
だから話しかけられてもサクッとシャットアウトしてそそくさと帰っていたわけだが、ある時「どれ、話を聞いてみよう」と思ったのだ。
そう思ってから2ヶ月ほどした頃、来た!
30歳前後くらいだろうか、優しげなちょっとイケメンのお兄さんに話かけられたのである。
どうやって突っ込んで行ったかは覚えてないのだが、とりあえず相手の方はキリスト教徒。カルトとかそういうのではなかったようだ。
「神の存在証明ってできないですよね?」
「それは各々の体験から〜」
「そういや預言者の誰だかもそうでしたね。じゃああくまで主観性が〜」
こんな感じで問答始めたら、カフェでコーヒーを飲みながらゆっくり対談する状態に。
「そもそも神様がいるとして、ヤハウェだけってのが違和感あるんですよ。お兄さんの家も家族それぞれの箸って決まってますよね?」
「ええ」
「自分以外の人の箸使うのってなんか嫌ですよね」
「まあ、嫌ではないですが進んで使うことはありません」
「それって箸に対して物質以上の何かを信仰しているって話にはなりませんかね?アニミズムの方が自然な気がするんですが」
「それは神性ではなく、日本人独特のツミ、ケガレという思想です」
「それは日本神話の体系とも密接だと思うんですけど、その辺どうなんでしょう」
とかなんとか。
結局コーヒーをおごってもらった上、色々と疑問も解けたという。
とにかく相手のお兄さんが博識だったというか。キリスト教徒でありながら他の宗教や思想についても相当明るくて、盲目に信仰しているわけではなく広い世界を見た先にキリスト教に行き着いた人だってのがにじみ出ていた。
ぶっちゃけガッコーの授業より得るものありまくりでした。
そして何より、「勧誘」って気配がなかったのが良かった。互いの考えのぶつかり合い、そして私の世界を広げてくれた人。
名前も知らない人だが、感謝している。
こういう人が増えたら宗教に対する誤解とかも少しはなくなる気はしますが。
最も金儲けのためにやってる宗教には無理だろうけど。
そんな私、今は仏教思想に傾倒気味だ。
あの時ぶつかり合うことのなかった世界。

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