心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

劇場版「ペルソナ3」感想

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「PERSONA3 THE MOVIE ♯1 Spring of Birth 」

しれーっと観てきましたよっと。まあまあネタバレしますけど、とりあえず原作のゲームプレイした方向けに書きますので。


主人公の名前は結城理(ゆうきまこと)ことキタロー。
ストーリーは原作に忠実、そして日付の進みや敵の弱点演出などは実にゲーム的。
正直な話、日付進行は映画としてみると少し違和感がある演出だったけど。


さて、今回の映画では山岸風花の仲間入りまでが描かれる。
ゲームではほとんど分からなかった「主人公の心理の変化」が繊細に描かれていて、いや、ちょっと感動した。



「PERSONA3 THE MOVIE ♯1 Spring of Birth 」は、心の力のビジョン…「ペルソナ」を召喚する力を得た高校生達の、通常では感知できない「影時間」に現れるシャドウと呼ばれる魔物との戦いを描いたジュブナイルRPGペルソナ3」の劇場映画版。
ま、分かりやすく説明するとジョジョでいうスタンド使い高校生達の戦いと青春の物語です。相手は化け物だけど。



はじめの主人公のセリフ「死ぬってそんなに怖いこと?」が、仲間との戦いの日々の中変わっていく様は感動モノ。
自分の命すら「どうでもいい」と言うキタロー。頼まれたから戦っていただけの彼が、仲間たちの「生きたいという意志」や「死に対する恐怖」を見る中、ただの共に戦う相手だったみんなが友人になり、仲間になっていく。
感情は控えめなままの「背中は任せた」という発言や、仲間を置いて逃げずに戦い続けるシーンまで、駆け足ではあったけどしっかり映画の中で心が変わっていくのが分かってじんわりきた。


ペルソナはというとオルフェウス→(タナトス)→ジャックフロスト→サラスヴァティの順で覚醒。氷結寄りのペルソナ選びっすね。


映画オリジナル楽曲も良かった。
タナトス覚醒時の戦闘BGMとか、クライマックスのタルタロスで仲間が主人公と風花を逃がそうとして戦うときのピアノ曲とかね。
タナトス覚醒シーンの曲はすごくカッコイイものであり、クライマックスの曲は切なくてたまらないものが。



ペルソナ3は物語として真正面から「生と死」に向き合っている作品で、その重さがペルソナ4なんかに比べると影を生んでいるんだけど、それが重みや深みになる。テレビアニメではなくて映画という形で正解だったと思う。自分はキャラもストーリーも完全にペルソナ3の方が上だと思っていますので。
生きる理由がなかったキタローは仲間を得ることで生きる理由を見つけていく。
ゲームよりもその過程が強く描かれていて(客観的に作品を観れる位置だったというのもあるけど)、映画の最後には逃げずに戦うまでになる。ここ色々込み上げるものが。


伊織順平の主人公への対抗心、岳羽ゆかりの主人公の考え方への苛立ち。この辺の機微もちゃんと描かれていて原作ファンとしては嬉しい。
決してペルソナ3の仲間たちって初めから仲がいいわけじゃなくて、お互い心の中では色々抱えているんだけど、それを乗り越えていく過程がドラマだったりするわけで。省かないでちゃんと描いてくれるあたりは流石に分かってる。


でも今回のメインイベントは山岸風花に持っていかれました。
地味に風花をいじめていた不良生徒役の人の演技が来るものがあって。
ゲームではテキストで流れていく部分がかなりしっかり補完されていて、ちょっと泣きそうになるという。特にいじめっ子の心情が掘り下げられていたのが個人的にはグッド。
最近涙腺弱めだ。泣いてない!

ペルソナは心の力。自分をいじめていた子を守るために力に覚醒する風花とか本当にねえ…。やっぱりペルソナ3のヒロインは個人的には風花なんで。
「火が効きます!」「雷ですっ!」
という素敵な風花ナビのオンパレードも堪能できたしね。


というか「伊織順平アワー」がそのまま行われるとは思いませんでした。つくづくファンのこと分かってる映画だと思う。


スタッフロール後はアイギス起動、眼を開いたところで終幕。
メインヒロインがようやくってところでワクワク感。


続きは2014年初夏だそうで。#2ではどこまで描かれるだろうか。
少しずつ世界のカタチや、それぞれの物事の意味なんかが分かってくると俄然面白くなる。

いや、楽しみだ。結局全3作観る感じですねこれは。